うめさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

うめ

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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.9

今泉ファンとして満足いく作品。
クライマックスの4人のトークは最高。
まさに今泉砲。今泉節。
もはや名人芸の域と言っても過言ではない。
そして、
今回は猫たちがすごい。
ここまでやらせるのけっこう大変
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.2

熱い映画だった。
アニメとテレビの視聴率。
たしかに、
名作なら数字取れる
ってもんじゃない悲しい現実。
それでもやっぱりいいものを
届けたいって気持ち。
輝いてた。

吉岡里帆はこういう役がめっぽう
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いのちの停車場(2021年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

同い年の吉永小百合と田中泯が
娘と父親というのはさすがにムリはないか。
しかもあの年齢で救命救急の最前線のリーダーって。

なぜ松坂桃李が金沢まで追ってくるのか不明。
この映画は豪華キャストがあふれて
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

わが国はいま生活保護の給付金を減らそうとしている。
コロナも物価高もお構いなし。
最低限のセーフティーネットを外そうとしている。
高齢者の中には
今や刑務所暮らしのほうがマシと言う人もいる。
そんな国
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長浜(2016年製作の映画)

2.6

「八月八日」と併せて鑑賞。
ぼうっと見てるうちに終了。
寺山の劇団天井桟敷とか、
濱口監督の
「不気味なものの肌に触れる」を
思い出す。
表現とか演技とか肉体とか、
そういうことなのかなあ。
石橋静河
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八月八日(2016年製作の映画)

2.7

孤独なんて何の役にも立たない。
あまりにも自然に
いろいろなニュアンスで繰り返されると、
だんだんよくわからなくなってくる。
役者ってすごい。

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.6

こういう物語をこういうふうに作る人、すごい。
実体験によるところがないとこうはいかない。
題材に似合わず楽しいし、
美しいし、軽やか。

真昼の決闘。良かったなあ。

北アイルランド紛争にしても、
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どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)

2.4

お元気そうでなによりである。
むかし一度だけ
ご自宅のアパートにお邪魔して、
お手製のジュンサイの味噌汁を
ご馳走になったことがある。
人生でジュンサイを口にしたのはあのときだけ。素朴な味だった気がす
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THE DEPTHS(2010年製作の映画)

2.3

韓国人、同性愛、男娼。
すんなり入り込むには
かなり難しい取り合わせ。
正直、心模様とか、リアルさとか
十分咀嚼できなかった。
そういう人はそういうとき、
そうなのかもしれないな。。。
くらいの理解。
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

2.7

いろいろ意見はあると思うけど、
僕にはとても深く深く沁みた。
僕には永野芽郁と奈緒でちょうど良かった。
遺骨を盗んでくれる友だちが
うらやましい。
思いのほか考えさせられた。

永遠に君を愛す(2009年製作の映画)

2.8

「PASSION」「寝ても覚めても」「ドライブマイカー」などにつながる、私は相手(他者)を本当にわかっているのか?シリーズ。
でも、わりとブラックユーモア。
これはこれでいい。
胎動というかこれからや
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PASSION(2008年製作の映画)

4.0

結婚と浮気でぐちゃぐちゃする
フツウの話かと思ったら途中から違った。
教室での暴力の議論は秀逸。
他者との関係は暴力でも恋愛でも大差ない。
暴力のエッセンスが加わっただけで、
見え方がまるで変わった。
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愛なのに(2021年製作の映画)

3.9

面白かった。
今泉作品のスピンオフ的な
シニカルエンターテイメント。
不倫男に下る天罰の破壊力がすごい。
こんな爆弾落とされたら
きっと立ち直れない。
それはともかく、
結局のところ、愛とか結婚とか、
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扉を閉めた女教師(2021年製作の映画)

2.6

神聖なものと性的なもの。
大して違いはないんだな。
怪しげなガラス玉が2人を救う。
宗教もたまには2世の役に立つ。

二十六夜待ち(2017年製作の映画)

3.3

義足の女性の話がこの作品のすべてを物語るように感じた。
どうやって震災以前の自分と今の自分を結びつけるのか。自分は何者で、なぜ生きているのか。
納得する答えを見つけるのは難しい。
でも支え合って生きる
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おもいでの夏(1970年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

あのミシェルルグランの切なすぎる名曲から
普通は大人の恋愛を想像してた。
まさか悪ガキ3人組の初体験モノとは。
グローイングアップ??
青い○○シリーズ??
と始めはしょんぼり見てた。
ところが、
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ハワイ・マレー沖海戦(1942年製作の映画)

2.8

今の流れだと、
あっという間にこういう時代になるんだろうな。

当時は映画がプロパガンダに利用されたが、
今はインフルエンサーやメディアが
その役割を担っていて、すでに始まっている。

物語はともかく
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長沙里9.15(2019年製作の映画)

3.3

知らなかった。こんな事実。
盾にされた学生たち。
そして、
同じ民族同士で戦う虚しさ。
シンプル過ぎる構成なだけに、
そこがものすごくストレートに伝わってくる。
戦争はいかん。

おろかもの(2019年製作の映画)

3.8

シンプルだけどとても感受性豊かな作品。
たまたま「岬の兄妹」を見たばかりで
兄と妹にもいろいろあるんだなと。
みんなそれぞれウィークポイントがあって
自己嫌悪になったり、自己肯定したりして
滑稽なほど
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.5

目を背けたくなるが
見てるうちに切なくなる物語である。

障害がある人を描くときに、彼らを美しくとらえるのか、彼らを取り巻く社会に一石を投じるのか、どちらかの場合が多い気がする。
ただ、これはそのどち
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ある男(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

死刑囚の息子と在日3世の弁護士。
それぞれの苦悩を一度に絡めた作品。

彼らの気持ちはわからない。
過去を消さないと生きていけない人たちが
この世界にはきっとたくさんいるのだろう。

普通になって普通
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本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

2.8

一度ハマったら抜け出せないアリ地獄女。
いや、そもそも人間には放っておけないという
知性では解決できない機能が潜んでいる。
無限地獄を伝えるには
確かに週に一回の逃げ道のある
テレビドラマより劇場映画
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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.1

バベルのようだが、あんなに重くない。
あちら側から見ると、こう見えるのか。ふーん。
居場所のなさは、もしかしたら日本人でも同じなのかも。東京ってそんな街。孤独に身を置くことで本当の自分が見えてくる。人
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ルームロンダリング(2018年製作の映画)

2.0

クセのある俳優ばかり集めて、
ロンダリングだの自殺だの、
どこまで人間の奥底や社会の陰部を
鋭くえぐってくれるのかと思ったら、
驚くほど結局みんな物わかりのいい
優しい人たちで、
なぜかこれでよし!み
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

3.0

ロケ地である水戸や茨城には不穏な重さがある。
東日本大震災の被災地であるのに、
そう印象づけられていないのは気の毒に思う。
東北でもなく被災地でもない。
拠り所のなさがこの作品の全体を
程よく支配して
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トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)

2.9

韓国映画から見えてくる社会。
それは不正や悪は断固許してはならないという強い意思である。
「ウヨンウ弁護士は天才肌」でも正義とビジネス、正義と親子というかたちで全編に渡ってテーマとなっている。
つまり
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

2.8

今泉作品の流れからすると異色なものに感じた。
言えない気持ちと親との問題。
これまでほとんど扱ってこなかった印象。

間違ってるけど否定できない気持ちとか、
正しいけど正しい必要があるのかわからないこ
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ノンストップ(2019年製作の映画)

3.4

韓国お得意のジェットコースタームービー。
今回もしっかりやってくれました。
そして相変わらずの北朝鮮ネタ。
完全におちょくってる。
なんと言ってもキムナムギルが最高。
コンパクトに楽しめるのは
まさに
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.3

水俣病を取り上げているが、
もうひとつの水俣病ストーリー
という印象。
本筋はあまり伝わってこなかった。
当時の空気はもっと重苦しく
泥々していたし、
高度成長期の負の側面に目をつむる空気すら
あった
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マタンゴ(1963年製作の映画)

4.2

人生3回目の鑑賞。
やはり、東宝特撮映画史に輝く名作である。
夢に出そうとはまさにこの映画のことだ。

ジョージAロメロばりに
文明批判だの社会風刺だの
そういう見方をしても十分楽しめる。
でも、ゾン
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

2.6

10代とはすごい。
父親の失敗から社会への恨みが生まれ、
ステイタスといえる職業になりすます。
手口はいたって単純だが、
それでもパイロットになりすまして
フライトしたり、
医師のふりして手術台に立つ
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.3

コンパクトで良質で楽しい作品である。
なんだか落語のよう。
でも、深いところにしっかり届いている。
ゲスな男と見せかけて、
最後にちょっとあったかな気持ちにさせる。
うまいなあ。
肉体と対話。
これは
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陸軍(1944年製作の映画)

2.6

想像してたのと全然違った。
もっと露骨に戦意高揚なのかと思った。
たしかに追いかける田中絹代に反戦の匂いを
感じなくもないが、
あそこは人間ドラマにしたかった
木下惠介目線が色濃く出たような気もする。
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グレイマン(2022年製作の映画)

2.5

痛快な映画。暑い夏にピッタリ。
世界中を旅してる感じはコロナ禍にピッタリ。
初期の007映画を思い出した。
あそこまでお色気はなかったけど。

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ようやく見れた。

3話とも見応えあったが、
1話目はシューマンとラストの写真が良かった。
2話目は途中でオチが見えてしまったものの
生臭い話のくせに、
どこかサッパリしてるのがいい。

でも、なんと
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11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011年製作の映画)

3.0

集団と個。権力。闘争を描く若松孝二は「天使の恍惚」以来、決してブレない、わが国に必要な唯一無二な監督である。
今回も低予算的。私財を投げ打って作るのが若松流。チープに見えるかもしれないがそこに狂気を感
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