主人公のナレーションに時折煩わしさを感じるが、決定的な好意を語らずに映画が進んでいくのが良い。むしろ最後にナレーションの中で「好きだ」的なことを言うのではなく、城の前で「こんな無駄話をリカコとしたかっ>>続きを読む
日本国内のキャンセルカルチャーの流れに呑まれかけていた、ノーラン印の原爆開発者オッペンハイマーの伝記映画。
観ている間、自分が普段感じているより想像以上に国民性みたいなものをいい意味でも悪い意味でも逆>>続きを読む
サム・メンデスの『007:スカイフォール』以降のスパイ映画の影響下にあるような優美な画面感覚が所々息づきながらも、ミッション・インポッシブルシリーズ特有の観客を敵諸共騙していくような演出、そしてトム・>>続きを読む
『君たちはどう生きるか』公開に備えて宮崎駿の作品を見直しているシリーズ。
あらゆる作家がそうであるように、処女作には後の作品にも描くことが宿命付けられているありとあらゆる要素が詰まっている。
宮崎駿>>続きを読む
描こうとしている物語のスケールも壮大すぎるが、中国最後の皇帝溥儀という歴史の事実ベースでしか語れなさそうな人物をあくまで映画という媒体の中で絶妙なバランスをもって描けていたのではないだろうか。
映像>>続きを読む
世界的ベストセラーミステリー作家が自らの書いた小説通りに人が殺されてって事件に巻き込まれていく話、と聞けばありきたりだけどフェチが爆発してるし、映像センスが相変わらず狂ってる。グロいとかおぞましいとか>>続きを読む
期待してた分、ニューロンバチバチに期待を切断された感じ。若かりし頃の広末涼子は綺麗だし、宮沢賢治やら、SF要素やらが入っておもしろそうな気もするのに、調理法が良くない。カレーを作るために買ってきた具材>>続きを読む
ジャパニーズカサヴェテス、という印象が強い。ドキュメンタリーパートはややなんとも言えないが基本の映像の構図自体は良い。
お互いがお互いかましあいになってるんじゃないのか?と思えてしまう瞬間があるのがや>>続きを読む
物語がサスペンス方向にドライブする訳ではなく、緩やかにノワールめいた方向に向かいながら主人公が抱えてる問題と罪の意識、果てはキリスト的なモチーフまで回収しつつ、作中で行われる録画、録音、編集という行為>>続きを読む
初恋を描いた作品としては要素として完璧に近いのでは?と思ったのだが、とは言えこの完璧さが逆に仇になりかねない気も。
映像がやや弛緩して見える気がするのと、尺としてこの長さを見せるにたる内容だったかとい>>続きを読む
意外な幕切れと、役者5人の存在感、長回しで穴を削り取る長回しが無骨で素晴らしい。期待値高すぎただけで、充分おもしろい作品だった。ただ、個人的に脱出モノは『アルカトラズからの脱出』の方が良かった。
構築され尽くされたモチーフと構図、物語の緻密さに痺れる。
女性への抑圧、オリエンタリズム、「あなたの愛は空疎な言葉だけだった」
閉塞的な愛の牢獄と不可能性というのが格子というイメージや熱帯雨林の小屋の>>続きを読む