プリンローヤルさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

プリンローヤル

プリンローヤル

映画(435)
ドラマ(43)
アニメ(0)

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.2

しんどい、けど優しい映画。

「誕生から学生時代、就職、結婚、出産に至るまで様々な女性差別に苦しみながらも必死に生きてきたジヨンが精神のバランスを崩してゆく」あらすじを知って、なんだかしんどそうになり
>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

「前科者」よりも前科者。

佐木隆三の小説『身分帳』の映画化。
実在の人物をモデルに、13年の刑期を終え出所した元殺人犯の男の生きづらさを描いた作品。
佐木隆三は主人公を「山川一」としたが、西川美和は
>>続きを読む

ゴンドラ(1987年製作の映画)

3.5

1987年の映画。
同じ製作年の「ロビンソンの庭」は見た。
2年前には「ドレミファ娘の血は騒ぐ」
2年後には「鉄男」
そんな時代。

開始数分で「この感じ」に震える。
主人公の女の子も、窓拭きの青年も
>>続きを読む

君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.5

佐久間由衣ちゃん演じるホリガイさんは、サバサバして見えるけど、結構「私って人間は…」「こーゆー所がダメなんだよね」「他人に対して無知すぎる」と語りがち。自省しがち。
「俺はいいと思うけどな、ホリガイさ
>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.0

デイミアン・チャゼルの真骨頂。「ラ・ラ・ランド」のゴージャス版と思って見に行ったら後悔する。

無声映画終焉の時代、100年前のハリウッド。
変化する時代の波に乗るか、飲まれて溺れ沈むか。水面はキラキ
>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

マンガと同じところで泣けた。

きっと監督のタナダユキさんもこのマンガで魂を鷲掴みにされたんだと思う。
吹き出しのセリフやアングルもマンガそのままだった。 海の色や草の色や空の色が、マンガを読んでいた
>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.0

リドリー・スコットが描くGUCCIのお家騒動。
日本なら山村美紗サスペンス「京都華道家家元殺人事件」みたいな感じか(きっと違う)

前半、お金持ちで冴えないアダム・ドライバーに、積極的にアピールする町
>>続きを読む

鬼畜(1978年製作の映画)

3.5

気の弱い緒形拳初めて見た。
気の強い岩下志麻、急に夫のかくし子3人も育ててくれと言われたらおかしくもなるよな、と思わせる感じが良かった。
お巡りさんが田中邦衛、婦警さんが大竹しのぶだった。大竹しのぶ見
>>続きを読む

友達やめた。(2020年製作の映画)

3.5

‘’ろう‘’の映画監督がアスペルガーの友達「まあちゃん」を撮ったドキュメンタリー。

予告編のサムネ「あなたの常識はわたしの非常識」というコピー。

多様性とはナンダロウ。
これは映画本編と関係ない話
>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.0

すごく面白かったし、美しかった。

色んな映画を思い出した。
夕暮れの美しさは「ノマドランド」を。
田舎の風景と若者の鬱屈した思いは「リリィシュシュ」を。
ベンとジョンスの感じは「あの子は貴族」でもあ
>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

「TENET」では冷酷な役が板に着いていたケネス・ブラナーが制作・監督・脚本。
こんなに優しく温かい作品を世に出してくれてありがとう。

街の人みんながひとつの家族のようだったのに、ある日突然に暴力に
>>続きを読む

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)

3.5

ポスター見てSMの映画かと思ったら違った。違う意味で痛かった。(痛々しかった)
ビジュアルの強烈さとは違い、予告編から受ける印象は「ハートフルなヒューマンドラマ」のようで、ナレーションの「希望」と言う
>>続きを読む

ショック・ドゥ・フューチャー(2019年製作の映画)

3.5

日本製のリズムマシンROLAND CR-78に出会った1日。
舞台が1978年のパリ。
YMOの「ライディーン」の2年前。
ピンク・レディーの「カルメン77」の翌年。
「パリのレコード屋はつまらん、今
>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.0

産まれる前から自分の夢が決められてる、てどうよ。しかも両親ともに「テニスは初体験だけど、運動神経は良かったんで」みたいなレベル。親が敷いたレールしかない人生。
一瞬ぎょっとする。

よくある「自分が果
>>続きを読む

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

実の母とは死別し、義母の再婚相手にバトンのように渡される「みぃたん」の話。
素晴らしく優しい紳士な義父たちに「みいたん」を託して、消えてしまう母親が謎。
(ここまでは楽しく見ていた)

謎が明らかにな
>>続きを読む

はるヲうるひと(2020年製作の映画)

3.5

これ、芝居でやったらいいのに。


(と、思ったら舞台でやってた)

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.5

「ユージュアル・サスペクツ」とか「レザボア・ドッグス」とか…そーゆーの好きなら好きかも。(私はまあまあ好きでした)
血なまぐさいです。
ほぼ皆殺しです。

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

4.0

一般家庭の階段に架けられていた絵は、ダ・ヴィンチ最後の傑作とされている“サルバトール・ムンディ”なのか?
「お弟子さんが描いたんじゃない?」
「いやこれはダ・ヴィンチの作品!」
13万円で売り出された
>>続きを読む

アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

4.0

これが初監督作品とは思えない出来!
ものすごく見応えがあった。
「バベル」+「レヴェナント」

全体的にすえた臭いが漂ってる映画。
汗臭いし、血生臭い。

三語でこの映画を表すなら…
クラッシュ/わん
>>続きを読む

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

3.5

それぞれ違うけど「ミナリ」「ノマドランド」「グラントリノ」を思い出した。

国際養子縁組の闇と人種差別
それがテーマだと分かっているので最初から切ない。「可哀想に。この家族、引き離されるんだな」と思い
>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

1.0

ごめんなさい「1」で。

自然災害で受けた傷と日本の貧困問題。
震災で多くを失い、理不尽な仕打ちにあい、はかりしれない大きな傷を受けたとて、人は人をこんなふうに殺すだろーか?
(認知の歪み?)

娯楽
>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.5

冴えないオッサンたち、高校教師仲間。
生徒たちはクソ生意気で態度が悪いし、PTAからクレームくるし、家族からはないがしろにされるし毎日どんより。
飲んでる時、オッサンたちはキラキラしてる。すげー楽しそ
>>続きを読む

アムステルダム(2022年製作の映画)

4.0

キャストが豪華で「ハリウッド映画見た」感はある。
解剖と轢死のシーンは少々刺激的だけど、全体的には上品な仕上がり(若干地味)。
飽きることなく見終えたし、ふつーに面白かった。大ヒットに至らなかったのは
>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.5

野口里佳さんの「父のアルバム」という写真展を思い出した。お父さんが遺したフィルムを現像した写真展。庭のバラ、鉄棒する幼い頃の自分、若かった母の横顔。

この映画はヤンの「まなざし」。

私たちはどこか
>>続きを読む

ヴィンセントが教えてくれたこと(2014年製作の映画)

4.0

優しくてあたたかくて、わかりやすい。「だよね」な展開なのに涙も出る。
日本人が好きそう。リメイクしたら安っぽくなりそうだけど。
ナオミ・ワッツ良かった。リメイクしたら香里奈な気がする。

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)

3.5

1時間ちょっとの、なんて事ない家族の話だけど、悪くない。
たま子と中学生の男の子とのやり取りが可愛い。
どこから連れてきたんだろう?ニキビだらけで、フツー過ぎる。超上手いのか、ほんとにフツーに話してる
>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.0

全編にわたり「なんだか変」。
それが楽しめれば面白い映画。

「なんでそんなに辛いのに生きてんだろーな」
風俗店の店長、永瀬正敏がいい味。

始まってすぐ死ぬオダジョーもいい。
死んだのに存在感が大
>>続きを読む

アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)

2.0

ほら早く助けんかーい!と思いながら見てた。
何故引き受けたのか、高良健吾。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.2

悲しい映画ではない。
泣かせようとするシーンもないのに、気づくと泣いてる。
みんな優しい。
それが、ちょいちょい切なくなる。

主人公のルビーの家族は明るく仲が良いが、両親と兄は耳が聞こえない。
なの
>>続きを読む