金、女、貧富の差、、、キーワードから想像しうる範囲を、ここに描かれるものはちゃんと凌駕して、軽やかに裏切ってくれる。適切な温度のドラマティックを添えて。
適度なツッコミと、ささやかな可愛げ、ゆるいひねくれ、束の間の思いやり。全部、黒木華さんの表情に宿ってる。居もしない自分の姉ちゃんを夢想する。
万人受けもの。持つものと持たざるものの対比が、今の社会と世界を炙り出す。私たちは今、ぶら下がったお金目指して働いている。頑張れば頑張るほど増える気がして。
ネット民強し。数値化出来る指標や事実は彼等にまかせて、そこから見えてくる本質の理解はヒトに任せよう。
「やられる方に責任がある」未だに無くならないこの言説に。1人じゃ立ち向かえない。1人じゃ証明できない。
でもこの脆弱な1人が寄り集まって、この場に立たされている。
チェスはチームプレイ。
彼女を諦めた母親が憂いた彼女の行く末は、彼女自身の努力と魅了された人々の救いの手で多くと結びつく。
気付けば鑑賞者も彼女と一緒に、勝ち誇り、堕ちて、また高みを目指す。
今の若者がこんなにも狂おしく、1つのトピックについて揉める姿が、うらやまし。価値観崩壊。人生勉強し直し、やり直し。