友達のノートを返しに行くという単純な物語の筈が、緻密なカメラポジションで組み立てられた映像で街が迷宮になり恐ろしい冒険になる。
神代オマージュもギャグも面白くて、次々に決まる構図が気持ち良い。大胆に脱ぐ女優たちは美しい。
スクリーンが映らず、本当に女優たちは「シーリーン」を観ているのか?しかし彼女たちの涙が映画の存在を保証する。
窓硝子に写るクレジットを叩き割り物語が始まる前から魅せてくれる。女優に狂うピーター・ローレに寄るカメラは常に不安を煽り、断首台を見上げる視線は恐ろしく、ピアニストを騙すために殺人鬼を演じる姿は強烈で異>>続きを読む
衣装が良くて鉛の靴が格好良い。ガスマスクなんて素敵じゃないか。ダイアン・アーバスの写真から飛び出した様な双子が強くてビックリだが、折角の異能バトルに工夫が足りず残念。
光の輪に導かれ殆ど足元しか映らない、歩調が揃う夜の歩行が素晴らしい。ラストの見えないはずの顔のクローズアップが美しい。
冒頭の工場の壁に煙が立ち込めてから火事になるまでの一連の場面に揚がる。逃亡中の主人公を助ける個性ある協力者たちが楽しい。殆ど何も出来ない主役のカップルは最後の見せ場を犯人に譲ってしまうが、それでも此の>>続きを読む
強盗そのものより成功した後の可笑しな形の隠れ家の不動産屋で繰り広げられる犯人たちの駆け引きに焦点が当てられるのが面白い。
団令子が初めて現れる場面で布団で寝ている顔に光が射す姿が神々しく、毒殺場面の照>>続きを読む
まるで異世界の様な喫茶店から並木道を歩き、ホテルで新珠三千代の妖艶な姿を見せたかと思うと、徐々に異様な三人での旅行を経て寝返る冷酷さが恐い。