0さんの映画レビュー・感想・評価

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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

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"灰色の薄雲が空にかかり 腐った死体のようにどんよりしている 雲の切れ間から一つ二つ星が見えるが 星の近くに黒々と広がる空の色は 無限の哀愁を含んでいるように見えた"

"好きで浮き世を漂うにあらず 
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軽蔑(1963年製作の映画)

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軽蔑とはおそらく女のみが持ちうる感情であり、それは愛の果てなのかもしれない
物事は常に相反するものが内在し、どこから見ているかという視点の切り替えで容易に一転する、脆弱なものだから

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

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ひとは皆、誰かを思い出そうとするとき顔を思い浮かべる けれど、その人の記憶としてずっと温度を保ち続けるのは、その"瞳"だけ 

逆にいえば、どれだけ自分の顔が変化しようとも、瞳の色だけは変えられない
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

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"閉じた目の中で さらに目を閉じれば
石だって生きはじめる"

冬は不思議な気配が漂っている

処女の泉(1960年製作の映画)

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自分がコントロールできないもの
運命 怒り 死 欲 後悔
それをすべて"神"ということばに当て、罪や過ちを手放そうとする でも本当は皆どこかで気づいている 神の沈黙とは、ただそのことばを感じ取れない自
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(1954年製作の映画)

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夜の海は特別な力が宿っている気がする

波立ちが生む白と深い闇のコントラスト 
闇は、海と空の境界を消してしまう
そこにはただ漆黒に染まる世界と、自分ひとり
漣 風 砂の擦れる音 星 月 
それらの気
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静かなふたり(2017年製作の映画)

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"時が無限に伸び、漂い、立ち止まる中
私たちは滑走する"

苦痛を拒むのは自己防衛のため
でもその"辛さ"を受け入れなければ、その先の"幸"も手にできないとも、彼はわかっている
ことばなんていらないと
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

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そこには、ただ静かに沈黙のことばが溢れていた
沈黙とは、静寂や無音を意味するのではない 沈黙は、炎の揺らぎや海の漣、キャンバスを走る筆のかすれた声たちの、掻き消されているいのちの声をあらわにする

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ポーラX(1999年製作の映画)

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わからないものを、わからないまま受け取ることが、こんなにも自分のこころを震わせる わからないけれど、わからないからこそ、そこに"ある"というそれだけで、なぜかわたしが救われる わたしのなかだけにある誰>>続きを読む

デカローグ(1988年製作の映画)

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1 運命
2選択

人生は想定し得ないものだけでつくられている 神によって?実態のないもの 人はその何かに形かことばを与えないと不安になるから
選択するとは、それ以外のすべてを"切り捨て失う"こと
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

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身体のどこかでずっと求めていた沈黙の静けさを与えられたような時間だった
場面ごとに流れる空気がわたしにまで溶けこんで、スクリーンの中で心が漂っていた
彼が紡ぎいのちを与える映像を前にすれば、自分のいの
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

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"俺たちは俺たちの作り出すものの中でしか、俺たちの行為の向かう方向でしか生きられないのだ
まもなく映画は終わる
そして人は俺のことを忘れてしまうだろう
映画が終わると白いスクリーンだけが残る

コカコ
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えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋(2019年製作の映画)

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いま生きている、
その事実は、わたしが思っている以上に尊く、儚く、奇跡的なんだということを、ひりひりと身に迫るように告げられ、自分の浅ましさを痛感した
人間は醜さがあるから美しさを持つことができる
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白痴(1999年製作の映画)

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目で見ることのできる華々しい表層なんかにではなく、ことばにしえない強烈な感情が生まれるその瞬間の、裡から流れ出る沈黙の気配のなかで、生と死が混じり溶け合い、そこに美が産み落とされる
暗闇とスクリーン、
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

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自分らしく生きたいと誰もが思う
でも自分らしくって一体なんなの?わかるわけないじゃんって、誰が教えてくれんの?そんなのあるの?って、もどかしくて、なんだか情けなくて恥ずかしくて

それでも何か掴もうと
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屋根裏の巳已己(2020年製作の映画)

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呆然とした、すごいな 監督が視ている世界はたしかに現代だが、もっと多面的な層でできた、ここではない世界なのだろう
自分がどこにいるのかわからない それはこの映画に没入しているというたしかな生の感覚でも
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へんしんっ!(2020年製作の映画)

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五体や五感のうちの欠損は、何を持ってしても補いきれない部分があるのかもしれない
けれど、身体の温もりによる交感は、すべてのひとが触れ合い交わすことのできる、唯一共通の"ことば"なのだと、作品から伝わっ
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砂の女(1964年製作の映画)

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欲望 欲求 有限 自由 希望 水面 自己 虫 仮面 烏 色 罪 

砂は水に似ている 海と砂漠、相反するものに共鳴する美がある 絶対掴めないもの
でも、やはりそこには、狂気と死の匂いが溶け込んでいるの
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Forest of Bliss(原題)(1986年製作の映画)

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4年前の記憶が、その当時の温度を宿したまま、再び息を吹き返した気分だ
古びた建物から見下ろしたあの光景 舞い散る灰 埃と煙が混じった重い空気 火葬の炎と包んだ布が合わさったくすんだ橙 すべての思考が停
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ワイズマンとのピクニック(1968年製作の映画)

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自分では意図していない偶発的な出会いほど心が躍るものはない 

植物・ものたちの、人間によってかき消されている、いのちの声たち 
拾える耳を持ちたい

人間ピラミッド(1961年製作の映画)

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現実という虚構
虚構を受け入れてこそ、知らなかった自分の心が現れてくる "演じる"という枠組みが、自己の奥底の声を引き出すツールとなる
世界は幻想 だから結局物語をつくるしかない そして中心は結局自分
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≒(ニアイコール)森山大道(2001年製作の映画)

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"カメラの存在をもって自分自身を常に燃やしていく 燃やすことによって変わっていく"

煙草が似合う人は、案外けっこういると思う
けれど、煙がその人と'一体'になっている人を、私ははじめて見た 
まるで
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浮き雲(1996年製作の映画)

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雲は、時に太陽の光を遮り、眼に視える世界を曇らせる
そのときはじめて、私たちは"照らされる光"があるから前に進むことができていることを知る
たとえどれだけ長く厚い雲が覆っていたとしても、いつか、雲は流
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オルフェ(1950年製作の映画)

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"沈黙は後退する
詩人、それは書くともなく書く人"

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

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友人が、あなたは脳内に惹かれる人でしょうと言ったけど、もしそうなら、間違いなくこの人の脳内が好き

花を慈しむ人はいつまでも老いない

ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

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"雪の降るまちを 雪の降るまちを
足音だけが 追いかけてゆく
雪の降るまちを
一人こころに 満ちてくる
この哀しみを この哀しみを
いつの日かほぐさん
緑なす春の日のそよ風"

とるにたらない人生であ
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

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心から湧き出る感情を忘れないために、必死で自分の中にある言葉を探しても探しても、何一つ見つからない 当てはめていった言葉のどれもが、言葉にした瞬間に、この心に浮かぶ強烈な感情には到底追いつかず、むしろ>>続きを読む

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

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見終わってから、なぜかふとした時に思い出すシーンは、ドランが車から"幸せな"家族広告のパネルを見つめるシーンだった
あの時の表情や眼が、1番心に残ったのかもしれない
だから私は彼の作品が好きだし、彼の
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マイ・マザー(2009年製作の映画)

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"人生で殺すべきは内なる敵
もう一人の自分"

19歳のドラン、叫び、救い、絵、詩

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