スプーンさんの映画レビュー・感想・評価

スプーン

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(1985年製作の映画)

5.0

只者ならぬ映画。
数奇な運命と因果の応報。
カット、カメラ、セリフ、演技、音楽、衣装、すべてがパーフェクト。
人の世のあわれは世界共通。
「乱」以上の映画なんて存在するのだろうか。

(1974年製作の映画)

5.0

ストーリーの無い詩的哲学断章。
重々しく静謐な数々のモティーフは、時空時代を超え、我々に想像と思考を喚起させる。
エゴイスティックで汚れた存在である人間が、生まなければならないのは、清き聖なる幼子とし
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タッカー(1988年製作の映画)

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死にゆくアメリカン・ドリームにコッポラが叩きつけた警告と発奮。
非人間的な大企業に全てが牛耳られた現代人に本作はどう写るか。

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

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エルマンノ・オルミの「聖なる」継承者。

それ以上に何が言えよう。

主戦場(2018年製作の映画)

4.0

慰安婦問題から歴史修正主義者たちの嘘を暴く渾身のドキュメンタリー。
問われているのは全日本人の「人権意識」です。
次の戦争はもう始まっています。

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.0

香港ヌーベルヴァーグの旗手による色気漂う作品。
画(絵)の美しさ、色彩美の凝り具合は、一見の価値あり。
まとめも秀逸。

ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

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出来過ぎた感じもする、人情劇。
中国版ニューシネマパラダイス。
うーん。
「黄色い大地」リマスターしないの?

愛の嵐(1973年製作の映画)

4.0

戦争犯罪

デカダン

ナチス

異常心理

エロス

全人類の負が、ふたりに圧し掛かる

月はどっちに出ている(1993年製作の映画)

4.0

タクシー運転手を営む在日朝鮮人を主人公にすえた社会派コメディ。
人種差別、社会問題をブラックユーモアで包み、喜劇にしてしまう手法が圧倒的に素晴らしい。
無知な差別を放言し、挙句、乗り逃げを企んだサラリ
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寄宿舎 悲しみの天使(1965年製作の映画)

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組織と権力に寄って潰される小さき恋。

純粋であればあるほど、愛の困難は大きくなる。

否定と肯定(2016年製作の映画)

4.0

歴史否定論者との法廷裁判。実話。この劇中に政治家は出て来ないが、日本はここに「政治家とカルト宗教団体」が関わっている状態だと書けば、深刻さが伝わるだろうか?この映画「対岸の火事」では無いです。

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

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アルジェリアの独立運動を描いたドキュメンタリー調作品。
先の見えない「血で血を洗う」報復の応酬に人間の弱さを観る。
モリコーネが哀愁と憐みを誘う。
ロベルト・ロッセリーニの影響強し。

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

5.0

宿命の深淵を覗き込んだかのような映画。
すべての女性はファム・ファタールだ。
命を差し出す覚悟がないのなら、甘いまなざしを向けてはならない。

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版(1951年製作の映画)

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若き司祭の苦悩。この監督の作品はいつも話が捉まえられない。
日本ではべらぼうに評価が高く「禁欲的」と評されるブレッソン監督だが、
自分好みの美女を揃えて、撮影期間中女優をしつこくベッドへ誘う裏話を聞く
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雁の寺(1962年製作の映画)

-

墨絵の様なカットが余りに素晴らしいが、話は並。
それより仏教界の裏側が面白い。
権威を纏い、艶女に溺れ、弟子に綺麗事をのたまふ姿は、醜過ぎて憫笑が込み上げる。
宗教界の多くはこの様なものだと思った方が
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恐るべき子供たち 4Kレストア版(1950年製作の映画)

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結局の所、傑作なのか駄作なのか、わからない映画と言うのがある。
それらの共通点は、得てして、文学的要素が強く、映像がそれに負けている場合が多い。
僕は今作を「雨のしのび逢い」「去年マリエンバートで」の
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上海異人娼館/チャイナ・ドール(1981年製作の映画)

5.0

愛の束縛と解放を、
外国統治下の上海と重ね合わせ描かれた物語。
数々の変態行為がどこかうら寂しいのは、現実と愛が伴ってないからだろう。
その為、蹴り破ったドアから見えたのは全てを洗い流す「海」だったの
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黄金の馬車(1953年製作の映画)

4.9

メリメ原作の恋愛喜劇。三角関係ならぬ四角関係。
いつもながら、おおらかで素晴らしい恋模様。
男女の恋愛から抜け出て、人間愛までたどり着いている。
何気なく遊ぶ子供たちを、何気なく撮るルノワール。
格が
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

5.0

銀座の女たちの物語。
上質な脚本で魅せるオトナの映画。
いつもながらフィルムには「女のやりきれなさ」がべっとり。

いのちの子ども(2010年製作の映画)

-

2010年「いのちの子ども」シュロミー・エルダール監督
「敵味方を超えて一人の子どもの命を救う」がテーマの米・イスラエル合作ドキュメンタリー。
若干重みに欠けた部分があり、出来としては中途半端。
どち
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

中世フランスが舞台の「女性版モーリス」とも言える狂おしい物語。
心通じて愛し合うようになったふたりに訪れる喜びと葛藤、そして別れ。
身も心も打ち解けあえる関係性は人生で幾度も無い事を知らされる。
いつ
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スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)

5.0

『30日間マクドナルドを食べ続けたらどうなるか?』を監督自ら身体を張って体験したドキュメンタリー。
結果は言わずもがな。
米外食業界の裏側まで突っ込んでおり、社会問題を超えて、もはや政治問題。
やっぱ
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カビリアの夜(1957年製作の映画)

5.0

あまりに残酷で、最後は息が詰まるんですが、
マリアへの祈りは「通じた」と見ます。

誓いの休暇(1959年製作の映画)

4.0

戦時下の人間ドラマ。

カットが上手く、夫や息子を戦争に取られた家族の「顔」が雄弁です。

「戦争万歳!」などと叫ぶ無知な馬鹿野郎は一人も出て来ません。

ただ若干、脚色が弱く、音楽が出しゃばる部分も
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