新文芸坐で『アンナ』『気狂いピエロ』。
『アンナ』が未見だったので、遅ればせながらアンナ・カリーナ追悼。
ひと目惚れの女性は灯台下暗し、自分の職場の彩色係に。映画は三流少女マンガのような出来だけど60>>続きを読む
市川崑『青春怪談』神保町シアター。
先日観た新東宝版と否が応でも比べてしまうので少し疲れた。轟夕起子も山村聰も両方の意味で重い。高峰三枝子と上原謙の品と色気のある軽やかな笑いが忘れ難い。新東宝版の安西>>続きを読む
松山善三『その人は 昔』ラピュタ阿佐ヶ谷。
面食らった。『シェルブールの雨傘』に感化された松山善三は大いなる野心とポエジーな魂で全編書き下ろしの音楽の、北海道から出てきた恋人たちが都会の荒波に曝される>>続きを読む
実録路線には珍しく白のタイトル、クレジット。やはり小澤栄太郎が出るだけで様になる。
降旗康男『藏』新文芸坐。
舞台になる新潟の古い蔵元、田乃内家の厳格でありながら人の細やかな鼓動や淫靡を感じさせる旧家の佇まいを表現する西岡善信の美術と森田富士郎の撮影の見事。若い芸妓を嫁にすると言った>>続きを読む
舛田利雄『天国の大罪』新文芸坐。
松方弘樹とその部下・吉永小百合の不倫セックス場面からもうアウト。それでできたこどもを救い吉永と夫婦関係になるのが麻薬団のボス、オマー・シャリフはいいにしても媚びへつら>>続きを読む
角川シネマ有楽町で『牯嶺街少年殺人事件』。これはすごい、すばらしい。暗闇を照らす懐中電灯映画。フレームの外から聞こえて来て、やがて画面を埋めていく音空間演出も抜群。初めてのエドワード・ヤン体験かと思っ>>続きを読む
どうしても映画が見たい欲求に耐えきれずラピュタ阿佐ヶ谷のレイトで『0課の女 赤い手錠』を。浅草名画座で観て以来。ヒドい話だけど、赤のロングコートとツンとした横顔の杉本美樹がクールで最高。紙屑が舞い上が>>続きを読む
さすがに新東宝から賢人への滑らかな移行ができず、招待券や溜まったポイントの消化活動。ラピュタのモーニングで鰐淵晴子の快活なキラキラが眩しい『母と娘』(テーマ音楽、『今年の恋』と同じじゃない?)と神保町>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷で、いかにも新東宝らしさがうれしい曲谷守平監督作を二本。『海女の化物屋敷』沼田曜一の毒々しい悪役ぶりとその殺され方、そして万里昌代の煽情的海女さん姿がすばらしい。『蛇精の淫』「白蛇伝>>続きを読む
中川信夫『女吸血鬼』@シネマヴェーラ渋谷。
婚約者・池内淳子の誕生パーティに社用ハイヤーを駆って急ぐ新聞記者・和田桂之助。その時車は長い髪の女を轢いた?「いけない轢いちゃいました」と運転手が言う冒頭か>>続きを読む
シネマヴェーラで土居通芳『地平線がぎらぎらっ』と中川信夫『女吸血鬼』。『地平線〜』泡沫の新東宝に浮かぶ宝石。ありそうで誰も見たことない脱獄劇と逃走劇。全員無駄死のラストには明るい空虚すら漂う。『女吸血>>続きを読む
ナ・ホンジン『哭声/コクソン』シネマート新宿。
芳太郎に伊藤俊也、ポランスキーにフリードキンと古今東西のありとあらゆる悪霊映画にオカルト宗教映画にゾンビ物、それに難病映画と父娘物をヘヴィ級の味でカクテ>>続きを読む
キム・ソンス『アシュラ』新宿武蔵野館。
利権を欲しいままにする悪徳市長とそれを何とか挙げようとする検事側。その板挟みになる主人公の犬刑事。市長・ファン・ジョンミンの造詣がずば抜けて狂っていて、この映画>>続きを読む
瑞穂春海『すれすれ』神保町シアター。
蕩尽を果たした父親の唯一の遺産のアメ車を武器にハンカチ・タクシーをはじめ、女をたらしこむことに血道をあげる川口浩、相手役は珍しい共演の弓恵子。春海の大映第一作にし>>続きを読む
J=L・ゴダール『はなればなれに』アップリンク。
長年未見だった映画をやっと。何というノイジーな映画。わざとガヤにノイズを足しているのだろう。アルチュールとフランツはアンナ・カリーナに二度タバコを勧め>>続きを読む
中川信夫『若様侍捕物帖 呪いの人形師』シネマヴェーラ。
乱歩調の怪奇趣味の推理ものを娯楽時代劇に置き換えてみせる技はさすがの中川信夫。ザワザワと胸騒ぎする冒頭から、香川京子の吹替歌謡とあれあり、これあ>>続きを読む
パク・チャヌク『お嬢さん』新宿東宝。
シャラ臭く気取った前作より100倍は面白かった。神代の『女地獄 森は濡れた』を今に甦えらせるのなら、これしかないと思わせるほどエロ描写と屋敷描写に徹底しているのが>>続きを読む
阿部豊『日本敗れず』シネマヴェーラ。
「日本のいちばん長い日」と比べるなと言われても無理からぬ話。ギラギラした「長い日」と比べたらクールな演出。クーデター将校たちが細川俊夫、丹波哲郎、沼田曜一、宇津>>続きを読む
『花つみ日記』を観終わり、そのままユーロスペースに直行、万田邦敏監督『シンクロナイザー』。
「あんたのおかげで、もとのからだに戻れたよ。ありがとう」かあちゃん、それ、もとのからだに戻りすぎだろ!笑った>>続きを読む
石田民三『花つみ日記』ラピュタ阿佐ヶ谷。
おそらく名画座で最多鑑賞している映画。何度観てもすばらしい、どの画面からも神がかった香気が溢れている。今回はこの映画でデビューした女優・加藤治子さんを探すため>>続きを読む
朝いちからシネマヴェーラ渋谷で三本。千葉泰樹『女の鬪い』ハリウッド巨匠然とした演出に舌を巻く傑作。Filmarksに登録がないのがなんとも残念。
吉村公三郎『若い人たち』KYな乙羽信子に最初は苛立つが>>続きを読む