Shoseiさんの映画レビュー・感想・評価

Shosei

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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

4.2

 封切りの時に観て以来久しぶりに観ました。現実と脳内幻想が違和感なくミックスしている作品です。映像で見ている「現実世界」が実は幻想だった、という展開は、この作品の前後から流行り(?)になったような気が>>続きを読む

レディ・キラーズ(2004年製作の映画)

4.2

コーエン節が炸裂。カジノの金庫破りで集まった悪党たちが、みんな抜けていて憎めない。トム・ハンクスが強盗を主導する大学教授という役を実に楽しそうに演じています。善良だけど口やかましくて近所でうっとおしが>>続きを読む

ブラック校則(2019年製作の映画)

3.5

 人物:リベラルを表象するハーフの女子高生と校則ガチガチの保守的な高校。場所:抑圧からの解放を象徴するラップ調でセリフを繰り出すガイジンたちが働くスクラップ工場と高校。対立構図に目新しいものはありませ>>続きを読む

白夜のタンゴ(2013年製作の映画)

3.8

 あのアキ・カウリスマキが、タンゴはフィンランド生まれと息巻く冒頭にワクワクします。カウリスマキに反証すべく、フィンランドの地を踏むアルゼンチンタンゴミュージシャンのトリオ。アルゼンチン人にとっては、>>続きを読む

金メダル男(2016年製作の映画)

3.0

 子供の頃は誰だって無限の可能性に満ちています。親も、周囲も、ちょっとしたことで褒めてくれるので、主人公のように何でも金メダルが取れるような万能感に包まれます。エースで四番、勉強も一番、そんな感覚。そ>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.5

 とある工場から発生したウィルスが拡がり、罹患した人がゾンビ化し、次々と人を襲ってウィルスを拡散させる。ファンドマネージャーで家庭崩壊させた男が娘と一緒に元妻のいる釜山へ特急列車で向かう。しかし車中で>>続きを読む

FLU 運命の36時間(2013年製作の映画)

3.0

 今やコロナの影に隠れてしまっていますが、H5N1型の鳥インフルエンザウィルスは以前から怖れられています。本作はこのウィルスが香港から韓国に持ち込まれ、首都近郊の都市に局地的に蔓延し、国家全体が感染拡>>続きを読む

コンテイジョン(2011年製作の映画)

4.8

 何という既視感。デマ、買い占め、都市封鎖、ソーシャルディスタンス、政府の無策。もしも新型コロナが、もっと感染力が強くもっと致死率が高く、若年層もバタバタ死に至らせるウィルスだったなら、ここに描かれて>>続きを読む

アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)

3.8

 パンデミック後のディストピアを描いた作品として、最近観た「バイオハザード」同様にコロナ禍の今、観ておくべき警鐘の物語です。

 人為的なウィルスで人類の殆どが死に、ニューヨークでただ一人生き残ったネ
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バイオハザード(2002年製作の映画)

4.2

 ハイブの内部は、ウィルスに完全支配されたゾンビが跋扈し、そのウィルスを外部に絶対に漏らさぬようにプログラムされたAIが完全掌握するディストピア。

 ゾンビはウィルスの単なる具現体です。ハイブからの
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図書館戦争(2013年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 本の検閲や焚書が公然と行われる社会=トリュフォーの「華氏451」、教官と訓練生の恋=「スチュワーデス物語」、カンフーがらみのガンアクション=「男たちの挽歌」に代表される香港無国籍映画…を掛け合わせた>>続きを読む

ボン・ヴォヤージュ(2003年製作の映画)

4.2

まず、主人公のオジェが冤罪で捕まり、脱獄し、冒頭からラストまで追われている緊張感が貫かれています。加えて戦争という情勢の緊張、原爆の原料をナチスに奪われるのではという緊張、オジェ=ヴィヴィアンヌ=ボー>>続きを読む

天使のいる図書館(2017年製作の映画)

3.2

 本は人に感情を与える客体であって本そのものに感情はありません。図書館で読みたい本を探す。レファレンスサービスは、来館者に読みたい本を推薦する仕事ですが、パソコンで検索して出てくるものではなく、読みた>>続きを読む

あゝ野麦峠(1979年製作の映画)

4.0

 冒頭、舞踏会で優雅に舞うシルクのスカートの西洋女性たちの足と、山道を工場へ向かう工女たちの足のカットバックが、この長大な物語のテーマを要約しています。制作当時大ヒットはしましたが、ドラマとして考える>>続きを読む

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

4.0

「チャンス」のハル・アシュビー監督作品ですから、ただのロードムービーであるはずはありません。映画公開は1973年。当然作られたのはその前からですから、ときはアメリカがベトナム戦争の泥沼から抜け出せない>>続きを読む

新宿泥棒日記(1969年製作の映画)

3.4

本作を観て、ゴダールや寺山修司をわけもわからず観ていた頃を思い出しました。これは同時代の人が、この時代のリアルタイムで観ることでのみシンパシーを感じる作品なのではないでしょうか。この国がバブルに浮かれ>>続きを読む

ピーチガール(2017年製作の映画)

3.8

 冒頭、ただ一人日傘を差して全身日焼けガードをしたももが生徒の間を縫って走る登校シーンに、おっ、と目を惹かれました。秀逸なオープニングです。結ばれるであろうと誰もが予想する二人のすれ違いが、最後の最後>>続きを読む

ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017年製作の映画)

4.6

 児童養護施設を設立したものの思い半ばで夭折した女性が、かつて恋仲にあった雑貨店の店主に託して、施設と施設出身の子供達を世代を超えて救済してゆく話なのだと、見終わって初めて気づきました。三人組の一人が>>続きを読む

ホテル・ニューハンプシャー(1984年製作の映画)

4.5

最近原作を読んだので、三十年ぶり(?)くらいに観直しました。日本語訳で上下巻、原書ではペーパーバック420ページもの分量ですが、映画では主要なエピソードや登場人物をカットすることなく、非常に手際よくま>>続きを読む

ケス(1969年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

イギリス・ヨークシャーの田舎町。シングルマザーの母親、炭坑夫の兄と一緒に住む少年。学校に行く前に新聞配達をし、それでもお金が足りずに古本屋で本を盗んだりします。荒れた学校はとても勉強に打ち込む環境では>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.5

日本でもコンビニ店主やウーバーイーツなど「個人事業主」という働き方がかなり浸透してきました。実質は事業主という名の労働者が強大な企業に酷使される構図です。働けば働くだけ稼げる一方で、本作の主人公のよう>>続きを読む

少女ムシェット(1967年製作の映画)

4.0

遅刻して教室に入ってゆくムシェットのぶかぶかの木靴の音が、やけに気になりました。なるほど、この木靴が密猟者によるレイプにつながる重要なアイテムになっていましたね。さすがブレッソン。