むしの呼吸さんの映画レビュー・感想・評価

むしの呼吸

むしの呼吸

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ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

4.0

戦闘服の男達が闘い続けるロマン映画。
みんなの大好きなシーンが全部のせ。
静寂すら派手。
筋書は荒唐無稽もいいところなのだけど、有り得ないからこそ燃える展開ってある。劇場向けなのでお早めに。

かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

センダックの絵本も、この映画も大好きです。絵本を好きな理由のひとつが「マックスの凶暴な強かさ」なので、本当に満足の仕上がりです。

キャロルとマックスは気が合う。
ふたりとも、愛情に飢えているから。
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラブストーリー未満。
迷走する青年とぐいぐい歩いて行く乙女が恋をはじめるまでのお話。

乙女の溌剌とした変人ぶりがおもしろくてかわいかった。青年も青年で行動の8割ぐらいが意味不明なんだけど、たぶん乙
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インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

※前作未鑑賞

映像の美しさは現代規準なのに、宇宙の表現や物語中の価値観がなんだかクラシックで懐かしい。
そして、都市の破壊が綺麗で印象的。
大袈裟なくらいに地球を破壊してくれるので爽快感があるし、旅
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アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅(2016年製作の映画)

3.0

前作も劇場で観ています。
公開から5年以上経っているのにキャストの続投が出来ていて、嬉しかったです。
アリスがとても美しくなったし、白の女王の可憐さも色褪せていない。

メッセージの要点がまとまってい
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アリス・イン・ワンダーランド(2010年製作の映画)

3.0

大きな書店の洋書棚に立て掛けてある米国製の絵本の世界。
ぎとぎとした色合いと個性の強いキャラクター、なんだかゴツいストーリーが素敵です。

個人的にはあまり好みではない要素が揃っているのですが、キャラ
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

5.0

描かれた青春が本当に美しかった。
ひたひたと迫る悲しい現実を抽出した曲で、きらきら輝くギグをする姿に涙腺が弛んでしまったし、劇中で彼らが演奏する音楽に心が弾んだ。

わたしは音楽をやりたいと思ったこと
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銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「あの頃は楽しかったなあ」

ジョバンニはこんなことを言うこどもだ。ささやかだったけど、確かにそこにあったはずの幸福は指の隙間からさらさらと零れて消えてしまった。
淡々と不安な毎日を過ごしている。
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ローズ・イン・タイドランド(2005年製作の映画)

4.0

過酷な現実を徹底的に無視する少女と恐ろしく常識はずれな大人達による物語。
それは嫌いな人が多いよ、という題材が流れるように出てくる一方で芸術点(服飾、背景、視点、ローズの可愛らしさなど)が常時高いので
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BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

利発な少女と優しい老人が手を組んでそれぞれの世界を立て直す話でした。

本編は良い夢のようにまったりと流れていくから、こどもの人達に見てもらうのにうってつけだと思います。

描写外では巨人達がにんげん
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

きれいで爽やかな映画です。
作中では組紐を時間の流れや生命の理と絡めて説明していたけども、それは名前にもあてはまると思います。

名を呼べば、その人は紐を手繰り寄せたかのように傍にくる。
もしそのひと
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劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

戦隊とライダーの二本立て上映となっています。

ジュウオウジャー
正義が勝った。
舞台がサーカスということで、サーカス芸にちなんだ格闘がみれて嬉しかったです。カウンターと勧善懲悪。

ゴースト
その肉
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

支配者と隷属者、食物連鎖の別階層に住む二人が孤独を頼りにして寄り添う話。
エリは捕食者でありながら万能ではないから、常に誰かに寄生しなければいけない。
対するオスカーは歪な家庭環境や虐待者に囲まれた学
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

とてもすきな作品です。

すごく硬派な映画。
舌鋒合戦に酔えればとても気持ち良く見れるので、静かな場所での鑑賞をおすすめします。
ありがとうございました。

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても面白かったです。
ただ、男達が酷い目に遭いっぱなしなので、観ている男のひとは楽しめるのかな?と心配になったりもしました。

物語のなかの女性が守るものは大体の場合「こども」か「自分」なんだけど、
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.0

映画を観た気がしない映画です。
退屈と癒しは隣人同士なのだと気付いた。ゆったりとした映画なのに眠らずに最後まで見れたのは風景が美しく撮れているからかな。
すごくきれいな水槽を覗いているみたいな、安らか
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

いいお話でした。
この会社のアニメは、そのときの世界が選んでいる、旬の正義みたいなものを主軸に据えてくるからストーリーに対して文句が言いにくいっていう特徴があると思うんですけど、このファインディング・
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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

宮藤官九郎監督の映画は「真夜中の~」以来、二作目の鑑賞です。

登場人物の心理や人間関係がすごく素直で、ちょっとだけ全員がバカなので気分良く観れました。誰かが自分に嘘をついたり、製作側が意図的に観客を
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

美しさは喧しさだから、直面するとなかなか疲れてしまう。
だけど、この映画にある美しさは物静かだから、観たひとは癒される。

登場人物は一様に奇人で、フルハウスみたいな長期連続ドラマがこの面子で出来る
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これはとても好きな映画で、何度も何度も観ているんだけど、何度観ても結末が変わらないので、それが悲しいような安心するような気持ちになる。

こどもがたったひとりで冒険をするという筋書がとても良い。
いつ
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愛のお荷物(1955年製作の映画)

4.0

モノクロ映画は初めて観ました。
昔の映画だけど随分と面白くて分かりやすいのと、会話のテンポがはやいのに置いてきぼりにされることがないのは何故なんだろう……すごい。

作中で「問題」として扱われている事
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迷子の警察音楽隊(2007年製作の映画)

4.0

渋くて寂しい。
口数の少ない、心の扉(?)がしっかり戸締りされたひとばかり出てくるのでストーリーに起伏がない。
だから、とても穏やかな気分で鑑賞することができました。

BGMが控えめだからか、人間同
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

両親の離婚による家庭崩壊もの。
イカは少ししか出てきませんでした……

家族たちがよく会話するんだけど、話せば話すたびにキャラクターたちの性格が滲みだすように伝わってくる。基本的に歪んでいる。

人間
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オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。観てつかれた。

物語も背景も人物も演出も味が濃くてニンニクとかニラが滅茶苦茶に効いた感じかある。作中で主人公が食べてる餃子はこんな味なんだろうと思う。

オーディオコメンタリーで監督が「
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Wの悲劇(1984年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

邦画はあまり好きにならないんだけども、この映画は良かった。

感情が発露する場面や劇的な展開が多いから、鑑賞中はこちらまで緊張するんだけど、終着が爽やかだから後味が良い。
鑑賞中に貯まった(いい意味で
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ネイキッド・タンゴ(1990年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

5年以上前に深夜地上波で観賞。

タンゴを踊りながら人を殺める色男が出てくる映画だったと思う。
舞踏シーンが本当に多くて、翻訳字幕が非常に戸田奈津子で、あとは雰囲気が湿っぽいのと血生臭い。

真面目な
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王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2016年にはじめて観賞して実直な感想が言えるかと言えばむつかしい題材を扱っていると思う。技術と思想は進歩したし、わたしはもう宇宙飛行士に憧れをもつ精神を喪失している。
それでも良い映画だと思った。
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ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(2011年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

丁寧な作りの映画だと感じた。

コメディ映画はあまり観ないから頓珍漢なことを書いていたら聞き流してほしいんだけど、コメディは二種類に分けることができて、ひとつは「世界が全体的に狂っていて、それに画面外
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(2005年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

神話やお伽噺のような物語だった。

わたしは作中の一番惨めな人間に感情移入してしまう。
だから映画のはじめの方はお爺さんの目線、海上結婚式から後はお兄さんの目線で物語を追っていた。
ところが、お爺さん
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宇宙ショーへようこそ(2010年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

小児教育的に正しい映画だった。
個人的には退屈してしまったけど、物語のなかに差別的な理屈がほぼなかったので、色々な観客に配慮してくれている善い映画なのだと思う。

でも、それ故に印象に残りにくいのやも
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ムカデ人間(2009年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

肛門と口を繋ぐ、人間を愛玩改造するという前評判を聞いたのでもっとフェチズムに訴求する映画かと勝手に思っての鑑賞だったのだけど、性的な演出があまりされてないせいか、これ設定の割にえろくない。

でも、撮
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モーリス(1987年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の海辺とケンブリッジ学生寮での生活風景が絵画のようできれい。統制された男の子は美しい。
愛の物語だからよく分からないところもあったけど、地位や安寧、家族を捨ててまで一緒になる彼らと、社会的な安定を
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