5lothさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

5loth

5loth

映画(1157)
ドラマ(20)
アニメ(0)

エリジウム(2013年製作の映画)

3.0

SFにはある種の洗練を求めたい。その上でもって新しい思想や概念を打ち出せるのではないかと。でも、ニール・ブロムカンプはそんなことしない。SFにスラム地区を放り込んで、新しいものを見せた上でなお、人間の>>続きを読む

そして父になる(2013年製作の映画)

3.0

劇中では何度か話に出てくるも、実際に上げられることのない凧のことを思う。それは良多が自分でも気付いていないような感情の一つなんじゃないだろうか。父性みたいなもの。代わりに、ラストカットでカメラはゆっく>>続きを読む

午前3時の無法地帯(2013年製作の映画)

3.0

いい仕事論だった。原作もそうなんだけど。キャラの変人さにぐずぐずな山下節が仮託されていてよかった。ビルで働いている人たちがわらわら出てきて、やんややんやいうとこ最高。

ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

3.0

内向的な男の子が、奔放な感じの女の子を好きになってしまうあの性質なんなんだろうか、くそう。いや世界の広がりを教えてくれる云々は分かってるけど、それでもっていう。

しかも思い通りに出来ると思ってるのな
>>続きを読む

陽だまりの彼女(2013年製作の映画)

3.3

よかった。これでもかというくらいに上野樹里を正面から捉えるショットが何度も。その視線の先にいる松潤と、彼から彼女へ返る視線、2人を見つめる過去からの視線、2人の見つめる未来への視線。それらが雄弁に映画>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

3.5

おもしろかった。なんかもうすごいことになってた。続きを描く、更新するではなく、書き換えるという選択。誰も傷つかずに、誰もが救われる方法。祈りと願いと嘆きと悲しみと。僕たちはどうしたら救われるのか。

映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?(2010年製作の映画)

3.0

松本理恵の初監督作と聞いて。演出的なトピックはいくつもあるんだけど、散漫な感じする。見上げる、飛び降りる、飛び上がる、振り下ろすとかの運動に込められたのは親子関係と束縛か。だから男爵の方が最後空から落>>続きを読む

ステキな金縛り(2010年製作の映画)

2.0

見えないものを見るっていう映画的なテーマを持ってるのに、そこに対して映像的な工夫がほとんどないってのがなんかなー、と思って見た。

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.0

すんごいおしゃれ映画だった。幼いシャルロット・ゲンズブールの不機嫌な顔が最高だ。好きな感じだった。

キャリー(1976年製作の映画)

3.0

今更デパルマ版を見るなど。辛い。絶望に至る過程の演出と、イマジネーションのバランスが秀逸だと思いました。

劇場版 とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟(2012年製作の映画)

2.5

シリーズを見ていないからなのかな。アニメスタイルが褒めてたと思って見てみたけど1mmものれなかった。この世界のリアリティをどこに求めたらいいのかまったく分からなくて、全てが上滑りしてるようにしか見えな>>続きを読む

One Night,One Love ワンナイト、ワンラブ(2011年製作の映画)

3.0

夜が明けていくのと親密さ増していくのが混じっていく空気やっぱり好きだ。フェスは観客のものなのか、アーティストのものなのか。物語を持っていく場所なのか、生まれる場所なのか。そんなことに揺れながら見ていた>>続きを読む

つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語(2012年製作の映画)

2.5

何をやろうとしてるのか分からない。誰もがこんな行動原理で動いてるなんて思わないでほしい。じとっとした性の話ばかりで薄気味悪いと思ってしまった。それも人間という話?

県庁おもてなし課(2013年製作の映画)

2.5

何もはじまらないまま終わった…。そこ絶対エンディングじゃないでしょう。演出が大仰なこと以外は嫌いじゃなかったんだけど…。

ラストスタンド(2013年製作の映画)

3.0

シュワルツネッガーの復帰作が、韓国人監督キム・ジウンなのおもしろいな。シュワルツネッガーを過度に持ち上げもせず、貶めもせず、一線を退いた実力者の奮起という等身大(?)な描き方をしてることに好感を持ちま>>続きを読む

夢と狂気の王国(2013年製作の映画)

3.0

スタジオジブリの作品にではなく、スタジオジブリそのものの中に見ようとしているものは、若者から見たこの国の付き合い方なんじゃないだろうか。頑固で変わり者のおじいさんたちの付き合い方と、彼らの歴史とスタジ>>続きを読む

悪の法則(2013年製作の映画)

3.0

文学的すぎて、映画的なカタルシスに薄いと思ってしまった、個人的には。豪華キャストがどう絡み合うのかという関係性に期待して見ていたら、肝は個人の行動と決断にあって、その行き着く果てを描く映画だったみたい>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.0

すばらしかった。もはや完全にクラシック!少なくともこの先50年は世界中で見続けられることになるアニメーションなんじゃないだろうか。どうやったらこんなものが作れるのか。どうかしてる。

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)

3.5

ああ可笑しかった。好物だった。季節が進むごとに行動が外に向かっているようで何も変わっていなかったりするけど。どのシーンの頭と後ろにも随分余白を残していて、でもそこには何にも描かれてはいなくて、その無駄>>続きを読む

セレステ∞ジェシー(2012年製作の映画)

3.0

女性の方が未練タラタラって描き方が興味深い。男女関係に、他人→友達→恋人→夫婦って段階があるとして、そのベクトルを逆に進めるにはものすごくエネルギーがいるんだな、それに常にその段階を揺れ動いていて簡単>>続きを読む

キャプテン・フィリップス(2013年製作の映画)

3.0

なんだか辛い話だった。空港に向かう途中、トム・ハンクスが妻に話す「現代の競争社会は厳しい」みたいなことがキーになっている気がして。競争にすらのっかれない海賊たちへのアメリカの容赦のなさよ。

海賊たち
>>続きを読む

ジンクス!!!(2013年製作の映画)

3.3

よかった。熊澤さんのベタになること、気恥ずかしくなることを恐れずに直球で演出する勇気を毎度すごいと思う。それでも魔法はかかるんだもん。韓国での思い出と僕たちの中にもある共通の映画の思い出を複層的に描い>>続きを読む

あしたの私のつくり方(2007年製作の映画)

3.0

市川準はやっぱり独特な映画を撮る人だったんだなー。ほんの数分の会話がずっと引っかかるの覚えがある。遠くにいる鏡のような誰かのこと。メールはその子に送っているようで、宛てもなく中に投げてるようでもあって>>続きを読む

ばしゃ馬さんとビッグマウス(2013年製作の映画)

3.0

最後の方のモンタージュはよかった。あの感情も会話も覚えがあるけど、もうちょっとキラキラしてなかったっけ?こんなに暗かったっけ?劇中で物語を扱っていることが、こんなに映画を彩らないものを初めて見た。夢を>>続きを読む

ウォールフラワー(2012年製作の映画)

3.0

青春映画だった。煌めくばかりでなく、胸をギュッと鷲掴みにされる方の。僕らの方の。やさしさゆえにためらい、戸惑う季節の青春映画だった。よかった。

ブリングリング(2013年製作の映画)

3.0

ソフィアの映画に不穏さの表現があるのが意外な感じがした。マークがレベッカを見つめる視線が好き。

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.0

営みの中に悠久の時を感じさせる詩としての語り口がデヴィッド・ロウリーのシグネチャー。ありふれた英雄譚も静謐で美しい映像になる。

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.0

人物を中央に置き、円を感じさせるような画角が印象的。愛を口にしながら男が女性に求めているもののおぞましさ。

フライト(2012年製作の映画)

3.0

英雄的である人物も清濁合わせ持つとも取れるし、ダメ人間が故に英雄のようになってしまうとも。その両方の方向性を持ち合わせるのが人間というかなんというか。目立つのはダメっぷりの方であるが。最後の調査会での>>続きを読む

マジック・マイク(2012年製作の映画)

3.0

よかった。ソダーバーグの映画を見た時に感じる乾いているという感覚。それが狂騒の中から覚めていくというストーリーとマッチングしていてよかった。今までで一番分かりやすかったかもしれない。いい意味で。ソダー>>続きを読む

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

3.3

そうだ、ハーモニー・コリンは訳分かんないんだった。危ない内容なのに詩情あふれてるのも。モノローグやイメージカットばかりなのに心情が伝わって映画的なのも。帰っていく者と残る者が単なる春休みを超えて、生き>>続きを読む

麦子さんと(2013年製作の映画)

3.0

兄妹の口が悪くて本当のことを言わないのも、母親の美しさのピークを地元のアイドルだった時から、母親であった時にある台詞で更新したのも、ラストにすれ違った親子の、子供のコートが赤で曲名を連想させたこともよ>>続きを読む

楽隊のうさぎ(2013年製作の映画)

3.0

ブラバン(オーケストラ)映画にこんなアプローチの仕方があったなんて驚いた。そしてとてもよかった。思うにそれは視線とノイズと境界ではないか。リアル中学生の姿勢の悪さとか、定まらない視線が何よりも心の揺ら>>続きを読む

MUD -マッド-(2012年製作の映画)

3.0

これはしみじみと本当にいい映画だったなー。少年の視点から見た大人たちの不可解さが、くっきりと語られていて。エリスが何に引きつけられているのかも分かる。でもそれが簡単なものじゃないってことも、それぞれの>>続きを読む

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

3.0

ジャームッシュの吸血鬼映画は退廃的で、やっぱりオルタナティブだった。芸術とテクノロジーが生んだ文化を吸血鬼が愛しているのはどこかで見た設定なきもするけど面白いな。

トムヒが嫌うゾンビ=人間の愚かさは
>>続きを読む

ホワイトハウス・ダウン(2013年製作の映画)

3.0

ダイ・ハードライクな映画はもう古臭い感じもするよなー、とは思いつつ脚本の流れにストレスはないし、エンタメ全部乗せみたいなのはやっぱり面白いって。チャニング・テイタムはすっかりスターだ。