きんさんの映画レビュー・感想・評価

きん

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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

生きているのか死んでいるのか、生きたいのか死にたいのか。喧騒とした東京と、孤独。差別、災害、戦争、死。
だけど、朝おはようって言おう。ご飯を食べる前はいただきますって言おう。そういうことだよね
花が咲
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.0

52ヘルツのクジラの声に、苦しみの叫び声に、耳を傾け、単純な共感や同情なんかじゃなく、共に苦しみ、愛してくれる、そんな人と出会う事が生きる意味であり、生きる希望だ

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.0

アノーラに対する単純な同情や哀れみの感情を与えるシーンも散りばめられる一方、そういった安易な解釈を許さないアノーラの人間性、現実性
人間はなぜ性行為を求めるのだろう
人間は性行為に快楽、悦楽、興奮を覚
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

3.9

世界は変わっていく 人間も細胞レベルでは何度も生まれ変わっているらしい
それに付随して、変わっていかなければならない、進化していかなければならない現実
過去となったものは単なる時代遅れか
それに固執し
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.0

人生は他者だ。特に二人称の他者。
大切なあなたが急に居なくなった時に、溢れた涙、溢れなかった涙に見出せる意味を愛せるか。
大切なあなたとの別れは一瞬だから、死がいつあなたを襲うかわからないから、今日は
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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.7

電車で隣に座っているこの人にも、ホテルの受付の人も、横の部屋に泊まっているあの人にも、人生があって、生活があって、感情がある、そういったことは忘れがち

WILL(2024年製作の映画)

3.5

美しく、潔白に生きようとする事が最も残酷で醜穢

ブルーベルベット 4Kリマスター版(1986年製作の映画)

4.0

日常に潜む狂気とサディズム、マゾヒズムそれを緩和させる美しい音楽と演出
一気に明快になった世界は本当にハッピーエンドなのか
不思議で醜くてエロティックでグロテスクな人間世界にいつ変貌してしまうかわから
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.2

普通である事、世間体に従うのがつまらないことで、悪なのか
快楽に従って欲望を剥き出しにする事が本当に善なのか
お金は刹那的な快楽ですぐに消えるのに、根源的な寂しさはどうしても消えない
ひどく貧しく、ず
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.5

新しいブーツより古いブーツ、上空より大地、車より歩きたいトラヴィス
前半分は自然の中の一存在としての人間
後半部はミドルショット中心で人間が前景化される

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.0

過去と現実、記憶と知覚に優劣などはない 人々の頭にある記憶は、人それぞれ異なるのかもしれないが、各人の紡ぎ合わさったノスタルジックな記憶像ほど美しいものはない

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.5

幼児性溢れる手遊びと玩具、溶けかけたアイスクリーム、ありふれた日常の強い色彩
スマートフォンで映されたディズニーランドはなんだか冷淡で空虚に感じられた

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

端的なフランス語で多くは語らない。でも人間の表情の些細な動き、首筋の痙攣をまるで絵を描くように浮き彫りにした圧倒的表現美