SPNminacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 55ページ目

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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

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傲慢で無慈悲な官僚主義や排斥主義にウンザリし、よくもそんな拷問思いつくなという残酷描写にドン引きする162分。強固な階級社会の縮図、どっぷりとぬかるんだ沼の深さにも更に暗惨たる思いが。そして今もどこか>>続きを読む

エル・クラン(2015年製作の映画)

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主人公はマラドーナ似だけど、フットボールでなくラグビー代表ということで、確かに“one for all, all for one”なお話だった…最後の突破からトライもすごい。家族のスクラム=暗黒ファミ>>続きを読む

ディア・ホワイト・ピープル(2014年製作の映画)

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ウェス・アンダーソン風なルックに始まり、ジョン・ヒューズ学園映画を横切って、アルトマン的群像劇のカオスとリチャード・リンクレイターの香りを漂わせつつ、でも今ならではのエッジィなテーマを扱った、なんてク>>続きを読む

皆さま、ごきげんよう(2015年製作の映画)

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初イオセリアーニだけど、とぼけた老人力みたいな予告編の喜劇イメージは早々に裏切られる。中世から大戦下〜現在まで脈々と続く略奪・強奪の歴史。クロスワードパズルの縦横升目を埋めるように連なるエピソードと、>>続きを読む

寄生体X(2012年製作の映画)

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バンドデシネ原作をアイドル主演でしょっぱく実写映画化したバイオレントSFスリラーのフランス版…みたいな。但し、グロやクリーチャーにだけは力入ってて、監督がカーペンター先生大好きなことだけはよくわかった>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

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全編iPhoneで撮影…ということで、確かに機動力を駆使した臨場感、LAの生々しい空気感がよく伝わる。勿論編集されてるけど、昼から深夜までノンストップな感覚。登場人物はちっとも美化されてないし、会話は>>続きを読む

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

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前作『ジェラシー』に引き続き、若干マンブルコア風味のこの軽さが好き。夫婦がお互いに浮気しても妻だけを責め、男はこういうもんだからいいのだと勝手な理屈で自己正当化する夫。浮気相手の女は都合良く利用される>>続きを読む

クライム・ヒート(2014年製作の映画)

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バーの傍ら裏仕事をするトム・ハーディとジェームズ・ガンドルフィーニ。やがて血腥い事件に巻き込まれ…と、典型的ノワール小説の味わいだが、終盤まさかの展開にやられた。悪いガンドルフィーニ、小悪党マティアス>>続きを読む

ソムニア 悪夢の少年(2016年製作の映画)

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息子を亡くした夫妻に引き取られた孤児=怪しい秘密を持つ悪魔の子?…かと思わせて、実はそんなホラーじゃない。見る夢が現実になる少年、亡き息子を取り戻そうとする義母、そして夢の中に潜むモンスター。『サイレ>>続きを読む

ザ・ギフト(2015年製作の映画)

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いつのまにか画面の奥で地味に映り込んでるジョエル・エジャートンの姿がいい。自分で監督してるだけあって、野暮ったいルックスが絶妙に活かされてる。彼の面倒臭さは早々にわかるのだが、さすがにそれだけでは済ま>>続きを読む

5時から7時の恋人カンケイ(2014年製作の映画)

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年上人妻のフランス女性と5時から7時まで限定の不倫関係…とはいえ、堂々と家族公認の愛人として不倫ものクリシェを悉く裏切っていく展開がユニークだ。煙草を介した出会い、洒落た会話、洒落た音楽、雨で滲んだN>>続きを読む

SPY/スパイ(2015年製作の映画)

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花形イケメンヒーロー、裏方に甘んじてるけど本当はデキる地味ヒロイン、高慢ちきなクインビー、バカのタフガイ、はみ出し者仲間の親友…って、まるでジョン・ヒューズの学園映画か。キュンとするだろ。逞しくもいじ>>続きを読む

母が教えてくれたこと(2016年製作の映画)

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余命僅かな母親を世話するため実家で過ごす数ヶ月。ビターな笑いを交えて、淡々と描く家族の距離感、不安と恐れ、渇望する愛情、母と息子の別れと旅立ち。中途半端なモヤモヤを抱えたゲイを演じるジェシー・プレモン>>続きを読む

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

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2つのヒーロー映画を合体させた詰め込み感、単調なダークトーン。正義とは何ぞや?とか大上段に構えるものの、「そういうテーマですから」って企画書に書いてあるようなもので、結局みんな何に悩んでるのかようわか>>続きを読む

ラストサマー(1997年製作の映画)

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鉤爪義手の男の都市伝説っていつからあるんだろう。そんなアメリカらしいトール・テールを基に、青春映画の夢と現実をまぶしたホラーとして割と良く出来てる。いや、みんな秘密のくせにどこでも大声で喋りまくりだけ>>続きを読む

断崖(1941年製作の映画)

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スピーディに展開するロマンティック・コメディでありつつ、疑惑のサスペンスというヒッチコックの美味しいところ取り。数々の伏線でミスディレクションしていく脚本、どう見ても胡散臭いが憎めない愛嬌を振りまく色>>続きを読む

トム・ソーヤーの盗賊団(2015年製作の映画)

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もしトム・ソーヤー&ハックルベリー・フィンが現代にいたら…かなり痛かった。前半はコメディとしてお宝強奪作戦がバカバカしく進むけれど、鈍臭い仲間含め、それほど笑えない。とはいえ、ベッキーやインジャン・ジ>>続きを読む

ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)

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何十年ぶりかに偶然再会した元カップルが過ごす1日は、永遠のように長くて甘くて痛々しい。ビールにジェリービーンズ、カセットテープ…昔のままの形で存在するすべてが凶器となってグサグサ刺さる。あくまでこれは>>続きを読む

パニック・イン・スタジアム(1976年製作の映画)

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様々な背景を持つ人々が大惨事に巻き込まれる、オールスター・パニック映画。スタジアムのセキュリティゆるすぎ!とか、ライフル犯を追うのが全米ライフル協会のチャールトン・ヘストンとか、今観ると苦笑しちゃうと>>続きを読む

ロック・ザ・カスバ!(2015年製作の映画)

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落ちぶれマネージャーの口八丁な「交渉術」(ちゃんと3回ある)が肝心なはずなので、そこを魅力的に見せてくれればまだ良かったが、殆ど説得力がない。おかげで、アフガニスタン少女のサクセスストーリー展開がかな>>続きを読む

チャック・ノリス vs 共産主義(2015年製作の映画)

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まずタイトルのインパクトがすごいけど、80年代チャウシェスク政権下のルーマニアで、海賊版ビデオ映画が人々の救いだった…というドキュメンタリー。禁じられた資本主義世界の映画をほぼ全部1人で翻訳し吹き替え>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

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冒頭で見せる二つの顔から地下鉄での追跡までが痺れる。雨降る夜の灯りが『エクソシスト』みたいだし、当時のフィルムを思わせる濡れたようにしっとりと陰影深い撮影が素晴らしい。そんな台詞のない場面はスピルバー>>続きを読む

クリープ(2014年製作の映画)

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自分の密着ドキュメントを依頼した謎の男と、それを撮る監督による、POV形式の2人芝居。見知らぬ相手と疑心暗鬼で過ごす一日、撮る側撮られる側、見る側見られる側が移り変わる危うさ。何たってマーク・デュプラ>>続きを読む

ザ・ワン・アイ・ラブ(2014年製作の映画)

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夫婦仲を修復しに訪れた別荘の別宅に…何故かそれぞれがもう一人いる!いわゆる設定ありきのSFでなく、普通に始まって気付くと本題に入ってる、という展開が好き。もう一人の夫と妻は本人と少しだけ違ってて、夫’>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

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マッチョ盲人ジジイVS強盗のバトルにおいて、最初から強盗側に感情移入させる作りなので、『暗くなるまで待って』的なサスペンスにはならず、ジジイというモンスターからのサヴァイバル劇に。狭い一軒家の中で盛り>>続きを読む

リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

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日本文学を愛する看護師リザが人生の伴侶を探し求めていると、何故か次々死体が増えていく。とにかくシュールでナンセンスなギャグに笑った笑った。背後霊トミー谷が最初っから大活躍だし、昭和歌謡、劇中の小説やキ>>続きを読む

恐怖のメロディ(1971年製作の映画)

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イーストウッド監督デビュウ作。まあ最初からモロにどMなイーストウッドである…ブレねえ。単純な女性ストーカーものサスペンスだし、演出に緊張感もなく、途中で挟まれる長いラブシーンとセッション・シーンはシュ>>続きを読む

サヨナラの代わりに(2014年製作の映画)

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『最強のふたり』ハリウッド女性版リメイク?ALSに冒された裕福な女性をヒラリー・スワンク、ハスッパな介護士をエイミー・ロッサム。キャラクターが説明的で、絆が生まれる過程に意外性がない。夫も中途半端な扱>>続きを読む

マイ・ベスト・フレンド(2015年製作の映画)

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良い話には泣き惜しみしないことにしてるので、もちろんボロ泣き。難病に女友達の長年の友情という定番でも、良く出来た脚本のおかげであざとくはない。トニ・コレットとドリュー・バリモアはそのイメージがそのまま>>続きを読む

白鯨との闘い(2015年製作の映画)

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作家メルヴィルが聞き書きする形で、元となった実話を辿る。白鯨は畏敬の象徴的モチーフであって、闘いがメインではなく、後半は殆どサヴァイバル。当時の鯨油の獲り方だけでもなかなか過酷だが、乗組員の人間模様や>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

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今観ると、ミセス・ロビンソン目線になってかなりつらい。ダスティン・ホフマンが持て余す若さでやっぱエレーン!!と突っ走った後、ふと我に返る残酷なエンディングは勿論素晴らしいのだが、彼を誘惑する美しきアン>>続きを読む

マスコット(2016年製作の映画)

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世界マスコット大会に集まった着ぐるみマスコットたちを追う、ドキュメンタリー風コメディ。ゆるーくシュールな光景が続くが、これが実は豪華キャストで、個性と悲哀あふれるマスコット人生に迫る。まあ一番の見もの>>続きを読む

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)

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長回しのロングショット、短いダイアローグ、だだっ広く何もない風景に子供2人。冒頭1分でもう「これは!」と鷲掴み。ルイ・マルmeetsスティーヴン・キングみたいな…。シンプルに説明なく笑いとスリルとサス>>続きを読む

胸騒ぎのシチリア(2015年製作の映画)

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『ミラノ、愛に生きる』で衝撃を受けたルカ・グァダニーノ監督。一見他愛ない四角関係と思いきや、やっぱり何もかも過剰で大仰で濃厚なオペラ!ボウイ風ティルダ・スウィントン、全裸でハイテンションなレイフ・ファ>>続きを読む

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)

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ジャンキー&ナードな彼氏が、実はジェイソン・ボーンでした。って、このツカミだけの一発ギャグみたいな映画だった。そこから組織と逃げつ追いつつの展開がまどろっこしく、結局何と戦ってるのかピンと来ないまま終>>続きを読む

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

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特捜部Qチーム結成、からの新メンバーを加えた第2作。事件はまた北欧らしいどんよりした悲劇で、相変わらず、いやますます主人公の使えなさが際立って、とにかくアサドさんご苦労様です!この2人の関係が一番の魅>>続きを読む