若い男性諸氏にはわかるまい、共有不可の傑作。
柔らかい光と風と、もっとも淫らで不道徳な物語。陽光の中にクレールの膝を発見してから雷雨のもとで彼女の膝を撫でるまでのうんざりするほどの長広舌。
スクリーン>>続きを読む
ロメール『レネットとミラベル 四つの冒険』角川シネマ有楽町。
ふたりが庭で食事するときに羽織っているカーディガンの鮮明な赤、口に含む夏野菜の滴るような緑、夜明け前の一瞬のあわいの青い時間、納屋を改造し>>続きを読む
またしても最後の居酒屋の場面でのカメラ、トラックイン、長谷川一夫のあらぬ方を見る目線で、引っかかった。あれはなに?
小川真由美の『悪女』最高だった。こういう映画をずっと観たかった!
渡辺祐介『悪女』ラピュタ阿佐ヶ谷。
ずぶ濡れのネグリジェ姿で梅宮辰夫に猟銃を構えるズーズー弁の家政婦・小川真由美のその場面だけでも>>続きを読む
エルマンノ・オルミ『就職』新文芸坐。
田舎から汽車で都会に出てきた少年は就職試験で可愛い少女と出会う。爽やかな恋愛映画のように見せかけながら、まったくそういう話ではないのが一筋縄ではいかず、会社はユー>>続きを読む
久しぶりに映画観て、息をのみ息がつまり啞然とした。深作欣二『脅迫 (おどし)』傑作!
アラン・ドロンの長い睫毛がウザいほど美しい。マリー・ラフォレのファッション・センスも最高できれい。クレマンの演出、アンリ・ドカの撮影、ため息が出るほど洒落たセンスの映画なことにあらためてビックリ。イタ>>続きを読む
こんなどうしようもない映画だったのか。見どころは美しいアラン・ドロンとモニカ・ヴィッティだけ。夏の映画なのに超低温。
山の池から子どもたちみんなが水路を引くクライマックスも感動的だが、その前の少女の靴を盗んだりする細かいエピソードの方がチクチクするくらい感動的。
清水宏『小原庄助さん』シネマヴェーラ渋谷。
度重なる美しい横移動が、ジャン・ルノアールのような緩やかなドラマを形作っていく。大きな旧家の話だけに、その効果は絶大だ。人がよくユーモラスに磊落していく大河>>続きを読む