むらむらさんの映画レビュー・感想・評価

むらむら

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バービー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

少し前に観賞。男性目線の感想です。

おおむね楽しくみれたが、バービーランドを現実の反転世界として描いている以上、ラストだけは違和感が残る。反逆を起こした男には権力を再度剥奪した上で「ありのままでいい
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.9

nouvelle vagueの先駆けということで視聴してみた。これより前の時期のフランス映画に詳しくないのでどの辺りが当時斬新だったのかについてはよくわからないが、nouvelle vagueに位置す>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

30歳になっても好きすぎる彼氏彼女ができたらはしゃいでいいんやなと、意味不明なポイントで涙を流してしまう。
あと足怪我した人置き去りにして「追っかけてこないのかよ」が鬼畜の所業でつい笑ってしまった。い
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熟れた本能(2009年製作の映画)

3.7

原題の partir は出発という意味だが、出発どころの騒ぎではなく、ノンブレーキで終点を遥か越えてぶっちぎってしまっている点が笑いを誘う。
主人公の豹変ぶりは凄まじく、序盤の淑女っぷりとは打って変わ
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カテキョのセンセ。(2017年製作の映画)

3.1

エロ一本槍ではなく濡れ場長めの映画という感じ。妙に味わい深いキャラクターが記憶にべったりと残りそう...。こういう作品に出会うとポルノ映画もっと観たいなと思う。
妄想シーンでも実際の行為を撮影してるわ
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ゾディアック(2006年製作の映画)

3.0

作中後半、ヴォーンの家を訪ねていくシーンの演出が良かった。実際に怖い出来事が起こるのではなく、観客に展開を予想させることでより強い不安と恐怖を煽る感じ...観ていてドキドキした。
捜査に取り憑かれるグ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.3

二夜連続で一回ずつみてやっと飲み込めた。150分あるのに初見で理解されることを放棄している時点でかなり人を選ぶ作品だが、ある程度の理解を伴った二周目の満足度は非常に高く、「労力に値する」作品だなと思う>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.3

ヤンの記憶とヤンについての記憶を軸に物語が進んでいた。記憶を持つことと人間らしさにはきっと大きな関係があるのだろう。
印象深かったのが夫婦のそれぞれとヤンが話しているシーン。茶の奥深さやすべてが終わっ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

おすすめにクソ映画出てきたァ!と思って食い付いたけど、飽きのこない展開とやけに濃いキャラ、さらに資本分配に関する風刺画的な側面もあり、度々思い返すうちに好きになってしまった作品...。

自分がルール
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ウォーターメロン(2004年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

普通によい映画!
日常とか性が発するじめじめした不愉快さ、重力のようなものに終始まとわりつかれてる感じが好きなのかもしれない。
夏の日本でしか撮れないだろうな。

それはそうと店長の秘蔵ビデオ、あれだ
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灼熱の肌/セックスとパーティーと嘘(2009年製作の映画)

3.0

別に嫌いじゃない。濡れ場は多いほど退屈しないし、雛に餌をやる親鳥みたいに人間たちの口内に淡々と錠を蒔いていくシーンとか、フロアの中に現代のイエス・キリストが突如として顕現したような感じがして好きだった>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.7

初見では設定の有用性もラストシーンの意味もわからず、だから中盤以降失速した印象で、消費社会へのアンチテーゼと暴力の痛快さしか記憶に残らなかった。
何回も観返したり色々な批評を読んだり考えたりしてやっと
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娼年(2018年製作の映画)

2.0

まず松坂桃李の演技はめちゃめちゃ良かった。
素人の感想だけど、この題材でこれ以上の仕事にはちょっとお目にかかれないんじゃないかと思った。

さて、観賞後になんだかなーと思ったが、そのモヤモヤの原因がわ
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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

5.0

これはすごいという直観が先にあってでもあんまり理解できず、色々な思想や言葉に触れてから戻ってくるとほんの少しわかる。それで最初に感じたすごさを再認する、というのをずっと繰り返していく映画。

フェルデ
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.0

好みの映画ではあるのだが、展開に妙な既視感。
特定の先行作品群に見出だせる暗黙の文法を忠実に再現したような印象。
でも特に中盤以降笑えるシーンもたくさんあってやっぱり好き!

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

4.0

何も考えず楽しくみれた。
これほど思考を喚起せずに満足感だけを与えてくる作品も珍しい気がする。

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.2

ザックが特に印象に残った。彼は紋切り型の人生を選ぶ人々の弱さを指摘している。自分の生き方を正当化しようとする意図を差し引いても、彼が与えられた規範やレールを拒絶する強さを備えていることは事実だと思う。>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.9

ものすごい設定だと思う。
この設定だけでご飯何杯でもいけるというか、無限に妄想が膨らむ。

実際観てみるとプロットはよかったけど、案外細部があっさり終わったなという印象で、もったいないように感じた。
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0

やってることとは裏腹に善良な映画だった。
病院でテキーラ飲むところがすき。マーチンのためにルディが強盗する場面も成長を感じられてすき。

もし日本だったら長野あたりから物語が始まるんかな。
「極楽浄土
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

評価、レビューは観返せるようになってから考えるとして、とりあえず薄い感想だけ。

・ :|| という記号が意味する通り、繰り返してきた物語が終わる場所だったんだなと感じた。シリーズ最後の作品として、少
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.3

In moonlight black boys look blue.

これはフアンの台詞だが、同名の自伝的作品を脚本担当のマクレイニーが書いていて、本作はその作品が基となっているらしい。それもあって
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.7

26歳というのは、自分の未来がうっすらと輪郭を持ち始める年齢なのかも知れない。これから自分がどんな風に生きていくのかなんとなく想像がつき始めてしまうような、そんな年齢。

作中のトラヴィスも26歳で、
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.7

I believe whatever does kill you makes you a stranger. (Joker)

この冒頭の台詞がデントの変容過程と対応しているのは言うまでもないが、この
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彼女について私が知っている二、三の事柄(1966年製作の映画)

3.6

経済政策により変容する60年代のパリに住む労働者階級の主婦の一日を描く、というのが表面上のプロットで、作中の台詞にゴダールの(というかおそらく60年代のフランス思想に広くみられる)哲学的問いが散りばめ>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.0

『ダークナイト』を観返したくて、その予習のために観た。本作は初めて。

次回作の評判のせいで霞んでいるだけで、本作も完成度は高かった。ただタイプの映画じゃないんだよな...。なんでだろう。感情の描写が
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.1

久しぶりに観たら昔より楽しめた。

ショーンはセラピストとしては相当破天荒な部類だけど、覚悟を持ってウィルに接してるのも伝わってきて考えさせられる。セラピストが治すのではなくクライエントが関係性の中で
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

「いい映画」だった。映画のお手本のような映画。
4点未満を拒絶するかのような完成度だったので、不本意ながらもこの点数。
観返す度に何か発見が得られ映画という表現手法への理解が深まるだろうと思うが、あま
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