グレートマウンテン

映画 ○月○日、区長になる女。のグレートマウンテンのレビュー・感想・評価

4.6
わずか187票差で杉並区長に当選した岸本聡子に密着したドキュメンタリー。

立候補を要請されるまでの経緯、杉並の市民運動の厚みと歴史を思い起こさせる選挙を支えた人たち、とりわけ選対本部長の内田聖子氏と事務局長の東本久子氏の存在の大きさが印象的。

岸本氏の葛藤や選挙ならではのゴタゴタも映像として定着され、プロパガンダ映画とは全く異なる喚起力のある作品になっている。

組織選挙とは全く異なる、素人による選挙の実際を知ることもできる。ユニークなデモを敢行した市民運動との連携など、超党派の「首長選」の理想的なパターンを見る思い。

「全日本貧乏学生総連合」「素人の乱」の松本哉も登場。

杉並から始まったミュニシパリズム(地域自治主義)の流れ、NGO経験が豊富な岸本区長が繰り出すであろう「当事者民主主義」「直接民主主義」的な政策の数々からは目が離せない。