今は廃墟のような姿でかろうじて残っている赤線建築が、本来の目的で使われているオープニングには目が釘付けに。赤線内部をオープニング以外で見ることはないけれど、1950年代の洲崎近辺や神田などの景色を見ら>>続きを読む
ナディアが意思を持つ一人の人間として扱われないことがとにかくつらい。元彼にストーキングされ、強姦され、殺されても同情されない(何なら殺人者の方が同情されている)なんて、理不尽すぎる。ヴィスコンティの作>>続きを読む
フランツ・ヨーゼフとの結婚式、長女ゾフィーの死、ハンガリー王妃としての戴冠、ルドルフの自殺、エリザベートの暗殺……といったドラマチックな出来事は一切描かれない、40歳になったエリザベートの"普通の"一>>続きを読む
ヒロイン・ユリの"少女と女の間"という感じのあどけなさとアンニュイな表情に始終見惚れていた。ユリのセリフが非常に少ないことが、むしろ多くを語っている気がする。鑑賞され、愛玩され、家事を押し付けられるだ>>続きを読む
これ以上ないくらい理想の近未来像。雨に濡れネオンがきらめく街路を探しに行きたくなる。
『パール』を観た後で鑑賞。正直、『パール』の方が断然おもしろいし、映像としても魅力的だった。本作はチャラチャラした若い男女が田舎に来て殺される、というスプラッタホラーにありがち(=王道)な展開。とはい>>続きを読む
スプラッタホラーでありながら映像的にはとても美しく、人間の心理や社会の歪みについても考えさせる、A24らしい良い映画。古い映画風の色彩やタイポグラフィーなどもグッとくる。パールの若さと苦しみ、たびたび>>続きを読む
新聞紙に広がった遺灰をこっそり包んで持ち帰り、海に撒く場面を何度も頭の中で再生している。
宇野亜喜良のエロティックなイラストをアニメ化したような作品。映像の芸術性を楽しみながらも「やたらと女がレイプされる話だな」と思わずにはいられなかったが、虐げられた女たちの哀しみが種として撒かれたことで>>続きを読む