劇中音楽と台詞の秀逸さでいったら、他の監督たちの比にならないくらいこの人好きかもしれない
その人の人生にとって名前や過去は大切だけれど本質ではない
常に今、自分がどうあるか、それだけ
"春の清水が岩陰から湧き出し
静かに揺らめく
調和ある水の戯れのきらめく美しさ
たとえ水がうなり逆巻いても
桜の木はりんとたたずむ"
うつくしいひと
人生の意味は貝殻の中にある
だから僕は細部だけを見る
雨が降り始める10分前の空の色
死ぬときは誰もがひとり
最高だった
間違いながら、くじけながら生きていくのが人間
でも、少なくとも、誰かを傷つけてしまうことが自分の眼に映るような選択はしたくない
でも、それができないのが'人間'なのだとも思う
死を想うことはその時の>>続きを読む
幼少期、無意識にしていた遊びは、誰にも言えない傷みや虚しさを埋める空間でもあった
たかが遊びでも、自分の裡にある見たくないもやつきを言葉にしなくてもいいんだ、と思える救いだった
幼い頃の記憶や衝動は>>続きを読む
死の内包
肉体ではなく精神の中に死が溶け込んでいる 雑念や煩悩などの不純物を、経験と年齢によって濾過していく 死の濃度を高めるほどに、とるに足らない日常に美しさを見出せるのではないか なんて思った
">>続きを読む
すべてが最高
もし私が男なら、彼らのように生きたいと目指すでしょう
無意味なように思える行動も会話も、様になってる人になりたいものです
綺麗で高級なレストランよりも路上の安いサンドウィッチ
物語の主人公は影で生きるひと、カッコいいよりカッコ悪い、男と女ではなく人と人、タバコの象徴
この人の作品すきだな
劇中の中盤、オペラにて使用される主人公が自死するときの歌声を聴いているシーン
ジュニーの感情が、鬱々とした薄暗い音色の波に飲まれていくのが見て取れてわかり、辛かった
彼女の感情は音の波に巻き込まれ、切>>続きを読む
誰もが、誰にも言えない苦い過去から逃げるために、今日、いまを生きている
たぶん、裕福な人も、貧しい人も、美人な人も強い人もいつも笑顔の人も、みんな何かを抱えている
でも人は忘れる生き物で、ほとんどの>>続きを読む
"僕はよく宙を見つめている自分に気づくことがある
そういう時は目を閉じるとはじめて
目の前に何があったかわかるのだ
書いている時も
目を閉じると情景が浮かんだりするように"
ときどき、人の優しさが、自分を殴りつける暴力のように感じてしまうことがある。
言葉にできない心の疼きや葛藤が、見えない叫びとなって、90分間ずっと聴こえている気がした。
後天的な才能の出発点は、境遇や変えられない負の出来事なのだと思う
現実に対する諦めと虚しさ
それがないと強くなれない
『偶然に見つけた枝は捨てるべし』
劇中のこの台詞の意味を、ずっと考えている
やっぱり人は愛・夢・金の全てを手に入れることなんてできないのね
文体を見ればその書き手の人間味が如実に視えるように
ピアノを弾く音や、日常のどこをどう切り取って埋もれている音を汲み取るかという視点にも、その人の人間味が視える
人は過去にすがりながら生きていく。
過去は、自分を鼓舞させたり勇気づけてくれる一面もあれば、憎しみや惨めな感情を増幅させるような一面もある。
永い時間を重ねても、色褪せないような過去を創る それだけ>>続きを読む
永田の心の声や行動が、日々の自分と重なる部分が多くて、やるせない鬱々とした気持ちになった反面、同じような感情が他の誰かの中にもあると知ることができて、なんだか体が軽くなった気がした
『ノスタルジアの夜』を読んで。
"重要なのは完成ではない 願いを持続することなのだ"
タバコの煙、水面に反射するひかり、湯気、ろうそく、吐息、水溜りの波
それらの"揺らぎ"が美しかった
広告ポスターに記載された映画の謳い文句に気分が悪くなる
どうして日本映画のほとんどが、内容への敬意や本質を切り捨てた、上っ面だけのことばを、作品の顔であるポスターに並べるのだろう
あまりに内容の辛辣>>続きを読む
どうしたって、こんな映画を目の前にしたら、なにも言葉がでてこない。
正確には、こころに湧き上がる感情を、見えることばや、聞こえることばに、昇華させることができなかった。
五体満足のわたしは、何ひと>>続きを読む
音 色 川 空 声 雨
言葉にならないもの、目に見えないもの、簡単に表面に映らない余白から、監督の声が聞こえてくる気がした。
見終わってから、近くの喫茶店で、本を読みながら窓の外を見ると、雨が強く>>続きを読む
いま、この瞬間のすべてを、指先の動きに、表情に、体のうねりに集中させて、音に合わせて舞う姿に、彼らの人生そのものが透けて見えた気がした。
何かを乗り越えて、何かを飲み込んで、生きたくもない社会の中で>>続きを読む
"嘘と本当"は、みる人や角度によってどちらにもなりうるのでしょう
私は正直、嘘でも本当でもどっちでもいいし、そこに本質はないと思うから興味ないけれど、会話の中で相手が何を守ろうとしているのか、何を恐>>続きを読む