NaitoMamiさんの映画レビュー・感想・評価

NaitoMami

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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

3.8

何をどう選んでも、生き残れたとしても、闇と悔いと悲しみしかない。揺るぎない過ちがあるとしたら、戦争が始まってしまった、ということ。

リトル・ガール(2020年製作の映画)

5.0

胸に沁みいる作品だった。
つらさを抱えるサシャのこらえきれない涙は、見る側の胸にも突き刺さるけど、両親や兄弟、ドクターがそれぞれの視点と想いで、サシャに「自分が思うままにしていいんだよ」と態度や言葉で
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

コロンブスの卵のように、後からなら、いくらでも言える。後に続くだけならリスクもない。

ランキングとか数値化された何らかのデータとかに、とかくビジネスは振り回されがち。だけれど、数字が示す根拠よりも本
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.3

20代の頃、とてもジャズが好きで、背伸びしてジャズクラブに聞きに行ってた。場末っぽいのも、インディーズっぽいのも、開放的なフェスも、コットンクラブやブルーノートも。

どんな音楽もライブならではの迫力
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はちどり(2018年製作の映画)

4.0

「憧れ」が、どれだけ人の心を励まし、強さをもたらすか。
そして、その憧れの人は、好きになる異性とか「推し」とはちょっと違う。
そんな憧れの人がいたから、人生のつらい時期やサイテーな環境でも自分を見捨て
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.0

マーク・ウェブなので、もっと「ぐっとくる」感じを勝手に期待してしまった。
ジョゼフ・ゴードン・レヴィットは声がいいので、カッコ悪い場面でもあまりそうみえない。それが彼の魅力だけど、もっと「トホホ」な感
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

2.8

物語としては正直あまり入り込めなかったのだけど、役者がみな巧いので、それぞれに設定されたキャラクターをきっちりと演じきる様を見る点においては、とても楽しめた。
グレッグ・キニアとスティーブ・カレル、巧
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.9

人生の悲喜こもごも。何にとり憑かれ、何を愛し、何を大切に思うのか。
結局、死ぬまでの人生を全うするというのは、これらに尽きると思う。

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)

3.6

あってはならないことだけど、まったく起こらないとも言えない、という絶妙なリアリティのある物語で、ホラーよりもぞっとした。

非倫理的なことを行う側のロジックが最後に語られるメッセージが怖すぎる。偽善的
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アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)

3.3

終わり方がよかった。『燃ゆる女の肖像』もそうだったけど、どう結着するかじゃないんだよね。だって人生は続いていくのだから。

ケイト・ウィンスレットって、年をとってからの演技というか、役(の選び方)がす
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.5

トーベのアトリエが本当に素敵。映画では、戦争で廃墟のようになったガランとした部屋を借りるところからはじまっていて、やがて彼女を構成するものや彼女が生み出したものたちで満たされた素敵なアトリエになってい>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

3.5

フランシス・マクドーマンドが、アンティークのお皿を大事にしていたり、白いコットンのネグリジェを着たりしてるのが可愛らしくて、とてもよかった。ちょっと晩年の森茉莉とも重なるような。
どんなにタフな人生を
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マイ・ビューティフル・デイズ(2016年製作の映画)

3.3

MY BEAUTIFUL DAYS っていう邦題が、ティーン時代を美化しにかかってる感じがして好きじゃない。そんな大袈裟な「美しい日々」とかじゃなく、もっとささやかで、たぶん大人になったら忘れてしま>>続きを読む

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

4.0

『マイマザー』から時を経て、ドランにとって普遍的テーマである母親の描き方や捉え方が変わったな、と感じた。
過去と現在、ふたりの母親をふたりの異なる女優が演じる。他の映画ではよくあることだけれど、ドラン
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

2.8

キャストが豪華な後半は、役者のうまさで面白く見られるけど、やっぱりこれなら原作読むわってなっちゃうなぁ。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

2.5

公開時かなり話題沸騰していて気になってたけど、残念ながら「思てたんとちがう」。
この作品の怖さは、グロいとかそういうビジュアルの怖さではないんだよね。
それをことばだけで描ききっている原作やっぱりすご
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メリー・ポピンズ リターンズ(2018年製作の映画)

3.7

やはりオリジナルに軍配が上がりますが、それでもオリジナルへのレスペクトが端から端までぎっしり詰めこまれていているのを感じるし、役者たちがみな誇りをもって演じているのが伝わってくる。
ベンウィショーのキ
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.7

なんというか、「あの時」の、後からふりかえってみればほんの一瞬のような一時期しか許されない「あの感じ」が、とても鮮度高く、なまなましく再現されていて、ちょっとすごいなと思った。監督のセンスと役者のうま>>続きを読む

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)

1.5

宇宙ものは好きです。働く母です。ときたら、これはしっくりくるはず!と期待しすぎたのかもしれないけど、いろいろビックリする内容だった。
これはベビーカー問題に通じるのでは(というか、こういう考え方がベビ
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空に住む(2020年製作の映画)

3.0

突然、とか、図らずも「降って湧いた」ような出来事は、いいことであれ悪いことであれ、なかなか自分のなかで腑に落ちないんだろうな…。
ふわふわと漂っているような、自分の身におきたのではないような感じを、つ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

いや、痺れました。はじまり方から(あんなにうまい「白」の使い方ってあります!?!?)、ぐんぐん緊張と感情を昂らせてからのあの終わり方まで、まさに徹頭徹尾、痺れっぱなしでした。
なんというカッコよさ、な
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ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)

3.0

5歳の娘と鑑賞。

映像といい楽曲といい演出といい、いやもうさすがディズニー!という完成度なんだけど、今を生きる子どもたちはこんなに小さな頃から多様性とか自分の生きる意味とか自己肯定とかを意識しないと
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.8

#82年生まれキムジヨン #82년생김지영
男性のなかだけじゃなく女性のなかにもある無意識的な #ジェンダーバイアス が、いちばん #ジェンダー平等 の実現を阻んでいるのではないかなと常々、思ってい
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

#ドライブマイカー #drivemycar
もう私の人生からはいなくなってしまった人たちの言葉を、いつまでも忘れらないことってある。
それがポジティブな言葉だったらいいんだけど、私の欠点をえぐるよう
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.2

「葉がどんどん落ちていってしまう」というフレーズと、ラストシーンが重なりあうように胸に押し寄せてきた。
きっと本当にそういう感じがするのだろうな。あんなにも豊かに生い茂り、風に心地よく揺れたり、木漏れ
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フェアウェル(2019年製作の映画)

3.8

オーシャンズ8やクレイジーリッチでは、ひとクセのあるキャラ強めの役だったオークワフィナが、アメリカにも中国にも拠り所のない「何者でもない、よるべない」存在感を自然に醸し出してして、すごくよかった。とて>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.0

現実のいろんな問題を緻密に練り込んでいるから現実味がとても強くて、ファンタジーとの境もなくなったかのような不思議な鑑賞体験。苦手なディテールもあったけれど、重要なテーマをふんだんに含んでいると感じたか>>続きを読む

8番目の男(2018年製作の映画)

3.5

ムン・ソリの演技があってこそ、この映画が成り立っていると思った。
抑制された静かな表情のなかに、とても小さく微妙な顔の動きで気持ちの揺らぎや変化を表現しているのが見事。

ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

2.0

うーん…私は、テレンス・マリックと相性がバツグンに悪いのだということが、よくわかりました。

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.5

冒頭が好き。音楽もいい。

ノスタルジックな甘さに少し戸惑う。ウェス・アンダーソンってことで、もっとジンジャーが利いてるような味を想像してたところに、思いきり甘い味がきた感じ。
甘さは控えめがよかった
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新世紀、パリ・オペラ座(2017年製作の映画)

3.3

やや散漫なまとまり方だけど、芸術のためにここまでするかっていう最高峰ならではのお金のかけ方と、中小企業と同じレベルで顧客獲得と収益バランスについて議論している様子を並行してみられるのは貴重な機会だし、>>続きを読む

4分間のピアニスト(2006年製作の映画)

3.0

ジャケットが印象的で、ずっと気になってた作品。
ラスト、お辞儀をしたときの彼女の目がゾクゾクするほどで、その瞬間だけ、それまでとはまったく別人に見えた。

物語…というよりも、ドイツ人にとってホロコー
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アスファルト(2015年製作の映画)

4.5

Behind all the dark, there is "Great Light"
すべての暗闇の裏には、すごい光がある。

この言葉にぜんぶが包まれる。
終わるのが惜しくて、もっとずっと観ていた
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.8

命に終わりがあるから怖いと感じるのは「死」で、終わりがあると知っているから安心できるのは「眠り」。
でも「朝になれば眠りから醒めると、どうして分かるの?」という問いに対して、「ただ、そう信じているから
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

4.5

役者としてのコリン・ファレルに罪はないんだけど(むしろよくがんばった)、男のこういうところが嫌なんだよね…を幕の内弁当的に詰めこんだ作品。

K・ダンストに対する、S・コッポラ監督の揺るぎない信頼がみ
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