坂間傘さんの映画レビュー・感想・評価

坂間傘

坂間傘

辰巳(2023年製作の映画)

3.6

やさぐれ男と復讐に燃える女。あまり見かけない洋画風ノワール。
邦画の文脈に乗らなければならないという決まりはない。映画作りは自由だという事を再認識させてくれる。葵の役は森田想じゃないとできないですね!
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雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)

4.4

みんなが見たかったであろう自然な古川琴音がたっぷり詰まった見ごたえ作。5年前の撮影とのことで、実質長編初主演作。
はじめはファンタジー調で後半はシビアなヒューマンドラマになります。監督曰く、自分が撮ら
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

いやぁ~これはきついっすねぇ。感情移入マシマシ²です。話の行方はカラムが鏡に歯磨き粉を吐くところで気づきました。
泥パックのところで泣いた。2回目見たくない。

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.0

台湾のオリジナル版。前半の流れるような展開やリー・ペイユーの快活なコミカルさもあり、日本リメイクよりこちらのほうが全体に勢いがあり気持ち良かったかな。海の上を走るバスもいい感じ。
なんじゃこりゃという
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なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)

4.2

秋乃は高校時代から10年間の青春をイマジナリーなっちゃんと歩む。劇中同級生バンドとの友情と結びつきも強く、終盤のこれぞムーラボといった曲盛り上げはアガる。バンドの愛ちゃん(尾苗愛)がとても良い設定で素>>続きを読む

劇場版めんたいぴりり(2018年製作の映画)

4.2

情熱的すぎる辛子明太子創業者の自伝的人情劇。ドラマシリーズ同様に軽快な撮影で集中させる。雰囲気ある照明とセットは同じ昭和30年台を扱った有名作品よりも趣きがある。
このシリーズの美点はお笑い芸人のクセ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

綾野剛と齋藤潤をずっと見ていられる。八木美樹、後聖人をはじめ青春パートの描写がいい。
これは今年の「かわいい映画大賞」に決定です。

ほつれる(2023年製作の映画)

4.2

心をえぐるような嫌~な会話が楽しめる。いい人が出て来ない「わたし達はおとな」系譜の加藤拓也監督作品。田村健太郎の嫌~な口調がたまらない。あ、黒木華は良い友人でした。
空港デート(門脇・染谷ペア編)は純
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

4.2

人のどうしようもないところを煮詰めたような吹っ切れた作品。初見時には見た後味が悪くて吐きそうだったのですが、加藤拓也監督のドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」を見てから評価が一転し痛キモ感触に変わった>>続きを読む

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

4.0

森田想が出演しているので見ました。台詞は少ないものの、各務野に次ぐ待女リーダーの存在感を表出しました。花を生けるシーンが良かったです。

撮影、群衆、馬術、美術、衣裳、VFX、特殊メイク、劇伴、脇役の
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I AM JAM ピザの惑星危機一髪!(2022年製作の映画)

3.6

初めての活弁に感激。この日、新文芸坐には豊島区の小さい子も多数(赤ちゃんを含む!)来ていて、忘れられない映画体験になったのではないかと思う。
あの大雨のシーン、凄かったですね。あれこそ体当たり演技でし
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機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

5.0

ベストムービーです。
ビューティフルドリーマーと悩みましたが、より好きにしている感じがして好きです。

劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ(2023年製作の映画)

4.2

ドラマではえりぴよを軸としたが、映画では舞菜の視点を重点として、ギャグは抑えめの感動ものに。美結(あかせあかり)、玲奈(片田陽依)、三崎(吹越ともみ)たちサブキャラが主要人物の活動を見守るまなざしにも>>続きを読む

破戒(2022年製作の映画)

4.2

俳優陣、子役達もすごいし、わかりやすい運び、超安定した撮影、聞き取りやすいセリフ。こんなに丁寧な邦画は久しぶりに見たような気がする。
間宮祥太朗ファンでなくてもお勧めしたい良質作。
・良かったメモ
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マイ・バック・ページ(2011年製作の映画)

3.9

活動家たちに共感する記者と取材される過激派。ジャーナリズムと学生運動、体制と会社組織とモラトリアム。硬派な取材手記にロマンチックさも香らせる。
過激な暴力描写はほとんどないのは時流にのったものだろう。
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ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

4.7

両親が死んだ4人の中学生が火葬場で出会う。逃避行やバンドデビューと没落、大人の商業主義や汚ならしさを垣間見て、行き場(生き場)を探す...
ビビッドで素早い編集と音楽で青春映画を再構築した意欲作。「台
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キネマ純情(2016年製作の映画)

2.2

それぞれの呪縛を解くために演劇部員たちは人間愛をもって自主映画を完成させようと奮闘します。井口昇版:百合キスだらけのサマーフィルム。
本作もノーメイクスがフル回転だが、これも共感性羞恥のために映画作品
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ヌイグルマーZ(2013年製作の映画)

3.0

井口昇監督は常にバカバカしい事に本気で取り組み、人生の悲哀を強調する。アクションのレベルは高い。
しょこたんのヌンチャク、ゾンビの動き、血しぶき合成、クリアな音響も楽しい。武田梨奈と高木古都の活躍が光
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片腕マシンガール(2007年製作の映画)

3.0

彼女の左腕は如何にして機関銃となったのか。女子高生復讐劇アクション。
容赦ないスプラッターは流血や人体パーツがチャチなのでなんとか最後まで見れた。熱量高いB級エログロ。狭い廊下での手裏剣アクションが面
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デッド寿司(2012年製作の映画)

2.0

死んだイカが襲ってくる!?
井口昇監督作品の中でも究極のエロ・グロ・スプラッター・アクション。演者の武田梨奈や村田唯の頑張りは伝わってくるが、バカらしさが超弩級。あらすじが無いにも程がある。

ゴーストスクワッド(2017年製作の映画)

2.5

霊が見えるリカを触媒に、ゴースト少女たちが恨みをはらす、切なく哀しい人生賛歌的怪作。
ノーメイクス5人のノリが無ければ映画作品としては(共感性羞恥とともに)ギリギリの線。

電人ザボーガー(2010年製作の映画)

3.0

これは、、、面白い。
本気で作ったリブートナンセンスギャグ特撮。オリジナルへの敬意は強く、編集やSEもキレがある。本当にバカバカしくて楽しい。鷺巣詩郎さんはじめ「中の人」が作り直しているから熱量が高い
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おろかもの(2019年製作の映画)

4.1

洋子の兄は結婚間近なのに浮気をしている。浮気相手と接触するうちに人の愚かなところや自分の持っていないものに気づき...
他に類似作を見ないシスターフッドと人間愛の筋書き。ビシッとしたピントと笠松七海の
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東京無国籍少女(2015年製作の映画)

3.9

見ただけでは作品世界を理解できない難解な作品。ミリタリーの小道具や解けない謎は押井監督作品としては通常運転なのでスルー。
学園幻想バイオレンスとして女学生アクションの映像は10分間ほどだが、邦画史に載
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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

4.1

個人主義に警告を鳴らす四人兄妹の辛口ドラマ。映画的なエモさは薄いがリアルな現実描写にのどが渇いた。主演の森田想が利己的な次女に挑んで目が離せない中、それでも森田節が滲み出た「あんたもたいがいだけどね」>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.6

卒業を迎えた普通の高校生4人の悩み群像。「個」の悩みに焦点を当てる。学校は世界のすべてであるのでカメラは(ほぼ)外に出ない。主題歌も爽やかな作風に合っていた。原作エピソードの大胆な組み換え、設定付加が>>続きを読む

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