むさしくんさんの映画レビュー・感想・評価

むさしくん

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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.7

誰しもが環境によって、ある程度自分の生活の基盤が出来上がってしまう恐ろしさと、その決められた枠の中でしか生きられない窮屈さ、そして最後にはその殻を破ろうと懸命に足掻く様など、映像は静かなのとは対照的に>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.9

最高のくだらない青春ストーリーでした。
「過去を変えれば未来が変わる」というたった一つの軸でここまで話が広がるのか!と思いました。
ただのエアコンのリモコンを過去に戻ってとってくるという目的だけで動い
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チワワちゃん(2018年製作の映画)

4.9

終わりが来るのも、いつかはみんながバラバラになってしまうことも分かっていて、それでも「今」を全力でキラキラさせて、大人になる現実から逃げるという若者の心情をそのままストーリーにした映画でした。
だから
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

5.0

男女のすれ違いの様子と、2人の出会いの様子が交互にあることによって、シーンの切り替わりが観ている人の気持ちを錯覚させるように気持ちが錯綜する構成はとても素晴らしいと感じました。
やはり、恋愛と結婚は全
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グローリー/明日への行進(2014年製作の映画)

4.3

人々を導いていた英雄は、家族から見ると常に心配かけさせる上に、家族たちとの時間が奪われてしまうという悲しさも抱え込んでいることもまた事実なのだなと感じさせました。最初のシーンにはインパクトがあると同時>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.5

家族とは何か、親子の愛の定義は何なのかについてとても深く描かれていました。
もう一度行きたいところはどこかと言われて、「洗車するところ」と言われたシーンには、改めて人との繋がりが当たり前ではなくかけが
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.9

タランティーノの映画の魅力は、何故か引き込まれる世界観にあると思います。
ストーリーも登場人物のキャラクターも全てがぶっ飛んでいて正直完全な理解をすることが正しいタランティーノ作品の楽しみではないと思
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ローマの休日(1953年製作の映画)

5.0

何度観ても名作であると思います。
恋愛の甘酸っぱさや切なさが詰まっているとともに、なんと言ってもオードリーヘップバーンの可憐さがありありと現れている芸術的な映画でもあると思います。
「名作映画とは何か
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

4.6

これはブラックコメディの皮を被った擬似ドキュメンタリー作品だと思いました。
ヒトラーというたったひとりの存在の影響力や、カリスマ性や、扇動力は恐ろしいものがあるとともに、だからこその人を動かすことが可
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.4

2人のすれ違っていく様がとても分かりやすいのに妙にリアリティのあることが驚きでした。男女の関係の終末は生涯を共にすることを誓う「結婚」か、それともそれぞれの道を歩む「別れ」という究極の二択であることを>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.5

決断することの「勇気」、何かを捨ててでも守るべきものがあるとする「仁義」を非常に色濃く描いたストーリーでした。
選ぶ権利があるとは言え、それに代償が伴うことのリスクや、反感を全て考慮した上での決断はど
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さがす(2022年製作の映画)

4.3

展開に目まぐるしく、時系列もうまい具合にストーリーに効果が現れるタイミングで切り替わるので観ていて飽きることのない作品でした。
キャスト陣も素晴らしく、そのおかげもあって人物関係がはっきりと浮かび上が
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.8

映像、風景、音楽、人物、どれを切り取っても絵画のように美しい作品でした。
エリオの17歳らしい純朴で、不恰好で、暴力的な愛情表現と、オリヴァーの物事に固執せずに自由に生きているようで、そこには情熱や狡
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.8

どこのクラスにもいるいい意味でも悪い意味でも目立つ人、女子には人気は無いけれどおちゃらけて男だけで盛り上がっている中心にいた人、いつもイカれたことしかしないのにどこか憎めない人、そんな「佐々木」という>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.7

猫という舞台装置を基準に4人の男女を描くというなんとも現実味が無さそうなストーリーであるのに会話劇にすごいリアリティーを感じさせるのは、やはりこの監督の味なのだろうと感じました。
出会いと別れとエゴと
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道草(2018年製作の映画)

4.6

障がい者に対してどう接していけばいいのかについて非常に考えさせられた作品でした。
私は正直に障害を持った人たちに思うことは「怖い」という感情でありました。何をするのかを理解することが難しく、気持ちに寄
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.4

SFのチープさがより特撮の良さを引き出している作品でした。そもそも怪獣はどこから来ているのか、ウルトラマンとはなんなのか、そこに詳しい説明がないところこそに特撮作品の醍醐味があると感じます。
最終的な
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7月22日(2018年製作の映画)

4.5

テロの恐怖をこの肌で感じられる映画でした。正直どういう言葉を選んでもこの悍ましい事件に対しての冒涜になりかねないので、あくまで「映画」としての評価しか書けませんが、このような事件が再び起きないことを祈>>続きを読む

ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

4.2

娯楽も何もない田舎町の農家という閉鎖的な環境下で、ただ性欲のみを満たすだけの生活の繰り返しという平坦な生活具合がとてもよく表現されていました。そんな中での愛との出会いがいかに刺激的で官能的であるかとい>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.3

ヤクザという社会的には反した存在であるけれどもそこでしか生きられない人や、その中で自分の価値を見つけた人だっていて、生まれも育ちも誰からも愛情を受けてこなかったせいで他人の気持ちがわからなくなってしま>>続きを読む

ユナイテッド93(2006年製作の映画)

4.8

いつかは観ようと思っていた映画でした。
あまりの緊迫感に手の汗が止まりませんでした。それぞれの立場の視点からあの日の出来事を描いていてそれぞれが懸命に立ち向かう様子にはとても心を動かされました。
終始
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悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)

4.2

誰かを憎み、誰かを嫌い、誰かを呪う、そういったネガティブな感情のオンパレードでした。しかしそういった感情が不思議と痛快に思えるのはこの作品の見所であるといえると思います。
善とは何か、悪とは何かといっ
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愛なのに(2021年製作の映画)

4.7

愛は様々な形で否定されてしまう世の中に一石を投じたのがあの主人公が激昂したシーンに詰め込まれていると感じました。
高校生の女の子と30歳の男の恋愛、婚約している相手がいるのに不倫してしまう男、
そして
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

4.3

立場の違う2人がどう「差別」という問題に向き合っているかを考える作品でした。自分ならどうだろうという安易な自己投影をする暇もなく、それぞれの思いとそれぞれの価値観が錯綜していてとても面白かったです。>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.8

これぞバットマン!という作品でした。今回のバットマンはまだ街のダークヒーローとして活動を始めてから2年、つまりは「新人バットマン」ということもあって冷静沈着でクールなバットマンではなく感情的になったり>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

4.6

どこにでもある中学校の一つのクラスをただ観察するようなドキュメンタリーなのに、そこには生徒たちの群青劇と呼ぶにふさわしい人間ドラマがある作品でした。
葛藤、悩み、不安、期待、恋心などそれぞれの抱える中
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.9

まさに「ジェンガ」のように過去の出来事を引き抜いて積み重ねていくような物語の構成が素晴らしいと思いました。
あの日、あの時、こんなことがあったよねという記憶の6年分を一気にフラッシュバックさせてるよう
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

4.8

「青春ってこういうことだよな」と思えた作品でした。最初はうまく馴染めず誰も友達がいなくて、そこからだんだんと周りに馴染んでいく様子が、新しく入学した後のなんとも言えない距離感に似ていてとても共感しまし>>続きを読む

リリーのすべて(2015年製作の映画)

4.1

自覚のあるなしに関わらず自身のアイデンティティを根本から覆されるという気持ちは一体どういったものなのだろうと考えさせられました。
動揺、不安、嬉しさ、悲しさ、などさまざまな感情が折混ざり複雑になってい
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