田旗浩一さんの映画レビュー・感想・評価

田旗浩一

田旗浩一

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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

5.0

宝石。今年観た中で一番チャーミングで最高の青春映画。忘れられない場面だらけ。癇癪持ちの女社長モーリー、その部下で親友の可愛いチチ、独りよがりのモーリーの婚約者アキン、どの人物も見覚えがある。それは私の>>続きを読む

藤十郎の恋(1938年製作の映画)

3.5

人気凋落した花形役者が近松に新作を依頼する。長谷川一夫の芸道映画として興味深い。成瀬『鶴八鶴次郎』より数ヶ月早いのに驚く。出来上がった新作は「大経師昔暦」。おさんと茂兵衛の熱愛を我がものにするため、長>>続きを読む

金語楼の俺は殺し屋だ(1960年製作の映画)

2.2

香港から招聘された黒づくめのニヒルな殺し屋と退職金をすられたしがないサラリーマンの二役を演じる喜劇王・金語楼。これだけ杜撰な脚本を観られるレベルにする日活の力。芸名の柳家金語楼だけでなく、自分の顔まで>>続きを読む

若き日のリンカン(1939年製作の映画)

4.2

シネマヴェーラでジョン・フォード『アパッチ砦』と『若き日のリンカーン』。フォードの映画を観ることは、時にジョン・ウェインとヘンリー・フォンダのどちらが好きかの問いでもある。やはりフォンダがいいと呟く、>>続きを読む

アパッチ砦(1948年製作の映画)

4.0

シネマヴェーラでジョン・フォード『アパッチ砦』と『若き日のリンカーン』。
子どもの頃、西部劇が苦手でした。歳をとると、そうでもなくなる。
フォードの映画を観ることは、時にジョン・ウェインとヘンリー・フ
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太陽が知っている(1968年製作の映画)

2.6

AドロンとRシュナイダーがバカンスを過す夏の陽光眩い別荘にMロネといかにも私のように美しい娘ぶったJバーキンが訪れる。ドロンとロミーの間に亀裂が走る。やっと自分はバーキンが好きじゃないんだと納得。シャ>>続きを読む

白い巨塔(1966年製作の映画)

3.3

久しぶりの鑑賞。熱苦しさマックス。
国立大学病院の教授選挙と誤診裁判で浮かび上がるのは、地位や将来への野望に溺れる医学者達のなりふり構わぬ跳梁跋扈。画面に犇く名優、名脇役陣の重厚な人間ドラマな筈が、え
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地獄(2009年製作の映画)

-

膨大に残されたクルーゾーのRシュナイダーらのカメラテストや映画のための実験を含むフィルムを見ると、もしこの映画が完成されていたら凄いものが出来上がっていたんだろうなと思うのも束の間。後は果てしなく迷走>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

-

午前中にPCR検査を受けたあとに鑑賞。
翌日陽性反応連絡。

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.9

無人島でカルト教団の生存プログラムを実践する男二人に女一人。何の前情報もなしで観たのでタイムリーな内容にかなりたまげた。議長に副議長にオペレーター。交換可能なとりあえずの名前。面白い。雪崩れ込む怒涛の>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

4.8

舞台は砂漠の中の警察署。その留置場にぶち込まれた一人の男。1ミリの先も読めない展開の百連発に一瞬も目が離せないまま、ただただ興奮するアクション魂の溢れる大傑作!なんだこのやる気のない邦題は?ラロ・シフ>>続きを読む

サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

4.0

この頃のビージーズは大嫌い。こんなチャラいディスコ映画なんて観る気も起こらないと44年も経った。まさかアメリカンニューシネマ直系の切なさと苦さ混淆の青春映画の秀作だったとは。川と橋を挟む都会の街の青春>>続きを読む

四畳半物語 娼婦しの(1966年製作の映画)

5.0

6年ぶりの再見。上野の待合・立花。そこの女将木暮実千代と三田佳子と野川由美子の娼婦二人の物語が、甘く切なく儚く、時に図太く、全編わずか39カットの長廻しと分かち難く描かれるその様に改めて深く感動。女性>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.0

極上の紛い物映画。ブルース、ゴスペルに痺れて初めてステージに立ち女の子たちを鳥肌させるエルヴィス誕生の瞬間にこちらも危うく乗せられそうになる。パーカー大佐との確執が際立つ後半からこれは豪華絢爛なペラペ>>続きを読む

花を喰う蟲(1967年製作の映画)

4.0

これも再見。スタイリッシュな演出が際立つ。『残酷おんな情死』がこの映画の発展形だったとは。

七人の野獣 血の宣言(1967年製作の映画)

3.0

最後の山本陽子登場で、やっと以前観ていたことに気づく。

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.8

小銭すら入っていないゴミ箱に捨てられる安物の水色の財布のような惨めな人生なのだろうか。
ふと考える。
財布と逃避行の途中で買った白の花飾りが眩いヘアバンドと花のレースのワンピースとの対比が哀しいくらい
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GONIN2(1996年製作の映画)

4.6

わが偏愛の『GONIN2』は余貴美子、喜多嶋舞、夏川結衣が素晴らしくて涙する。

その場所に女ありて(1962年製作の映画)

4.0

まず、苦情をひと言。『その場所に女ありて』の司葉子さん上白石萌音さんのトークショー。いくら東宝の仕切りに問題を感じようと報道関係以外は写真撮影禁止されたはず。それを無視してトーク模様を投稿する方。映画>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.3

これだけ愉快に気持ち良く裏切られた青春映画は滅多にない。さまざまな映画にどこか似ていながらどの青春映画でもない。この二人が主人公?という疑問はすぐ解消される。くすぐりも楽しいが、何より70年代ノスタル>>続きを読む

江戸最後の日(1941年製作の映画)

3.0

勝海舟を演じる阪妻だけど、チャンバラもないけれど、顔芝居の阪妻は阪妻でしかなく、どこまでもダミ声べらんめー調のそこがすごいと言えばすごい。阪妻のモノマネを自分の芸にしたい。そんな欲望に駆られた。

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)

4.5

じつは「天使のはらわた」シリーズのなかで、いちばんすばらしい。
過激な表現も多いが、走るコートの泉じゅん、雨の中の泉じゅん、待ちぼうけの泉じゅん。赤いくちびる。最高です。

ラブホテル(1985年製作の映画)

4.9

十年ぶり。名場面の連続に胸が切なく締めつけられる。篠田昇の神業撮影。映画の帰り、新大久保の改札前で畳んだ札束を拾う。ネコババせずに改札の駅員に届ける。体調悪く、家までタクシーで帰る。

魔性の香り(1985年製作の映画)

3.3

むかしからの疑問。真理ちゃんって、どこがいいの?

むかしの歌(1939年製作の映画)

5.0

再見ながら、すべての構図、すべての人物配置、石田民三の傑作以上に映画芸術の傑作として深く感動。

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