kurosawaさんの映画レビュー・感想・評価

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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.3

インディ・ジョーンズはかつての活気と目的を失い、極めて矮小に見えた。
特に印象的だったのは、オープニングシークエンス後に描かれるインディの姿だ。(第2次世界大戦中の回想に登場する彼もそれほど若くはない
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

この映画の評価は4.2となっていますが、ジブリファンとしては3.8くらいの印象です。特に宮崎作品の中では上位には入らないです。

個人的にはジブリ作品ではもののけ姫が大好きなのですが、もののけ姫は三つ
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(r)adius ラディウス(2017年製作の映画)

3.7

記憶を失った主人公リアムは、目が冷めたときには半径15メートル以内に近づいた者を即死させるようになってしまっていた。
言葉で表すと非常に厨二病的な設定だが、本作では能力ものの設定がありながらも、それを
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

異質な場所にいる不安感、自分だけがコミュニティの外にいる怖さや生き辛さ、日本でも多かれ少なかれ感じることはあるけど、海外ではその比ではないのだろう。
ミッドサマー的な怖さであり、より上質な感じが漂って
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神々の山嶺(2021年製作の映画)

3.8

原作小説は10年以上前に読んだ。
夢枕獏の文体は熱っぽく、そのせいもあって感傷的な物語だと思っていた。
主人公の行動からしても、本業である写真家の仕事をすてて、羽生のことを追いかけ回してエベレストまで
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.3

犬も羊も猫も、何かを考えているようで、視線の先が非常に気になる。そんな絶妙な空気感の中でゆっくりと物語は進行する。

羊の頭を持った子供を、自分の子供の代わりに育てる夫婦の物語。他人から見ると異常な家
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

びっくりするほどの駄作。

SNSの空間を使って演劇(美女と野獣)をやりたいというコンセプトはわかる。しかし、抑揚のない演技と、後半の全部をセリフに出してしまう中学生の書いたような脚本で、悪い意味で「
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

天気の子の「異常気象」に続いて、今作では「震災」を土台にして、現代日本らしい共感を呼ぶ大きな物語を作り上げた。

新海誠といえば恋愛映画だが、今作は原動力としてラブロマンスを入れてはいるけど、物語のキ
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

4.6

一定の年令になると魔法の力を授かるという一族に生まれたミラベル。そんな家に生まれたはずなのに、なぜかミラベルだけ力を与えられない。
ヒロアカと同じ構図で、ギフト(才能)を与えられたものと、与えられなか
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.3

冒頭の息を呑むような圧迫感は素晴らしい。
大気圏を超えるという人間の力を超えた行為で、飛行機は張り裂けそうになり、 制御できない揺れで、観ている側も息が詰まる。計機の文字は吹っ飛び読むことができない(
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マトリックス(1999年製作の映画)

5.0

新作を見に行く前に久しぶりに見返してみて、セリフやシーンの無駄が全くないことに驚きました。特に冒頭のシークエンスの脚本の出来が素晴らしい。


廃墟のビルにラバースーツの女、彼女を捕まえるためにパトカ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.8

一筋縄ではいかないミステリー。だんだん狂気性を増していく社長と個性的な翻訳家たちの密室劇。

ミステリーの構成がすごかった。
地下室に翻訳家達を閉じ込めて絶対に外に漏れないような形で翻訳させるが、翻訳
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アルカディア(2017年製作の映画)

3.6

クトゥルフ版ミッドサマー?ちょっと違うかな?
何かよくわからないものがいるという雰囲気は良かったが、カルトの人達にあまり独自の世界観を感じられず、ちょっと世界観が弱い。
時間に閉じ込められた演出が面白
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テイキング・オブ・デボラ・ローガン(2014年製作の映画)

4.2

老女版エクソシスト。

まず、アルツハイマーを患った老女で悪魔物をやろうという発想がすごいし、女優さんの演技力も凄まじい。アルツハイマーで何をするかわからない怖さとシームレスに異常な出来事につなげる構
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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

4.3

ライ麦畑のサリンジャーの半生を題材にした作品で実話をベースにしている。
作家を主役にした物語だけあって、しびれるセリフが多い。中でも大学時代、授業を短時間で切り上げる教授の言い残した台詞が良い。
「残
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ストレンジ・アフェア(2019年製作の映画)

4.0

感動系にみせて、すごい劇薬です…

プロムの夜の事故とラストを重ね合わせる時系列のシャッフリングが秀逸で、いろいろなことがあったけど、メリッサの中には温かい真実が残ったとすれば幸いです。

嫌な真実と
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

独自の文化や歴史を感じる衣装や、異様さと美しさを同時に持ち、異文化を感じる巨大建造物のデザインが最高!
そしてそれにバッチリ合っている音楽も良かった。

ストーリーは神話的というか神託ものの印象が強く
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ピーターラビット(2018年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ピーターたちがとても軽快に動いて気持ちのよいCGアニメ。うさぎも人間も互いに容赦なくて面白い。

最初の住人、マグレガーさんに対してはとても一方的にうさぎたちが勝利する。
しかし、そこに現れた新たな住
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デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-(2011年製作の映画)

3.6

ウダイの行った非道の数々…しかし独裁者ならではの孤独とか狂気に触れると思ったが、ウダイがあまりにも小物すぎる。そしていくら独裁者とはいえ、イスラムであそこまでおおっぴらに酒と薬と乱交を行うのって事実な>>続きを読む

007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.6

戦闘のテンポ感やカット割りや情報量の少なさもあり、かなりのんびりした雰囲気が出ている。
何しろ60年近く前の映画である。

現代の映画と比較すると緊張感に欠けるが、テーマソングが頻繁に使われており、良
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アイアン・ジャイアント(1999年製作の映画)

5.0

本作は何よりも構図がよい。
ロボットの巨大感、その手のひらから上空に移動したときの見下ろした感じ、魅力的だけどコントロールできない不安感。
謎に満ちたロボットの存在、好奇心旺盛な少年、そんな二人が心を
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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.4

オープニングのシエナの街での追撃は素晴らしい。高低差やはしごをうまく使った攻防が息をつく間を与えない。本作の魅力はすべてここに詰まっている。

カジノ・ロワイヤルの続きのような作品だが、カジノ・ロワイ
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.4

オープニングクレジットが最高の映画の一つ。

爆弾魔から、別の爆弾魔による飛行機爆破計画、ポーカーでの勝負と目標も目的も次々に変わる。
コスチュームも変えて華やかにもワイルドにもなるさまが実にジェイム
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EVA エヴァ(2011年製作の映画)

4.2

赤いコートの少女が、知的で感受性豊かで愛らしい。

人間そっくりのロボットが普通にいるような未来なのに、建物も車も少し古めかしいくらいで、技術的に混ざり合っていない感じが奇妙な感じがするが本作には合っ
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ジェイコブス・ラダー(2019年製作の映画)

1.5

あの『ジェイコブス・ラダー』のリメイクといことで興味が湧いて観てみた。

時代背景を現代にうつし、ベトナム戦争ではなくなったとわかった時点で、原作には及ばないだろうなあくらいに思っていたんだけど、あま
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ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.5

完全犯罪をもくろみ、妻を殺した男の元に届いた死体が消えたという知らせ。
男は妻殺しと同時に、遺体を隠すことで証拠隠滅を狙っていると疑われて拘束されるが、妻殺しはともかく、遺体を隠したということには覚え
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.8

施設を脱走した不思議な少年(実際には22歳なのだがダウン症であどけなさもあることから少年のようにも見える)と、旅を共にする男の物語のロードムービー。
少年は古いプロレスラーが好きで、彼のモノマネのよう
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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLD(2015年製作の映画)

1.8

前作と異なり、巨人への恐怖は殆ど語られず、人類対人類への構図に変わった本作。

情報操作する政府、それに対する反乱者という形でまとめたのは良かった。しかし旧文明の爆弾や壁にヘリコプターが突き刺さったま
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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2014年製作の映画)

3.5

すごく評判が悪いので軽い気持ちで見るのにはちょうと良いと持っていたけど、案外楽しめる面もあった。

開幕5分で、終戦直後みたいな時代設定と、わりといい年齢の男女がモラトリアムしている感じがミスマッチだ
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.5

シナリオは基本的にあってないようなもので、ジョン・ウイックがいかにかっこよく戦うかという程度。馬とジョン・ウイック、ナイフとジョン・ウイック、防弾服とジョン・ウイック…とはいえ、どのアクションも非常に>>続きを読む

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

4.0

火星に行くはずの宇宙船が遭難してしまい、宇宙の果てをどこにも行き着かずに彷徨うという、とてつもない孤独。
宇宙船はタイタニックのような豪華客船で住人も多いが、仮に生き延び続けたとしても、何世代にも渡っ
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セッション(2014年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ドラマーを目指す学生のアンドリューと、厳しい教師のフレッチャーの物語。
最高の芸術作品は厳しい訓練の果てに生まれるのか、それとも厳しい訓練を良しとするのは生存バイアスで芸術のためにならないのか。何が正
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.5

かっこいい音楽、アクション、気の利いたセリフ、これぞ映画!

冒頭の15分、素晴らしい音楽とカーチェイスでこの作品が始まるのですが、そのままの勢いで最後まで走り抜けます。

あまり深い内容ではないので
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ホース・ガール(2020年製作の映画)

4.0

馬とオカルト映画が大好きで手芸店で働く女性が主人公。
前半はあまり起伏のない主人公の日常が描かれているのですが、音楽が美しいこともあり、主人公と主人公の日常が好きになります。ところがこの主人公、遺伝的
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.7

半地下の家に引っ越したので、最初に観る映画はこれにしようと決めていました。まあ、そんなことはさておいて…

非常に良くできた映画です。貧富の差がテーマなのですが、始終社会問題を扱っているという訳ではな
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ジュピター(2014年製作の映画)

2.2

不遇な環境で生活するヒロインが、ある時、実は宇宙を支配する王家の生まれ変わりだと聞かされて、命の狙われたりするそんなお話。
宇宙を支配する王家は数千年単位で寿命を伸ばす技術を持っているなど、非常に高度
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