エピクロスの庭さんの映画レビュー・感想・評価

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最終頁(2021年製作の映画)

3.9

山高きが故に貴からずという。映画も長ければいいというものでもないし、コストと作品の価値の間にもプロポーショナルな関係はない。

短編映画祭のような催しに出かけて瞠目すべき作品に出会ったことはなかったが
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ポネット(1996年製作の映画)

4.0

ふたつの意味で奇跡的な映画。

ひとつは誰でも気づくはず。8割が子どもたちの会話劇であるこの映画の、子どもたちの演技の自然さ。監督の手腕に舌を巻く。ヘタなドキュメンタリーよりドキュメンタリーのよう。
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凶悪(2013年製作の映画)

2.4

「犯罪映画ジャンルとしては2013年のナンバーワン」らしい。ノンフィクション本「凶悪 ある死刑囚の告発」に多少の変更と脚色を加えて映画化したもの。

家族が保険金殺人を依頼。警察は病死と処理したが雑誌
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散り行く花(1919年製作の映画)

4.3

副題は「黄色人種と少女」。「映画の父」グリフィスによる「サイレントの宝物」と言っていい作品。

映画史初期のこの作品は永遠の生命を持つ超のつく傑作。この映画を知らないと、すべての映画に対する見方が浅い
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ラ・ボエーム(2008年製作の映画)

4.0

何万円も払ってオペラを観に行くスノッブな趣味はない。オペラは総合芸術などと言われるが、芸術か娯楽かと問われれば娯楽だ。数時間の娯楽に数万円も払うのはクレージーだ。

かといって、某二期会のオペラばかり
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みんな生きている 飼い主のいない猫と暮らして(2014年製作の映画)

3.9

見終わったあと、なるほどと思った。こういうやり方なら素人でもドキュメンタリー映画を作ることができるような気がしたからだ。自分が調べたり勉強したりする過程をそのまま一本の映画にするならできそうだ。

娘
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スモーク(1995年製作の映画)

4.2

名作という表現はちょっと当たらないかもしれない。しかしこれは群を抜く秀作。見ないで死ぬな。いや、見てから死ね。

この映画はシネコンの大スクリーンよりもミニシアターが似合う。できればちょっと場末感のあ
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ホームレス理事長 退学球児再生計画(2013年製作の映画)

3.8

ドキュメンタリー映画は、対象となる興味深い人物を見つけることさえできれば、ほぼ成功。その点でこの人物=ホームレス理事長を見つけた時点で成功を約束されたといえる。

愛知県に「高校を中退した元球児たちに
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キートンの蒸気船/キートンの船長(1928年製作の映画)

4.0

1980年代後半、衛星放送が始まったばかりのころ、NHK-BS第2チャンネルの内容はすばらしく充実していた。まだ高価だったチューナーやアンテナを設置できる世帯を意識した番組構成だったせいだろう(これは>>続きを読む

南部軍 愛と幻想のパルチザン(1990年製作の映画)

4.2

朝鮮戦争における山岳パルチザンの悲劇的末路を描いたもの。類似の映画はまったくないと思われる。

戦争映画として傑出している。

この監督は「南宮洞1984」からもわかるとおり、歴史と事実に対してできる
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南営洞1985 国家暴力、22日間の記録(2012年製作の映画)

4.2

韓国映画界屈指の社会派映画監督チョン・ジョンの2012年作品。2011年に死去した国会議員キム・グンテの著書を映画化したもの。

クーデターと内戦で独裁者となった全斗煥の在任中(1980~88年)に民
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ブラインド(2011年製作の映画)

3.8

韓国の秀作サスペンス。日本ではまともに劇場公開されなかったという。

韓国のサスペンスものにグロいシーンはつきもの。それで避ける人は多いようだが、欧米のそれらとはちがい、表面的な恐怖よりも心理的なもの
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ミッドナイト・ガイズ(2012年製作の映画)

3.6


原題はスタンド・アップ・ガイズ。立て男たちとでも訳すのだろうか。70代の名優3人の競演が印象深く、結末はわからないというのに妙なカタルシスのある良作だった。

長い刑期を終えて出所した73歳のアル・
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コーヒーをめぐる冒険(2012年製作の映画)

3.5

原題はOh Boy。日本語タイトルは珍しく秀逸。

90分にも満たない短めの作品。しかし「ドイツ映画界に救世主があらわれた」と監督は絶賛されたらしい。

大学を中退してブラブラしている若者ニコの24時
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野菊の墓(1981年製作の映画)

1.7

アイドルタレントを使って金儲け映画を作る。起用された監督は「何をなすべきか」。

スクリーンの大画面でのアイドル見たさに映画館に来る空虚な内面しか持ち合わせない人々に、メロドラマやナラティブを超えた「
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

3.2

【2008年4月8日記す】

連合赤軍<事件>を題材にした映画のほとんどは観る価値のない駄作でしかありえないと思うので観たことはないし、これからも観る必要はないと思っている。

あさま山荘で行われた銃
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火垂るの墓(1988年製作の映画)

4.6

黒木和雄監督の「tomorrow 明日」では、原爆投下直前の日々の暮らしが描かれる。無辜の人々が一瞬に消される、その残酷さを詩のように描く。

しかし疑問が残る。子どもは別として、ほんとうに「無辜の人
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陸に上った軍艦(2007年製作の映画)

4.0

日経「私の履歴書」の中で最も面白かった執筆者のひとりは映画監督・新藤兼人の回想。

新藤監督の2007年のこのドキュドラマは32歳で招集され、二等水兵として訓練を受けた体験を再現したもの。監督自身の証
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歓びを歌にのせて(2004年製作の映画)

3.6

「バベットの晩餐会」におけるフランス料理、「ショコラ」におけるチョコレートのような役割を、音楽が果たしている。そんな映画。

こういう映画がいまだに作られるということは、北ヨーロッパは依然としてプロテ
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.0

8分間のシーンは朝の祈りのように繰り返し見る価値がある。物理メディアを所有すべき1本かもしれない。

思考停止の民主主義こそが全体主義の母であると喝破したアーレント。

この映画では、やはりというべき
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あまくない砂糖の話(2015年製作の映画)

4.0

全人類必見のドキュメンタリー 。

砂糖の入った食品は農薬や放射能に汚染された食品同様に危険だということがわかる。

砂糖には麻薬のような中毒性がある。それら以上に危険かもしれない。

ザ・コール [緊急通報指令室](2013年製作の映画)

3.5

ラストが痛快なアメリカのサスペンス映画。犯人がただ捕まるのではなく被害者にある意味で最も残酷な方法で復讐される。

もしカップルで見にいくなら、こうした知的で陽気な復讐に共感できない相手とは別れた方が
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複製された男(2013年製作の映画)

3.0

ラストの意味がまったくわからなかった。

2013年のカナダ映画。ドニ・ヴィルヌーヴという監督は、人間の裏面というか歪んだ心理に興味のある人のようだが、こちらにはあまり関心がないのが、意味不明な理由の
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愛の予感(2007年製作の映画)

3.2

ミニマルミュージックという音楽のジャンルがある。同じ音型を何度も繰り返すうち、少しずつ変化していきあるとき突然風景が変わる、そんな音楽である。

この映画はそのミニマルミュージックに似ている。冒頭とラ
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スタンリーのお弁当箱(2011年製作の映画)

3.8

アクションもミュージカルもないインド映画、しかも素人の子どもたちを集めて作られたという。96分という短かさもさることながら、従来のインド映画とはかなり感触の異なる抒情的な小品だった。

抒情的とはいっ
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HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)

4.8

物理メディアを所有すべき一本。

ワンカットで撮られたと思われる長い議論のシーンは映画史に残る。緊張感と密度。味方の中に潜在する敵(思想と方法のすべてにおいて)をあぶり出すボビー・サンズの言葉は数千年
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祖谷物語 -おくのひと-(2013年製作の映画)

3.7

話は単純。事故でクルマから放り出された幼女を老人が拾って育てる。幼女は成長し高校生に。都会から来た男が住みつき農業を始めるが、うまくいかない。

タイトルと冒頭のシーンから、現代人の農村回帰を描く映画
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グーグーだって猫である(2008年製作の映画)

1.6

駄作というだけでは済まない。こういう映画が映画を、映画を取り巻く環境を含めてダメにする。

主役だけでなく、重要な役の全員が全く無名の、しかし演技力のある人たちでキャスティングされたらどうだったか想像
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ジャマイカ 楽園の真実(2001年製作の映画)

3.3

BBCのドキュメンタリーをもう少し自由にしたような作り。

とはいえ、IMFや世界銀行、そのバックにいるアメリカが悪でジャマイカはその経済植民地にされている、という「世界観」を補強し説明するだけの映画
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

4.3

映画館のスクリーンで見るのとそうでないのとでは決定的に印象が異なる典型的な1本。

いくつか留保がつくが名作。特に、湯気とともに両親が消えていくシーンの哀切さは例がない。

このシーンで号泣しなければ
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第三の男(1949年製作の映画)

3.8

「映画的教養」のために見ておくべき一作と思われる。

フィルム・ノワールなのに奇妙に明るい音楽が続く対位法的な映画作りとか、ショットやアングルの美しさ斬新さについては多く語られてきた。単なるサスペンス
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おばあちゃんの家(2002年製作の映画)

4.0

もしアジア文化圏の良さを異文化圏の人々に伝えたいと考えたとき、この映画以上の素材があるだろうか。

もしあるならぜひ教えてほしい。

イランで大人気だった「おしん」は、貧しさに耐え家族に尽くす女性のド
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僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

4.0

反戦映画の秀作。

原題「イワンの子ども時代」から想像できるように、徹頭徹尾、母や妹を殺され、敵への復讐に燃えるイワン少年の視点から描かれている。

映画を見る場合、必ずしも登場人物の誰かに思い入れす
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橋(1959年製作の映画)

3.0

この映画を封切(1959年=昭和34年)で見た人は、「東京」の豊かさに圧倒されたのではないだろうか。現時点から見れば人にも街にも「戦後」が残っているが、人も街も豊かでカラフルで美男美女ばかりと思って憧>>続きを読む

母の身終い(2012年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

安楽死という現代的テーマに母と息子の確執という、もうひとつのテーマを絡ませている。

出来心から麻薬の運搬に手を出して服役した男が出所してくる。フランス映画では常連のヴァンサン・ランドン扮するこの中年
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