adamさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

adam

adam

映画(579)
ドラマ(85)
アニメ(0)

モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.1

なんとも言えぬ、もどかしい快感。前半の会話劇の眠気を誘う言葉酔いと、それを一気に打破するベッドの境界線。二人の女の半端じゃない魅力が炸裂している。白黒なのに、観終わった後、色を想像してしまう。とても良>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.9

映画で夢を見せ、同時に未来を批判するような悍ましさ。皮肉と滑稽さがかっこいい。

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

3.9

鑑賞中は、一体いつ終わるのだろうかとその空気感に飲まれ続けるが、席を立って初めて、ジワジワと映画の存在感が浮き出た。パーソナルショッパーは代役であり、「私」じゃなくて良い。彼女の人生の自由や欲望は代役>>続きを読む

絞殺魔(1968年製作の映画)

-

鳥肌が立った。サスペンスから少しはみ出たその後。世界仰天ニュースにありそうな話を、再現VTR以上の"映画"にする技術に感服。

夜と霧(1955年製作の映画)

-

「ナチスの歴史を教科書で学んだフリをするやつは、皆これを見なさい」と言われた気がした。ここには人間がいなかった。あるのは時代と空間のみ。画面と時間を介し、とてつもなく冷まされた状態で私たちの前に運ばれ>>続きを読む

ゲルニカ(1950年製作の映画)

-

やはり人間がいない。画面を隔てたのにまだ更に隔てる「人間を消す」という趣向。

美女と野獣(2017年製作の映画)

-

野獣めっちゃかわいい。シャイで繊細で優しいってもろタイプすぎて、野獣がかわいそうで泣きました。ん〜〜スッキリ!!

緑の光線(1986年製作の映画)

4.0

みんな誰かと一緒。でも私は一人でいい。あるな〜そういう時期( 笑 )なんて思いながら臆病なヒロインを見守る。急に泣き出しては屁理屈を言うけれど、愛くるしい姿でしかなかった。ビーチで出会った女の子、駅で>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.0

ふとした瞬間に、あ〜やっぱりロメールは裏切らなかった、と思う。いわゆる結婚適齢期の女は、大人なパイロットと未熟な学生の二人の恋人を持つ。パイロットは忽然と姿を消し、妻の元へ。ドロドロ感はなく、たださっ>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.5

独特な描き方に面白さ半分、不可解半分といった感じ。構図やカメラワークのこだわりはいつも通りのブレなさ。未亡人の老婆と若い黒人男性の恋愛。この恋愛描写にもっと普遍性があってその中で偏見が誇張されているの>>続きを読む

ある結婚の風景(1974年製作の映画)

4.4

隠れたメッセージ性が鍵。6部構成で淡々と進められるのは、タイトル通りの「ある結婚の風景」。冒頭、絵に描いたような幸せな夫婦二人をインタビューするという掴みが最高。夫婦の仮面に騙されながらも、乱雑に脱ぎ>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

3.9

運命があるのだとしたら、こういう運命もありなのかなと思える瞬間。うつろう秋と、うつろう乙女心。感受性が豊かすぎるロメール。

春のソナタ(1989年製作の映画)

3.9

下手なBGMでなく、その場でかかるピアノバックに、男と女が芽生え始めるその瞬間。大きな展開はなく、しかし緩やかに人と人の不和や共鳴が生まれていく空間。会話劇だが、会話よりもファッションや小道具、役者の>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

4.0

ロメールに出てくる主人公の女は、嫌悪と憧れを同時に感じさせる。キャラクターが愛おしいし、ロメールが何故こんなにも一人の女の情動を理解できるのか不思議でたまらない。冒頭からアツイキスを交わし、最後もアツ>>続きを読む

ライムライト(1952年製作の映画)

4.0

"チャップリンといえば喜劇"というイメージが覆される、なんとも哀愁漂う作品。老いてゆくチャップリンと、夢を追う若い美女。同情ではなく芽生えた愛情が非常に微笑ましく、ゆったりとした気持ちになれた。最後は>>続きを読む

忘れられた人々(1950年製作の映画)

3.7

メキシコの貧困街で社会から除け者にされた子どもたち。ここでは、「親は子を無条件に愛する」など通じず、親から発せらせる無情な言葉に、「無視しないでくれ。打たれた方がマシだ。」と吠える少年。忘れられた人々>>続きを読む

しびれくらげ(1970年製作の映画)

3.1

痺れるほどイラっとくる人間の集いだった...あんな父さんもあんなお婿さんもいらない...チンピラが正義のヒーローになるという新たな展開。

くちづけ(1957年製作の映画)

4.0

記念すべき、増村君臨の第一作品目。若々しく甘酸っぱい青春モノ。思わず可愛いと声が出た。やや広瀬すず似の野添ひとみがあまりにキュートで素晴らしい。身をよじって壁にすがり泣いたり、台詞の言い回しや立ち居振>>続きを読む