田旗浩一さんの映画レビュー・感想・評価

田旗浩一

田旗浩一

夢は夜ひらく(1967年製作の映画)

3.8

昼は図書館司書、夜はクラブ歌手の園まりには先頃死んだやくざの兄がいた。兄の形見を持って近寄る高橋英樹の色香!ホテルニューグランドを舞台に横浜ムードたっぷりの歌謡映画の花が咲く。他に布施明に奥村チヨ。園>>続きを読む

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)

3.0

『東京物語』で始まり『東京物語』で終わるヴィム東京滞在記。
神話の領域として小津に生涯を捧げたように思われる笠智衆に厚田雄春。
けれども我々はすでに渋谷実における最高の笠智衆、流麗な移動撮影をする厚田
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仲間たち(1964年製作の映画)

3.9

トラック運転手・浜田光夫とバスの車掌・松原智恵子のコンビが新鮮でいい。そら見たことことかの、労働過剰の浜田を誰か止めることはできなかったものか。寮の窓外にコンビナートの灯がともる横尾嘉良のセット美術が>>続きを読む

裸の太陽(1958年製作の映画)

4.6

列車の釜焚き・江原真二郎と女工の丘さとみの初々しい恋愛が、一瞬の夏の閃きのようにすばらしい。
何度もリフレインされる岩谷時子作詞、芥川也寸志作曲の♪カマ焚け カマ焚く カマ焚こう♪「罐焚きのマーチ」が
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黒い雪(1965年製作の映画)

1.5

『黒い雪』基地の横の村田知栄子が経営する娼館。「アメリカのおかげで生活できてんだ」と叫ぶ村田に仕える娼婦に内田高子、松井康子とお膳立ては充分。息子花ノ本寿の米兵殺害とドル強盗。スキャンダラスだが映画は>>続きを読む

淫獣の宿(1973年製作の映画)

5.0

脱獄犯三人が逃げ込んだ郊外の家はとんでもない淫乱の館だった。
ブニュエルを彷彿とさせるお前ら何やってんだ?の連続に唖然。穂口雄右の音楽も最高!

女教師は二度犯される(1983年製作の映画)

5.0

雨のテニスコートを逃げる志水季里子を捉える撮影が最高。

母娘監禁 牝〈めす〉(1987年製作の映画)

4.8

海辺のテトラポットの上で危いバランスを取りながら空に翔けようとする女高生三人の場面から胸が締めつけられる。屋上から落下する女友達を受け止めようする前川麻子に、もう泣く。
後半は母・吉川遊土の一人舞台。
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警視庁物語 一〇八号車(1959年製作の映画)

3.6

ラジオ強盗事件と巡査射殺事件を結ぶ一台のトラック。事件の暗く貧しい背景を描くことなく、いつも以上に地道な調査と聞き込みの連続。奥さんに頭が上がらない前歯のないテレビ脚本家・浜田寅彦、悪役になる前の巡査>>続きを読む

大いなる驀進(1960年製作の映画)

3.8

国鉄全面協力!『大いなる旅路』で本物の列車を脱線転覆させ、今回は長崎に向かう急行を台風直撃、崖崩れ。給仕・中村賀津雄と佐久間良子の結婚問題を縦軸に、車内には殺人犯、自殺未遂者、スリ、血清を運ぶ看護婦、>>続きを読む

深夜の告白(1949年製作の映画)

3.6

失踪し死んだと思われていた飛行機会社社長・小澤栄が別人として生きていた。
冒頭のクジラ横丁の長廻しがもう中川信夫!
広がる波紋。
小澤をはじめとする俳優座の面々の演技合戦が、伊福部音楽と相まって重厚さ
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下郎の首(1955年製作の映画)

4.5

十数年ぶり。前半の田崎潤、三井弘次のコミカルな展開がやがて惨い悲劇に繋がる。瑳峨三智子は美しさの絶頂。

王将一代(1955年製作の映画)

4.0

前半こそ『王将』のセルフリメイクだが、後半は弟子の中山昭二、沼田曜一との交流に話が進む。そしてあの信じられない最後!

恐山の女(1965年製作の映画)

4.0

貧しさ故に廓に売られた吉村実子、その健気さ。吉村を水揚げした殿山泰司は腹上死。その息子で彼女に惚れる寺田農は戦死、悪霊憑きの女と評判になる。殿山の長男・川崎敬三がその噂を覆すべく吉村に近づくが情交の果>>続きを読む

或る夜ふたたび(1956年製作の映画)

3.7

夫・佐野周二の失業、代わりに住み込みで働きに出た妻・乙羽信子の失踪が暗い世相の下で描かれる。佐野がもっともヒリヒリするのはいつも優しく隣にいた妻の身の上や現実をじつは何も知らなかったということ。ウクレ>>続きを読む

アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.6

最高!画家の贋作から端を発する殺し屋で額縁づくりの男とその依頼人・アメリカ人の苦い友情。当たり前のように登場するニコラス・レイ、サミュエル・フラー、ダニエル・シュミット、ユスターシュら監督陣の心憎い配>>続きを読む

女と味噌汁(1968年製作の映画)

4.0

女将山岡久乃と妹分長山藍子は東芝日曜劇場と同じ設定。大好きだった結城美栄子が出ていないのが、ちょっと寂しい。
けれども、川崎敬三、佐藤慶、田中邦衛と三人の男が、池内淳子につくウソの話で、そこがそれに騙
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バックが大好き(1981年製作の映画)

3.8

『バックが大好き!』『ベッド・パートナー』の撮影は水野尾信正。『ベッド〜』は製作に半沢浩と六本木にあったにっかつロマンポルノ。ぴあにいたとき、にっかつから帰った邦画担当の岩田さんが叫んだ。相米の『翔ん>>続きを読む

ベッド・パートナー(1988年製作の映画)

3.6

80年代バブルを象徴するようにクック・ニック&チャッキーの打ち込みカバー「可愛いひとよ」が印象的に使われていて、これは山瀬まみのものだろうか。

のけぞる女(1980年製作の映画)

4.5

落石で崖を転がり落ちる護送車。そこから逃走する殺人犯・風間舞子。演出や役者の本気度が、もう半端ではない。ギラギラした白眼で食べ物と男を漁る舞子の野獣のごとき獰猛な逃亡劇を見よ!藤圭子の歌や寂れた成人映>>続きを読む

性愛占星術 SEX味くらべ(1978年製作の映画)

3.0

曽根中生『性愛占星術 SEX味くらべ』撮影を間近に控えシナリオの出来上がらない脚本家と監督とプロデューサー(山下洵一郎!)が温泉に脚本を練りに出かける。ほんとロクでもない(笑)グダグダ旅。でもコミカル>>続きを読む

新道 後篇良太の巻(1936年製作の映画)

4.0

本当に観られてよかった。宗方子爵家の女たち川崎弘子、田中絹代と名門工藤家の兄弟佐野周二、上原謙そして画家佐分利信の絢爛たるメロドラマ。『挽歌』『わが愛』『猟銃』の原点がここにある!

新道 前篇朱実の巻(1936年製作の映画)

4.0

本当に観られてよかった。
宗方子爵家の女たち川崎弘子、田中絹代と名門工藤家の兄弟佐野周二、上原謙そして画家佐分利信の絢爛たるメロドラマ。
『挽歌』『わが愛』『猟銃』の原点がここにある!

わかれ雲(1951年製作の映画)

2.5

あんまり面白くなかったなあ。主人公の女優がダメだと、こんなに映画楽しめないんだ

女教師 汚れた噂(1979年製作の映画)

4.2

女教師宮井えりなの孤独な心の彷徨。体を売ったつもりもないのに男から貰った3万円で若い男を買う。彼女に憧れる少年はガールフレンドが体を売り手に入れた3万円でえりなを買おうとする。行き来する3万円の不確か>>続きを読む

天使のはらわた 赤い教室(1979年製作の映画)

4.0

自分がもっとも多数回観ているロマンポルノ。
それほど傑作なのは今さら言うまでもない。
今回これは胸が張り裂けるほど切ない日活ロマンポルノ版メロドラマ「君の名は」だということに改めて気がつきました。

蜜のしたたり(1973年製作の映画)

3.8

流離いの映画作家・加藤彰の極上の品格と洗練。
撮影に安藤庄平、音楽に池野成!

少女暴行事件 赤い靴(1983年製作の映画)

3.8

深夜の東京を流離う少女二人の他愛もない会話とそれを捉えるカメラがいい。最後の最後でやっと映画の題名を思い出す。

怒涛一万浬(1966年製作の映画)

4.0

驚いた!延縄マグロ船の漁撈長に就任した三船敏郞の奮闘。
ロケと撮影所の撮影を見事に交差し違和感なしの編集!

喜劇 各駅停車(1965年製作の映画)

3.8

瀬川昌治のような喜劇かと思ったら、まったく違った。森繁の機関士人生。じんわり沁みる。

秀子の車掌さん(1941年製作の映画)

4.0

車掌デコちゃんがせっかく覚えた名所旧跡ガイドなのに、ああ無情の結末。さすがは、やるせなきお。

サーキットの狼(1977年製作の映画)

3.5

意外と面白かった。車の主役ロータスって単体ではわからないけど、ポルシェとか他の車と並ぶとホント車高が低いんですよ。
BMWターボをベンベターボと呼んだ時代。

雲がちぎれる時(1961年製作の映画)

3.8

久しぶりの再見。有馬稲子が子どもの墓を作りに故郷・土佐に戻ってきたときから、映画に陰鬱な気配が濃厚に漂う。
そして、昔彼女を愛したバス運転手・佐田啓二は死に取り憑かれる。

ダークな五所平映画の系譜。

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