mtmtさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

3.5

カミュの「異邦人」をルキノ・ヴィスコンティ監督が映像化した作品。主演マルチェロ・マストロヤンニ。仏領アルジェリアで殺人を犯した主人公。裁判では事件に関してより、主人公が母親の死に対し不道徳であったとい>>続きを読む

ふたつの名前を持つ少年(2013年製作の映画)

3.5

1942年ワルシャワのゲットーから脱出した8歳のユダヤ人少年が、2年以上にわたり偽名を使いながら単身ドイツ軍から逃げ続ける実話を元とした作品。もちろんそうでない人物もいたが、彼が出会うポーランド人が結>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.0

夢の中で潜在意識に介入する事により、人の行動へ影響を及ぼす「インセプション」を描いたクリストファー・ノーラン監督によるSFサスペンス。久しぶりの再鑑賞でより理解して楽しむことができた。やや複雑な世界観>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

本能寺の変を中間に、その前後を織田信長、明智光秀、荒木村重そして羽柴秀吉を中心に描いた北野武監督による時代劇。物語の重心となるのは衆道と首。ともかくこの二つの描写が多くてかつ濃いので作品の印象となる。>>続きを読む

母性(2022年製作の映画)

3.5

題名通り「母性」をテーマとした母と娘の関係を描いた作品。初め物語はお互いの視点から展開し、その後に双方向視点に至る構成。「女性には2種類ある。母と娘。」という事だが、母性に欠けるあるいは乏しい女性とい>>続きを読む

ファンタズム(1979年製作の映画)

3.5

両親が眠る墓場を舞台に、トールマン、ドワーフそして恐怖の空飛ぶ球体シルバー・スフィアが残された兄弟を襲う…というドン・コスカレリ監督によるホラーシリーズの第1作。ぼんやり観ていても、しっかり観ていても>>続きを読む

人斬り(1969年製作の映画)

3.8

幕末の京で「人斬り以蔵」として恐れられた土佐勤王党の暗殺者・岡田以蔵の伝記映画。監督五社英雄。主演の勝新太郎をはじめ仲代達也、石原裕次郎などキャストが豪華。とりわけ印象に残るのは、一年後にあの事件を決>>続きを読む

キングダム エクソダス〈脱出〉(2022年製作の映画)

4.0

ラース・フォン・トリアー監督が25年の時を経て撮ったキングダム・シリーズの続編。一部キャストは前回からの続投。セピア調映像、ジャンプカット多用、耳に残る主題歌、スウェーデンディスりなどテイストは変わら>>続きを読む

キングダム II 第3章/第4章(1997年製作の映画)

4.0

キングダム病院を舞台としたラース・フォン・トリアー監督によるブラックコメディ調ホラーサスペンスのシーズン2。幽霊のみでなく、悪霊にも取り憑かれた病院で繰り広げられるドタバタ劇。シーズン1と比較し、圧倒>>続きを読む

春の雪(2005年製作の映画)

3.5

大正時代、貴族子弟同士による禁断の恋を描いた三島由紀夫の絶筆「豊饒の海」の第一章「春の雪」を行定勲監督が映像化した作品。尺の関係からか第二章以後を切り離しながらも、後に意味する有名な台詞は残すなど苦労>>続きを読む

キングダム(1994年製作の映画)

4.0

「キングダムの世界では善も悪もあることを心得よ」。舞台はキングダムことデンマーク王立病院。病院内に現れる少女の霊をめぐる神経外科のスタッフ、入院している老婆(患者ではない)らの騒動を描いたラース・フォ>>続きを読む

八月の鯨(1987年製作の映画)

3.5

メイン州の島に建つ家で暮らす老いた姉妹の夏の日々を描いた作品。皮肉屋の姉リビーをベティ・デイヴィスが、エレガントな妹サラをリリアン・ギッシュが演じている。友達の老人たちと送る日常に特別な事件は起こらず>>続きを読む

戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH(2009年製作の映画)

3.5

柳楽優弥演じる主人公ケンは遊園地内のお化け屋敷で2人の女性を殺害した容疑者として取り調べを受けている。しかし彼は10年前に同じお化け屋敷で行方不明になった少女ユキの事を話し続ける…。現在も富士急ハイラ>>続きを読む

ヨーロッパ(1991年製作の映画)

4.0

1945年敗戦直後のドイツ。独系アメリカ人の主人公は復興を助けるという希望を胸に鉄道会社に就職する。しかし彼は米軍情報部、そして占領軍への抵抗組織「ヴァアヴォルフ(人狼)」の双方から利用される事になる>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.7

ダイバーシティやLGBTQという言葉で包括できない様な特殊フェチを持つ人たちを中心に描いた作品。その苦悩と生きづらさは想像出来ても、どれ程のものなのかは全く考えた事が無かった。最後の台詞は心に響く。な>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

パリでミスを犯した殺し屋は、ドミニカにある隠れ家へ向かう。しかし既に愛する女性は追手により酷く痛めつけられた後。彼は物事の清算のためニューオーリンズ、フロリダ、NY、シカゴと転戦する…。ストーリー自体>>続きを読む

エピデミック〜伝染病(1987年製作の映画)

3.5

ラース・フォン・トリアー自身が演じる映画監督は仲間と脚本を書き始める。その内容は伝染病についてなのだが、時を同じくして現実社会でも未知の伝染病が蔓延しはじめる…というモノクロ作品。途中の文通シーケンス>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.8

佐藤泰志の原作小説を読んでの再鑑賞。函館を舞台に社会の底辺で生きる者たちの生命力、そして無常感を描いている。ストーリーは原作から大きく改変/脚色されている。それは原作のテイストを大切に保ちつつも重厚感>>続きを読む

エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.5

エジプトのカイロでリハビリ催眠療法中の刑事。過去ヨーロッパで恩師の著書「犯罪の原理」に従い、犯人に成り切っての捜査をした殺人事件を回想する。それは虚実入り混じるが如き混乱した映像…。記憶の世界を表した>>続きを読む

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

3.5

忌怪島全体を高度な仮想空間にする事により現実空間に呼び出されたのは、かつて島民達になぶり殺された女性「イマジョ」の怨念だった…。清水崇監督により「島」シリーズ化されるのかな。題材となる奄美地方の土着信>>続きを読む

フェノミナ(1985年製作の映画)

3.5

スイスの寄宿学校に転校してきた昆虫と交信できる特性を持つ14歳ジェニファー・コネリー演じる主人公。折しも同地では少女連続殺人事件が発生。遂には彼女も命を狙われる事になる…。終始登場するウジ虫、死体プー>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.0

スタニスワフ・レムの原作を読了しての数回目鑑賞。人の記憶の一部を取り出して物質化するソラリスの海。同地に赴いた主人公の前に10年前に失った妻の形をした物が訪れる…。なるほど原作者がこのタルコフスキー監>>続きを読む

零落(2023年製作の映画)

3.8

8年にわたる長期連載を人気下降しながら迎えた漫画家が主人公。燃え尽きた様に無気力、厭世的になる彼の前に現れたのは猫目の大学生デリヘル嬢だった…。仔細な違いはあるが、大筋は浅野いにおの原作漫画に忠実。言>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

敗戦からの復興の萌芽が起こる日本。そこに巨大生物ゴジラが現れ、東京銀座を一瞬のうちに破壊し尽くす。大戦中にゴジラと邂逅し、それが原因のトラウマを抱える特攻隊生き残りの主人公は仲間が計画したゴジラ討伐作>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.5

幼い養女と共に休暇を楽しむゲイカップのコテージに男女4人が押し入ってくる。彼らは人類の終末を回避するためには3人の中から生命を捧げる犠牲者1人を自主的に選ぶ必要があると言う。拒否する3人の前で侵入者た>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.2

機械化し不死となったはずの人類はウイルス感染で存亡の危機を迎える。そこで遥か昔に自らが作り出し、今は地下で独自に繁栄する生命体「マリガン」研究に調査員を送る。だがそこは弱肉強食が掟の過酷な世界だった…>>続きを読む

わたしを離さないで(2010年製作の映画)

3.8

カズオ・イシグロの原作を読んでの再鑑賞。クローン・提供・猶予・終了。そのディストピア設定が目を引く原作は繊細な心理描写の連続で構成された鮮麗な小説だった。改めて本作を鑑賞するに、その素晴らしさは描き切>>続きを読む

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.5

生まれてからの35年間、性的虐待を受けながら母親に幽閉されていた男バビー(特技はGの分解)は遂に外の世界へ1人羽ばたく。そこで彼は辛い事、楽しい事と様々な事柄に向き合う事になる…。うーん、脱出からしば>>続きを読む

レディ・マクベス(2016年製作の映画)

3.7

舞台は19世紀後半の英国カントリーサイド。17歳の主人公は裕福な家に嫁いだものの、40歳の夫には相手にされず、性格のきつい義父には抑圧されると言う日々を送る。しかしある日を境に彼女はそんな生活を根本か>>続きを読む

新・猿の惑星(1971年製作の映画)

3.7

地球滅亡直前に宇宙船で脱出したコーネリアスとジーラらはタイムトリップして1973年のアメリカに漂着する。歓迎される2人だったが、やがて来る人類衰退・猿類繁栄の元凶と考えた者が2人を危険視する…。シリー>>続きを読む

霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

3.5

レーニンとスターリンの写真が飾られた場所で7人の男女が自らの恐怖体験を語り合う。ボリシェヴィキ党歌の合唱を挟みながら語り合う中、不可解な心霊現象らしきものが起こるようになる。そして7人目が語り終わった>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.8

1920年代のオクラホマ州。押し込められた保留地が石油の埋蔵地であった事から、先住民オセージ族は思いがけず大富豪となる。だが自らより裕福になった彼らを白人達が放置するはずはなかった…。史実を描いたマー>>続きを読む

続・猿の惑星(1970年製作の映画)

3.5

映画史に残る衝撃の結末を描いた前作から2年後に作られた続編。舞台は3955年の元NY。禁止地帯へ向かうテイラーとノバだが、テイラーが行方不明に。残されたノバはテイラーの同僚の生き残りブレントと行動をと>>続きを読む

化石の森(1973年製作の映画)

3.5

主人公はいい歳して自我の確立されていない萩原健一演じる大学脳外科医局インターン。その幼さから恋人に唆され共謀して人を毒殺してしまう。医師として犯した罪に苛まれた彼は恋人、彼から縁を切った母、そして受け>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.8

アーサー王の甥ガウェインはクリスマスの円卓で、突然現れた緑の騎士の首を切り落とすが、落とされた首はガウェインに対し一年後のクリスマスに首を落とされに来いと言い残す…。14世紀イングランドの物語が原作。>>続きを読む

白石晃士の決して送ってこないで下さい(2023年製作の映画)

3.5

あるカップルから監督白石晃士の元に送られて来たのは、DVを背景として心霊現象を記録した映像。過去にDV男の恋人4人が自死を遂げていることが判明し、その後の記録からも男がいただけない奴なのは明瞭なのだが>>続きを読む