Shinさんの映画レビュー・感想・評価

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関心領域(2023年製作の映画)

4.1

数限りなく作られてきたホロコースト映画にまだこんな新しい切り口があったのかと驚く1作。しかしアイデア頼りではなくしっかりと強靱な映画。
登場人物の顔のクローズアップのショットは少なく、彼らの感情に入り
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ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

2.8

冒頭で息子のメッセージが出てきた時点で嫌な予感が。ボブマーリーという語りがいのある人物のバイオピックがここまで薄味なものに終始するとは。ボブはあまりにヒーロー然として描かれすぎだし、演出には工夫がなく>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.8

シドニー・スウィーニーとグレン・パウエルのロマコメと聞いた瞬間嬉しくなってしまったのでこれはもうキャスティングの勝利。
しかも監督は「小悪魔はなぜモテる」「ステイフレンズ」等のジャンル風刺ロマコメの名
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

「悪、歴然と存在するじゃん」な序盤から、「いや、悪なんて存在しないよね」な中盤、そしてそのような問いを丸ごと霧の中に放り出すようなラストまで完璧。こ、ここで終われるのかーと惚れ惚れする幕切れだった。>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.2

山田太一の原作を本当に愛してるので期待と不安が入り混じっていたけど、アンドリューヘイとアンドリュースコット、ポールメスカル、ジェイミーベル、クレアフォイ、こう文字にするだけでも惚れ惚れするくらいパーフ>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

2.9

近年のコナン映画では珍しくまとまりが良く傑作だった前2作と比べると、内容詰め込みすぎ&展開複雑すぎで面白さを損なっている。
五稜郭舞台で土方歳三が絡んで、ってゴールデンカムイみたいだと思ったが、自治体
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

まだまだ十分に評価されていないように感じる作家ソフィア・コッポラ。
前作「オンザロック」はソフィアコッポラ史上最高傑作と思ったが、今作はこれまでの彼女の作品の刻印を色濃く残しながらもそれを円熟した手つ
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.2

もっと硬派な実録路線で撮るアプローチもあり得たと思うが、温かなホームドラマ・青春映画のような趣きで始まり淡々と悲劇が起こっていくという変わったテイストの作品になっていて面白い。
マインドハンターで大フ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

一見するとありがちな恋愛映画に見えるが、おそらくは監督の個人的な経験に根ざしているのであろうディテールの細やかさによって軽々と新鮮味を獲得している。
2人の再会シーンは静言葉少なでありながら万感の想い
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.8

結構期待していったけれど、前半はシンプルに面白くなくてメメント以来最悪の駄作かと覚悟した。無駄な時系列シャッフルはノーランの常套手段ではあるが、あまりに忙しなくメリハリに欠けるカットの切り替わりに退屈>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

1.6

そこまで期待してはいなかったけど、映画史に残るスペクタクルという前評判からある程度の見応えはあるものだと思っていたら良いところが本当になさすぎて頭を抱えた。
前作の方がストーリーがほぼ進まない分世界観
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.8

ミツバチのささやき、エルスールにあったような、少女の目を通した瑞々しさはないし、一見クールかつ贅肉を削ぎ落とした映画のように見えるが、実はそこで描かれる内容や想起される作品、浮かび上がってくる情感は豊>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

法廷もの好きなのでとても楽しかったんだけど、この作品が凄いのはそういった、法廷もの、ミステリ、倦怠夫婦もの、などそれぞれのジャンル映画的側面から楽しめる一方でどの枠にもはまらない強かさがあるところ。>>続きを読む

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.7

どうしてもファーストスラムダンクと比較してしまい映画としては分が悪いけれど、ハイキューファンとしてとっても楽しんだ!
やはり、主人公と対になる存在として研磨のようなキャラクターを配置することで生まれる
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

小品ではあるものの、赤毛のアンと同じように人生で何より大切なものを描いている
丁寧に綴られる日常の積み重ねが言葉より雄弁に感情を語る
良質な児童文学に出会ったような感慨に包まれた

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

良すぎて感想言いたくないやつだった
三宅唱はロメール、ドライヤー、ベルイマン並みに光の捉え方が驚異的
「緑の光線」や「冬の光」に匹敵するような奇跡の瞬間に何度も息を呑んだ

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ楽しい視覚的な冒険だった。
ヨルゴスランティモスは1作毎に「これは何なんだろう?」と引っかかりつつも常に気になってきた監督で、最高!と熱狂できないところが逆に心地いい。
何よりもエマストー
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.4

希望の見えない現代において人と人が本当の意味で心を通わせることの難しさと尊さ。
シナリオ上でやりたいことは分かるけど、いかんせんカウリスマキに映像作家としての魅力を感じたことが皆無なので今作も特に印象
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.9

フィンチャー作品としては明らかにマインドハンターの延長にあると思われる独特な時間感覚で進むスリラーで楽しい
だけどこれ作るんだったらマインドハンターのシーズン3作ってください!!

終わらない週末(2023年製作の映画)

4.1

面白かった
2023年のアメリカの空気をここまで絶妙に捉えた作品なかなかない気がする
ミスターロボットやホームカミングなどで培われたサム・エスメイルの他にない冷めた不穏さに満ちた演出が今作にも遺憾なく
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.5

クラピッシュだから面白いのは分かっていたけど予想以上に今の自分の気分にフィットした
最近のアメリカ映画には失望することが多かったけど、ハリウッド的な映画のルールとは全く別のところに存在しているこういっ
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.8

ものすごい絶賛評価を聞いて、そんなに??と思い観に行ったら、まあ普通に良作くらいの感じだった。アニメーションとしては絵柄が変わる幻想シーンが何箇所かあるけれどそれも取ってつけたような印象。
もちろん内
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

エメラルドフェネル の前作「プロミシングヤングウーマン」は何だかNetflixとかAmazonのドラマシリーズの延長のような感じがしていまいち乗れなかったけれど、今作はかなり楽しめた。
が、好きな作品
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.7

ブラッドリークーパーの初監督作「アリー スター誕生」はとても良かったけど、今作は宣伝の時点でいかにも賞レース狙いのモノクロ伝記映画といった雰囲気で観る前からあまり食指が動かなかった。
実際特に引っかか
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マーベルズ(2023年製作の映画)

2.9

ポリコレでつまらなくなったとか言ってる人は論外として、MCU全体のクオリティーの低下を実感する1作だった
演出面、ビジュアル面での見どころのなさ、やる気のない演技とギャグなどキツい要素しかない
最後の
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ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.9

ティーンムービー好き必見
かつてのティーン映画の愛すべきくだらなさが戻ってきたと感じると同時に、ただくだらないだけではいられない時代の空気も根底に流れている
ランタイムも丁度いい
こう言う映画こそ劇場
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

センシティブな題材だけどしっかり濃厚なスコセッシ映画になっていた
ディカプリオの演技はマジでオスカーに値する

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

普通に面白い
まるでハロウィンのマイケルマイヤーズのようなデンゼル

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.4

シリーズ最高傑作
最初に1作目を見た時はそのテイストに当惑したけど独自のスタイルを貫き続けた成果が結実している
キアヌは本当に偉大
イップマンシリーズの100倍輝いているドニーイェン、そしてリナサワヤ
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

リンクレイターファンとしてはようやく公開されたかという感じ
今回は職人モードのリンクレイターだけど、そう言う作品でもしっかり彼の作家性が出ているのが信頼できるところ

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

手堅い面白さという一言に尽きる
観るなら劇場でという感じ

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.2

ケネスブラナーには舞台はともかく映画を演出する才能はないことを再確認する映画
でも過去2作のポアロよりはしっかりオリジナリティーがある分マシだった
言われなければハロウィーンパーティーの映画化だと気づ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.4

クローネンバーグの映画には、マニアを生むような熱狂とはある程度距離を置く温度感が昔から漂っていたけれど、本作はそれが徹底している。
冷静に考えれば何のこっちゃという映画だけど、アステロイドシティ然り観
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.5

フレンチディスパッチと本作の直近2作が素晴らしすぎてウェスアンダーソンへの興味が再燃してる
ありえないくらい込み入った内容の映画なのにウェスアンダーソンというブランドだけでここまで観客を集められている
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