ryofutaさんの映画レビュー・感想・評価

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機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「足なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ」

戦争と独裁という構造が産む不毛な戦いを批判的に描く。ザビ家が優勢思想者ギレンの暴走によって滅ぶ悲劇だった。学徒出陣の動きの悪さに苦しめられるキ
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機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

3.3

カイやシャアを始めキャラクター達が人間味に溢れていて、単なるロボットアニメにはない魅力になっていた。
ニュータイプという設定や、ファシズム的なテーマが濃くなってくる。

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「二度もぶった。まだ父さんにもぶたれたことないのに」の後のブライトの台詞「それが甘ったれだ。殴られもせず一人前になった奴がどこにいるものか」など名シーン多数。アムロが子供っぽさがあって、ブライトやシャ>>続きを読む

四月物語(1998年製作の映画)

3.6

大学の自己紹介の自分をすごく見せようとする感じ、いじる感じ、ちやほやされる人が決まる感じがリアルだったし、いつの間にか松たか子に感情移入してファンになってしまう映画。田辺誠一の爽やかさも良い。90年代>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

演技することについて。花は演技を辞めたところでリアルに、アリスを演技を通じて自己を確立していく。宮本にはアリスが演技してたこととか父を重ねられていたことはまだ見えていないんだろうな。アリスは今で言うヤ>>続きを読む

ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「車でタイムスリップするのバックトゥーザフューチャーだな」と思っていたら、何度もタイムスリップしまくっていてその一回あたりの気軽さに「軽快すぎないか?」と思うも、そこにこそ何度変えようとも変わらない一>>続きを読む

猟奇的な彼女(2001年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

中盤まで見るのがしんどかったが最後の展開で捲られた。キョヌが失敗するベタなシーンはややしつこくノイズなんだけど、後半はそれも含めて魅力になっていた。UFOが写っていたり、5つ子のおじさんが出ていたり、>>続きを読む

機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

3.6

独立したかったジオン公国がどこまで世界を善くすることができるが見届けたい。
帝国的支配と植民地、アースノイドとスペースノイドというガンダムの対立構造が、ものすごく戦後思想とリンクしているということを知
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

4.4

感性的でエモーショナルな演出で防御力を下げて来たところに会心の一撃を入れてくるタイプの映画で、見たあとしばらくは「岩井俊二やばい」としか言えなかった。

まだ自分と他人が分かれておらず、繋がっているか
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悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

3.5

俳優、シナリオ、演出どれも渋くてかっこいい。
特に、2回あるジープのコメディーシーンのゆるさが良かった。緩急の付け方。

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.4

1977年にこの世界観を産み出したと思うとすごい。デザインと音楽がよすぎる。
一方、ストーリーは極めてシンプルで演出はやや冗長。だが、その余白に色々惹きつけられる。
子どもの時はルークに感情移入をして
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

おもしろいかつまらないかで言うと後者だが、刺さった映画。
「タンゴ・ハッスルは知っているか?」
「プエルトリコ人をいじめているだけだ」
エンタメ系かと思いきや70年代アメリカの不況、ベトナム戦争以後、
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ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

・風刺系かと思ったら愛がテーマの映画だった
・水色の背景の中のキスシーンはすばらしい
全体的に光と音楽の使い方が美しく好き
・ドラマの尺で見てみたいようなポテンシャルを感じた
・感情が抑制されるとい
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星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

イメージボードの表現の凄さに感嘆。神の船や神の使いのデザインがすごい。こうした表現ができるからこそ、君の名はやすずめの戸締りのような映画を作ったのかと腑に落ちた。
他方で、これを子供も見るアニメ映画と
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ちょうどスマホが普及する直前の2006年に公開された映画だが、現実と夢(インターネットと類似と言及される)が混ざり合ってしまうテロリズムとの対決を批判的に描いている。悪夢に取り憑かれ狂って行く人間を、>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.6

この世界が頭に入ってるアニメーターってやっぱすごい。
一人で挑戦した一回目の盗みは失敗し、ゴエモンとジゲンがいた二回目で成功しているのも監督のメッセージがあり良い。

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.0

消費社会から逃れるように新興宗教のように殴り合いクラブが広まっていく様。ミニマリストのオルタナ。ヘレナボナムカーターが良かった。

ゆれる(2006年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

・面会のシーン
めちゃくちゃよかった。人間が向かい合っているときの、一触即発感。お互いに核心に触れられると深く傷つくような場面。二人が本音で話し合って変化したシーンだと思う。
このシーンが見られただけ
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

・フェイクモキュメンタリーが好きな人や70年代のニューエイジ感が好きな人には刺さる映画。
・生放送のオカルトショーで徐々におかしくなっていく展開はサスペンスのお手本のようで素晴らしい。冒頭の5秒カウン
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プロメア(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

・洞窟のシーン
ガロ「火を出すのやめられないのか?そしたら普通に生きれるのに」
リオ「おまえ馬鹿だな」
・ラストシーン
ガロ(災害を思わせるような崩壊した街を見ながら)「この街はこっからだ。働くぞ!」
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

・シンプルに面白い。
・ジークフリートがヒルダ姫救いに行くというドイツの神話をなぞるように、黒人のジャンゴが黒人の妻を救いに行く話。マクベス?
・早撃ちのガンマンがバトルするだけ。隠したピストルを撃つ
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あんのこと(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

・司法やマスコミが白黒付けることは確かに正義だが、それによって生活が救われるとは限らない。多田羅のような良くも悪くも社会的にはグレーの存在が救いうる生活もあるんだろうな。多田羅の「タバコくらい吸っとけ>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

・ゴジラを調査したい科学者vs早く倒したい政治家vs何が何でも報道したいテレビvs最強の兵器を開発したけど使いたくない科学者の態度の違いが面白い
・エンタメだけど明確に水爆実験批判を盛り込んでいるとい
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自由の暴力 デジタルリマスター版(1974年製作の映画)

2.9

冒頭の流暢なドイツ語に趣があった。
ゲイ、貧しい、好きになった側というマイノリティ属性満載の主人公が搾取されていく。マルクス主義的で悲観的なタッチだが「幸せとは、今の会話が楽しいかどうか」みたいな台詞
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

結局映画って美男美女、銃、良い音楽なんだと思う。この手の映画でタランティーノの右に出る人はいないんじゃないか。

ルックバック(2024年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ライダーキックをするところにフィクションの良さが詰まっていてカタルシスがあった。もっと藤野が悪役を倒すところを見たかった。
子供の頃の周りの心配風のチクチク言葉のウザさがリアルすぎた。
山形の風景の色
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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

祟り神の呪いという死に至るニヒリズムをひたすらはねのけるアシタカの物語だった。モロもアシタカ同様呪いを背負った存在だが、ニヒリズムに取り憑かれていたためシシ神には救われなかった。モロは飛び下りたら楽に>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

4.2

険悪なムードになったとしても、「さっきは悪かったな。ついカッとなっちゃってよ」みたいにサラッとフォローできる人っていいなと思うような人情み溢れた映画。かと思えば、「さっきは悪かったな」と言ってから殴り>>続きを読む

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

人災について。ガバガバな経営陣を恐竜が破壊する話だと感じた。

島に着くシーン、ブラキオサウルスが立ち上がるシーンに圧倒される。ブラキオサウルスの振動と音楽がリンクしているのが良い。恐竜の研究者が生き
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

会話に圧倒的なリアルさがあった。はわさび、説明会、ドライブのシーンで、監督の凄さを見せつけられた。
上流の汚れは必ず下流に行く。高橋は社会的には下流にいる未婚のおそらく40代である。
諏訪の山の人々と
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

作戦が成功した日、オッペンハイマーが演説するシーンの背景のゆらぎ、そこから裂けて出てきそうなものを描くのがせいぜい今のアメリカ映画の限界である。日本のことは描かない(描けない)。ただ、そこまで描いたこ>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.6

この映画が大手劇場で上映されなかったことが悔やまれる。

1923年当時の日本を描いているが、現代日本の村八分、官僚機構、空気を読む価値観など集団を重んじるがゆえの行動原理を痛烈に批判し得ていた。
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