すぐるさんの映画レビュー・感想・評価

すぐる

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女神の継承(2021年製作の映画)

4.1

作中唯一の救いはエンドロール最後の「実際に動物に危害は加えていません」のみ、というね。
人間の恨みの徹底的な暴力性や無慈悲さは、毎日手を合わせるだけじゃどうにもならんのだな。人の恨みを買うような行いは
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.1

主演のトランティニャンの表情が抜群だった。完璧ながらも今にも崩れそうな揺らぎや儚さを湛えていた。

話の運びはゆったりとして退屈な部分はあるものの、バッチリな構図と撮影で印象に残るシーンは多かった。
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

「労働者階級に祖国はない」のセリフが重い。帰るべき場所がない人間同士が頼りなく温め合う様が美しかった。殺し屋とそのターゲットの間にもそれは成立していた。

殺し屋にも家族はいたが、そこは「おかえり」と
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

2.6

「音楽は世界を救う」よりも過激な「世界が存続するのは音楽のおかげ」という世界観。
ミュージカルシーンてんこ盛りで振り切っており、それ自体は楽しいっちゃ楽しい。

ストーリー展開がとにかく遅い。前半の人
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.7

強盗に暴行されて記憶なくしたけど、捜索願も出さず男作っちゃう女と円満に別れられてよかったよかった。災い転じて福と成す、みたいな映画だった。

冒頭の暴行→死(即復活)が一番不幸な出来事で、その後は人や
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.7

ネアカで酒も飲む神父がジョーク交えながら悪魔祓いしていく。キャラとして完璧だった。実在の人物を基にしてるというのが驚きだ。その人に興味が湧いた。

もうちょい派手なアクションや悪魔の所業を期待してたん
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.2

劇場の大画面で観る灰色の海はいいものだ。楽しかったし周りのおじさんおばさん泣いてる人多くて一体感のある鑑賞体験だった。

「天国では〜」のセリフばかり有名だけど、この作品のテーマは冒頭のルディが医者に
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.4

親に捨てられ町の人には差別され、湿地で一人暮らすことになった幼女が大人になるまで放任されたら、そりゃ何があっても断固湿地で暮らすよね、という当たり前のお話。
あの小物店の夫婦、幼児のときに施設連れてっ
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

2.7

麻薬使用者の割合が極めて低い日本は対岸の火事だったな。(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/torikumi/dl/index-0>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

4.1

男たちが皆、行動的で迷わない覚悟の決まったキャラで終始ダレなかった。デニスホッパーのガンギまりの眼の演技恐ろしかった。怖すぎて笑っちゃったよ。

主人公がとにかく危険を顧みない進取的な人間でガンガン突
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.1

レストランの話なのにメシが不味そうという珍しい映画。アキ監督は食事を美味そうに撮ることを意図的に避けてるのではないか。他者の命を奪う行為を魅惑的に映すことへの抵抗というか。

この監督は常に下から目線
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

良かった良かった。ゴジラ出てくるシーンはほんと完璧だ。ドラマパートは説明過多で主人公のみに都合いい展開でキツかった。
とにかくゴジラが怖くてカッコいい。VFXの壮麗さもあるが、恐怖の演出が巧かったと思
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.8

笑いどころも多く、音楽シーンたくさんで見やすいロードムービーかと思いきや、貧困や格差問題、アメリカ資本主義への皮肉も入った、見応えあるいつものアキ監督映画だった。

音楽を流行で判断することにピンとこ
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ブロンソン(2008年製作の映画)

4.4

実在の人物を基にした伝記モノでトップ級に好きだ。実話の過激さと映像のアート性がうまくマッチしてた。トム・ハーディの身体的説得力が凄すぎる。

劇中劇の仕掛けも、単なるケレン味としての演出ではなく、「俺
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.9

スマホを見てる時間が何よりも長い自分にとっては、ミーガンに感情移入せざるを得なかった。機械だろうと愛着湧いちゃうよね〜。

主人公の、子供に構うより仕事してたい感じとかリアリティあってよかった。目の前
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マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.7

デンゼルワシントンの安定感がすごい。他の役者もイキイキしてた。
名作のリメイクはゴールがあるだけあってやりやすいんだろな。

ぽんぽんと死戦の仲間になっていく割に死を恐れる描写があったりアンバランスな
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.4

人間愛と倫理観のない『フォレストガンプ』。ヤギかわいそう。
この監督、『聖なる鹿殺し』もそうだけど絶対人間のこと嫌いだなという感じがありありと出てて、そこは好みだった。

自分の胎児の脳を移植された女
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エクソシスト(1973年製作の映画)

4.2

立体的なカメラワークが秀逸で、悪魔出てこないシーンも見どころ満載、50年経っても名作として残るのも納得。
悪魔化した少女のショッキングなシーンばかりメディアでは取り上げられるし、それが理由で観てなかっ
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.2

イ・ビョンホンは不幸になればなるほど光輝くな。哀しみと虚無を湛えた目に引き込まれた。ほぼ一人舞台だった。

彼の演技の卓越さを置いても、災害パニック、サスペンス、バイオレンス、エモーション、どれもバラ
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.0

鷹が死ぬ夢は何?滝のCG酷くない?などのツッコミを黙らせる映像美と音楽で魅せ続けた。
奥行きのある構図と唐突な戦争描写の相性が良い。向こうで幸せそうにしてても手前で殺し合いしてるっていう。

後半の逃
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.3

家族愛にも恋愛にも恵まれなかった人間は機械のように働くしかないのか。いや、機械のように復讐することもできる。

思い切った行動をとった後も淡々とマッチ工場で働く姿はホラーだった。
最後にタバコに火をつ
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

2.8

外伝のような雰囲気で、ステイサムを殺戮マシーンにすればそりゃ面白みはあるんだけど、このシリーズに求めるものではなかった。
せめてみんなが合流した後はステイサムは抑えて周りの見せ場を増やして欲しかった。
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パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー(2023年製作の映画)

3.3

子どもたちが最後までしっかり楽しめたようでこちらも満足。
乗り物の見せ場がたっぷりで超能力のアイデアも面白く、敵も反省しない一貫性のあるタイプのボスで好みだった。

予告は見逃してもいいと思ってる俺を
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.7

息子たちと観れてよかった。俺にとっては思い出ポルノなのであんまり冷静に映画として観れなかった。

敵も味方も動機がよく分からないので感情移入が難しかった。

マリオRPG要素入れてもよくなかった??

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.7

まさに「命をおもちゃにするな」という全うなメッセージのホラーだった。

前半は第三者目線のホラーでビジュアルも演技もしっかり怖かった。若者が調子こいて酷い目に遭う「言わんこっちゃない」な展開も自然で上
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

聖なる日も労働をしましょう。どうせ明日も生きるんだからしょうがないよね。

はっきり悲劇的に終わらせない所が余計に残酷に感じた、あの3人はきっと幸せになれないし。監督の現実主義的なところを強く感じた作
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新しき世界(2013年製作の映画)

4.2

潜入捜査モノながら、バレるかバレないかのスリルに頼らず、人間ドラマをしっかり描いていた。

スーツと鉈は相性いいねぇ、絵になる。
みんな細身だから何回も攻撃しなきゃいけないのが逆に痛みが伝わってきてよ
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.8

何回観てもいいな。映像、音圧のこだわりが極まってる。ストーリーが「帰るだけ」なので頭使わず観れる点も素晴らしい。

定期的にIMAXで上映して欲しい。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.1

荒涼とした先の見えない生活からは、無計画に逃げ出すだけでもハッピーエンドとなり得る。
淡々とした映像と演技ながら、時折り見せる表情の変化と、ばっちりキマってる構図で引き込まれる。特に主演女優の演技が秀
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オットーという男(2022年製作の映画)

2.9

元から善良な人が善良な人として人生を全うするまでのお話。

縦列駐車してあげた時点で良い人に決まってるので、主人公が無表情だったり口うるさくても負の感情がこちらに生まれず、悪い意味で緊張しなかった。ず
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(2023年製作の映画)

3.8

恋愛要素ふんだんの『アウトレイジ』、みたいな。笑えるポイントはしっかり笑えて、終始安定した雰囲気でもっとこの世界を観ていたかった。

人の命の軽さを描くのがうまい。たけし映画は主要なキャラもあっさり死
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.7

定規とコンパスで作られたような精緻な構図とカメラワークは、今ならAIっぼいと言われそう。
どの場面もうっとり観てられる画作りだった分、その旨みに慣れてしまったのか、ここぞというシーンが無かったな。
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オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)

4.1

悪夢を映像化したようなヤン•シュバイクマイエル監督作らしからぬ、(この人にしては)ちゃんと物語があって、オチもフリが効いていて理解がしやすく助かった。
その代わり夢に出そうな映像演出は控えめだったかな
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

3時間半!一日3本しか上映できない映画館泣かせの尺。でも退屈はしなかった。前半も刺激的なカットが挟まり緊張感を保たせていた。
生活があっさり途切れるような呆気ない殺人シーンがたくさん観れて良かった。ス
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スコア(2001年製作の映画)

4.2

デニーロとエドワードノートンがタッグで金庫破りするお話。登場人物が少なく、常に二人のいずれかが演技してるので画面の安定感がハンパない。ストーリーの展開は少ないが最後までダレなかった。

ハイテクギミッ
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

強すぎて敵と戦闘が起きず、すでに死体になってるか一方的に瞬殺してしまうアクション(?)映画。マッコールさんの殺戮シーンの演出からすると、これはサスペンス映画なのかもしれない。

前作より事件の規模は小
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