味噌煮込みコアラさんの映画レビュー・感想・評価

味噌煮込みコアラ

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正体(2024年製作の映画)

4.1

ツッコミどころも多少あるが、逃亡者vs刑事というオーソドックスな社会派サスペンス映画。娯楽度については、今年一番。横浜流星、助演の吉岡里帆などの演技が良く、緊張度が持続している。松重豊の役どころが新鮮>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.2

ベタなボーイミーツガールを絡めたロードムービー、と言ってしまえばそれまでだが、「いい映画を見た」という満足感。これは、映像の美しさや主演2人の演技を含めた映画の持つ表現力の強さ。ほろ苦さすらも味わえる>>続きを読む

恐竜・怪鳥の伝説(1977年製作の映画)

3.4

ひでぇ映画。でも嫌いではない😊
『仁義なき戦い』の東映が、慣れない子供向け映画を作るとこうなるのか😅
富士樹海の自○ネタから始まり、血みどろの映像、しょぼい特撮、衝撃のエンドマーク。多くの人に見てほし
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

58分の中に多くの要素を詰め込んだ青春アニメの傑作。美しい画像と音楽で時間と空間が心地よく回転する。藤野と京本の出会いシーンの素晴らしさ、見事に収束する物語。「背中を見て 京本」。見るたびに発見があり>>続きを読む

十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.7

『仁義なき戦い』の笠原和夫原案というだけで見る価値あり。期待通りの血しぶき(ちょっとグロ過ぎ😅)、予想以上の爆薬。頭を空っぽにして見たい作品だが、少々長いか。阿部サダヲが快演。『碁盤斬り』や『八犬伝』>>続きを読む

八犬伝(2024年製作の映画)

4.0

滝沢馬琴28年間の実の部分と『南総里見八犬伝』の虚の部分を交互に心地よく描く明朗健康娯楽時代劇。イケメンの八剣士、CGを使った決闘シーン、豪華キャストとサービス満載。楽しく鑑賞できたが、消化が良すぎた>>続きを読む

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

3.9

実は高貴な立場にある主人公がその立場を追われ、苦難の末に本懐を果たすという典型的な大活劇娯楽映画。冒頭のヌミディア陥落、猛獣との闘い、模擬海戦のシーンは息を飲む。制作費2.5億ドルの体験はぜひ劇場で!>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.7

タイムスリップという陳腐な設定で、有名な俳優は殆ど出ていないのに素直に面白い。それどころか、妙に完成度が高い。映画の持つメッセージ、エネルギーは伝わった。自主映画の究極の姿?ラストはなぜか泣いてしまっ>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.3

初見。凄まじい映像と音響に圧倒される冒頭の地獄絵図から緊張が途切れることなく続く170分。娯楽という概念を超えて描かれるのは命の重さと生きることの意味。未見の方は是非!
#映画館で見た
#TOHOシネ
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.5

政治的描写は皆無。ポスターのような戦争映画というよりは内戦中のN.Y.からD.C.に向かう戦場カメラマンを描くロードムービー。全編を支配する緊張感、緊迫度の強い戦闘シーンは見る価値あり。ただ、娯楽映画>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

4.1

良くある連続爆弾サスペンスだが、犯人の動機、謎の落書きなど、様々な要素が料理されていて、日本映画には珍しい一流の娯楽作品になった。阿部サダヲ、火野正平、宇野祥平の演技により配送に関わる人々の苦悩が胸に>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.0

河合優実が走り、酔い、吐き、怒り、叫び、殴り、蹴り、そして微笑む137分。奔放に生きているようで、動きと表情からテンパっている女性を見事に演じる。題名とオアシスのライブの位置付けが不明だが、今年収穫の>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.0

1979年「12.12軍事反乱」をモチーフに描いたサブ•ノンフィクション。まさに息をつかせぬ展開。政治劇をこれだけの娯楽映画にした脚本と映像に脱帽。全斗煥役のファン•ジョンミンの存在感がすごい。韓国史>>続きを読む

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

3.7

1と2の間を舞台にしたスピンオフ。丁寧に引き継がれた1の世界に目を見張る。気味の悪いラスボスは夢に現れるかもしれない。面白いが、意外にハラハラドキドキしないのは肝心のエイリアンがさほど強くないせいか?>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.2

25年前から全く色褪せないカッコ良さ、暴力、音楽、軽妙なカット切替、そして大量の流血を伴う痛さ。真似のできないめちゃくちゃで異常なプロット。これほど引きこまれる映画は稀。見ていない人は幸せ。ただし、眠>>続きを読む

きみの色(2024年製作の映画)

4.1

人が「色」で見えるという高校生。優しい色彩、音楽、映像が、切なさを伴う曖昧さ、不思議な多幸感を生み出す。成長譚ではなく、わかりにくい作品ではあるが、妙に刺さった。もう一度見たくなりそうな今年度アニメ、>>続きを読む

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.9

冒頭の独白から映画の不穏さにのめり込んだ。音の暴力。多くの人を不安にさせそうな色彩と白黒の画面。覚めて欲しくない「悪夢」があるなら、この映画のことを言うのだろう。お勧めはできないけど、また見たい不思議>>続きを読む

温泉シャーク(2024年製作の映画)

3.6

温泉町暑海を襲うサメの大群。明らかな低予算映画なのに、自衛隊、米軍、総理大臣、高機能メカも登場するサービスの良さ。意外に論理的で難解なストーリー。微笑ましい熱海市民エキストラ。手作り感が強く、いい意味>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.1

アウシュビッツ収容所所長ヘスを主人公とした異様なホームドラマ。
奇抜な設定、冒頭の暗闇と不穏な音楽、美しい庭園と邸宅、収容所から聞こえる叫びと銃声、立ち上がる煙。これほど不安を与える映画は稀。異常が日
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.3

明白な問題提起もなく映画が淡々と綴るのは「あん」のことのみ。見えてくるのは社会的セーフティネットの脆さと善、正義の限界、過ちとの関係。河合優美が素晴らしい。昨年の『ほかげ』の趣里に匹敵すると思う。辛い>>続きを読む

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

3.5

音を立てたら即死というシリーズの前日譚。マンハッタンを舞台にしたホラーSF超大作を期待したが、ロードムービー的要素が強く、中途半端な感じも。ただ、主人公の飼い猫の表情と動きが不満を解消してくれた。猫好>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.1

米国版学園人情喜劇映画で今年度収穫の1本。不器用な嫌われ教師、悪ガキ、ベトナム戦争で息子を失くした料理長。教師役のジアマッティ、優しくおかしく展開する脚本が上手い。観客から漏れる笑い声を聞くために映画>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.3

148分の文字通りの手に汗握るノンストップアクションムービー。全編に流れるのは怒り、暴力、復讐。しかし、鑑賞後には不思議と心地よい憔悴。凄すぎた前作には及ばないが、79歳の監督が撮った十分以上に凄い映>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

4.3

新垣結衣の静的な表情と終盤の穏やかな笑顔。早瀬憩の目の離せない一挙一動。とにかく主演の2人が良い。行き違いの会話、接近しそうで近づけない関係はむしろ自然で心地よい。淡々と進む物語だが、ラストでは涙が止>>続きを読む

薔薇の名前(1986年製作の映画)

4.1

エーコの膨大な歴史小説を1本の探偵娯楽映画にした脚本と監督の手腕に喝采👏

14世紀北イタリア修道院の不穏な雰囲気を膨大なセット、繊細な小道具、登場人物の異常な言動で表現。コネリーとスレーターの師弟関
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.0

前章での新鮮さは薄れたが、やはり傑作

人類の危機と女子の青春という違和感だらけのプロットを絡ませて、全く安っぽくなく、前期高齢者すらも涙ぐませてしまうのは、斬新な映像と声優の演技。残虐表現に注意
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

奇想天外な物語を洒落たコメディに仕上げたF.オゾンの脚本と演出が見事。

舞台となる30年代のパリ郊外の情景が美しい。主人公の女優と弁護士がかわいく、ウイットに富んだ会話も昔のフランス映画を彷彿とさせ
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

4.0

人情噺『柳田格之進』を基に、実直すぎる武士の覚悟を描く

陰影のある自然な映像、役者の表情、江戸市井の情景、囲碁の勝負シーンが素晴らしい

いい映画を見たという開放感。完成度の高い、お勧めの娯楽時代劇
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

4.1

時速80キロ以下になったら爆発する爆弾を載せて突っ走るひかり。あまりにもどストライクな題名、計算されたプロット、滲み出る昭和

国鉄の協力一切なしで完成したパニック映画の大傑作

大好きな映画。これを
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.7

とにかく映像に圧倒される怪獣娯楽映画の傑作

受け入れやすい単純なプロット。「vs」でなく「x」なのがミソ。ただ、伊福部昭の音楽がないのが残念。モスラは節足動物要素が強すぎる

入場料払って見ても、損
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.4

長回しの美しいカメラワーク、どこにでもある諦めを背景にした対話と矛盾、単純なプロットに対して戸惑いを覚えるラストとタイトル

観客への濱口監督の挑戦?誰かと話したくなる稀有な作品。喫煙シーンと黛さん役
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.4

独立戦争時のイタリア。絶大なキリスト教権力に翻弄されるユダヤ人家族

「洗礼」を巡るミステリーを美しい映像と音楽で表現する。ラストまで緊張感が続く歴史劇の傑作。今年度個人的外国映画ベスト(暫定)

#
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ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

3.4

プロット展開や結末に違和感はあるが、キジトラ猫のかわいらしさでご破算にしてしまおうという魂胆😅

最後に「動物を傷つけていない」というテロップは出るがルーへの負担が少し心配

#映画館で見た
#阿佐ヶ
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.6

「鉄の爪」フォン•エリック一家の伝記的映画。父親のエゴと従順な4人の息子たちの栄光と悲劇

リアルな格闘シーンと本気の演技。不幸が連続して襲いかかるが、ラストシーンで救われる。良くできた作品。ただ、個
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

ソ連スパイ疑惑を巡る公聴会と、「原爆の父」の生涯と苦悩を交互に描く構成の妙、突き刺さるような音響と映像が生む緊張感溢れる3時間

「一食抜いても是非!」としか言いようのない傑作。

#映画館で見た
#
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.2

原作どころか何も知らずに鑑賞。日常化する渋谷上空の巨大宇宙船と女子高生の友情という取り合わせの不思議な違和感

いじめなど不穏な日常世界も見せながら予測不能の展開。正義の意味さえ問いかけられる

今年
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