女性ホームレスが死を迎えるまでの道行と、彼女に出会った人々へのインタビューをドキュメンタリータッチで描く(フィクションと思います)。
これは冷ややかで強烈でした。ホームレスのモナは若く魅力的ですが「>>続きを読む
初ヴェンダース作品。喪失と希望。そして鮮やかな色彩の画がとても美しい作品でした。心温まるロードムービーであると同時に、捉えどころのないトラヴィスが抱える哀しみが徐々に明かされ目が離せません。
夢想し>>続きを読む
生真面目な裁断士の店で繰り広げられる、顧客であるギャング一家の生と死を巡る一夜の顛末。登場人物も少ないほぼ密室劇ですが、全編を通して緊張感が途切れずとても面白かったです。
予想外の展開が続いて目が離>>続きを読む
17歳の2人の少女の確執。『17歳のカルテ』を想起しましたが恐らくベースとして意識されているのかと思います。
夫々が秘めていた孤独をいたわり合うような2人の睦まじさは、心温まるとても美しいものでした>>続きを読む
『ベニスに死す』に出演したビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー。『ベニスに死す』も聞いた事はあるものの未見、当時のフィーバーも全く知らなかったので驚きを以て見ました。
もちろん彼の美しさに驚くと>>続きを読む
産院でわが子取り違えられた2人の母親の物語。2人の女性の数奇な運命だけでなく、自由な女性の生き方、同性愛、親子の絆、大戦の傷跡という深いものまで、テーマは盛りだくさん。この監督ならではの命の輪廻を賛歌>>続きを読む
ペドロ・アルモドバル監督作というと、『トーク・トゥ・ハー』、『私が、生きる肌』といった監禁に纏わる異形の愛を描いた作品も想起しますが、こちらは同じテーマであっても底抜けに明るい。初期の作品ならではでし>>続きを読む
ギレルモ・デル・トロ監督作が昔から大好きです。シェイプ・オブ・ウォーターのブレイクは嬉しかったのですが、今後はメジャー路線に傾くのかと寂しく思っていました。それだけに、今作は過去作を想起させる完全にダ>>続きを読む
キアヌ・リーブス、キャリー=アンモス出演、過去作の映像も沢山見られて、復活は嬉しくはあります。でもやっぱり、常套手段の「実は生きてました」演出や、過去作のダークさや閉塞感が失われてただのSF映画になっ>>続きを読む
ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」に基づくとのこと。30分と短く、ティルダ・スウィントンが演じるヒロインは一体どうなるのか…と見つめていたらあっという間に終わってしまいました。
同居していた恋人に別>>続きを読む
セリーヌ・ディオンの人生に基づく『ヴォイス・オブ・ラブ』と同じ、ヴァレリー・ルメルシエの監督・脚本・主演作。中毒性のある面白さでした!ダイアナ妃と、次男で即位したジョージ6世の人生を混ぜて捻って、コミ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
貧富の差に怒るデモ隊が暴動を起こす中、結婚式パーティから抜け出した裕福な家の娘の行く末。
パーティでの殺戮では傲慢な富める者たちが罰を受けるように見えますが、かといって善人や貧しい人々も救われず、惨>>続きを読む
大富豪が後世に名を残したいがために興味もない映画制作を思いつき、アクの強い女性監督と主演男優2人で延々とリハーサルをする話。ペネロペとバンデラスの初共演に惹かれて見ましたが、皮肉に満ちていて馬鹿馬鹿し>>続きを読む
聖痕を証拠として自らが奇跡だと主張する修道女の、実話に基づく物語。面白くはあったのですが、修道院の話にしては俗っぽいというか…色々と違和感はありました。
・聖痕や幻視が嘘っぽすぎて、もう少し神秘的に描>>続きを読む
坂本龍一がドキュメンタリー映画で大好きと仰っていたのを見てからずっと見たかった、初タルコフスキー。
台詞やストーリーは難しくて理解出来たとは言えませんが、どのシーンを取っても絵画のようで本当に美しい!>>続きを読む
優秀でありながら、治療のための薬物投与が原因で特殊部隊を除隊された主人公。生活のために、そして正義心を満たすために始めた次の仕事の顛末。
クリス・パインはスタートレックやアクションで華やかなイメージが>>続きを読む
ショーン・ペン監督・主演、娘のディラン・ペンと共演。分不相応の成功者になることを夢見て破滅に向かう父親と、父を愛するが故に振り回される娘の物語。
「成功者になりたい、立派と思われたい」という欲求から逃>>続きを読む
最近こういったラブサスペンスがちょっと煩わしくなっているのですが、マチュー・アマルリック主演なので見ました。
大学教授ですが夢遊病で恐らく異常人格者、生徒に手を出しプライドが高く傲慢、人間のクズのよう>>続きを読む
とにかくヘレナ・ボナム・カーターが若くて可愛くて驚きました。トランプの女王のイメージが強かったので…
こういったイギリス上流階級のドラマ、昔は興味が無かったのですが最近面白くなってきました。こちらはコ>>続きを読む
相互さまが推していらしたのと、坂本龍一の音楽ということでずっと見たかった作品。スターチャンネルの放映でやっと見られました。
異人種とテクノ(という名のアンドロイド)の家族、取り巻く人々にはクローンもい>>続きを読む
実在のテレビ伝道師ジム・ベイカー、その妻タミー・フェイの物語。
カリスマ性によって栄光を得て転落するよいうストーリーは、まあそうなるよねという感じでものすごく面白いという訳ではなかったです。ですがジェ>>続きを読む
最初に見た時はラストがナイトシャラマンの『サイン』を見た時と似た感覚で少し残念だったのですが、何回か見ると割と良く思えてきました。後でサテュロスについて知ったせいもあるかも。
ホラーやサスペンスという>>続きを読む
ヒロインは美人でお金も成功も手にしているように見えます。そんな人物の身勝手さや他者への無関心がテーマの1つに思えて、身につまされました。
・悲劇に対して罪の意識ではなく、こんな記憶を植え付けてどうして>>続きを読む
韓国から養子縁組で渡米した男性が、シングルマザーと継子と共に貧しくとも幸せに暮らす。その睦まじさは見ているこちらも幸せな気持ちになるほど。なのに、移民制度の手落ちでその幸せが突然奪われる。なんて悲しく>>続きを読む
思春期にありがちなちょっとした過ちが取り返しのつかない事態を産む。何も無いように振舞っている時さえ、主人公の少年の苦しみと悲しみが伝わってきました。
ラストシーンは私にとってはとても納得のいくもので、>>続きを読む
独特の美しい風景やコミカルなリズム、音楽もとても心地好いのですが、内容は難解。でも分からない所も含めて好きです。
オチが有るような無いようなストーリー。それでいて、別れや死が突如訪れる。それを誰もが受>>続きを読む
とても面白くて、ベイビー・ドライバーの監督作と知って納得でした。見る側に先入観を植え付け、クライマックスでそれを鮮やかに裏切る。テンポも良くて目を離せません。
ヒロインのシンデレラ的な要素(最初は冴え>>続きを読む
ニコラス・ケイジが演じるトリュフハンター(元は人気料理人)が、盗まれた豚を取り戻そうとする物語。
もちろん豚そのものも可愛がっていたのですが、過去に失った幸せや大切な存在のメタファーであるように思えま>>続きを読む
若い頃は全く興味の無かったフィリップ・マーロウが面白いと思う年になったのだなあとしみじみ思います。とはいえ小説も未読、これ以外では『さらば愛しき女よ』しか見ていませんが。
原作とは全く異なる内容で公開>>続きを読む
アメリカの実在の未解決殺人事件(1892年)に基づく。酷い邦題から受ける印象と違って、軽んじ、虐げられる女性達の苦しみとそれに抗おうとする姿には共感出来ました。特にリジーは冷静で理知的に描かれていて、>>続きを読む
邦題はあんまりだと思いますが(原題はThe Nest)、就寝予定時間を超えて一気見してしまいました。調べてみたら評価も高いようです。
不幸な幼少期が元で「金持ちぶること」を止められない主人公をジュード>>続きを読む
我が子が難病のポンペ病に侵され、治療薬の開発の為に奔走するビジネスマンと、優秀だけれど偏屈な研究者。
同じ実話ベースの似た作品で「ロレンツォのオイル」を思い出しました。「ロレンツォ…」は事実を曲げてい>>続きを読む
外界から閉ざされた孤島、登場人物は2人の灯台守だけ。シュールで不気味、かつ現実と幻想の境界が曖昧で、見終わった後ポカーン、もやもやする類の作品でした。
それでも、ウィレム・デフォーとロバート・パティン>>続きを読む
老夫婦(ケビン・コスナー&ダイアン・レイン)が、亡くなった息子の元嫁と孫を再婚先のDV家族から救い出そうとする。
このDV家族が凶暴なのはもちろん、不気味で呪われた家族感が凄い。魔女のような母親役のレ>>続きを読む
大公妃になった女優の話ということで、サクセスストーリーかと思いきや大分違いましたが、見入ってしまいました。
ヒロインがあまりに享楽的で身勝手で鼻に付くので、本当にこんな人が幸せになるのだろうか?と気に>>続きを読む
殺し屋とエージェント、口のきけない青年など男女5人の群像劇。ストーリーはあって無いようなものですが、鮮やかな色彩や振れた映像が酔うように美しく、映像詩のようだと思います。バイクで失踪するシーンも心地よ>>続きを読む