「地獄の黙示録」の裏側をコッポラの妻が記録したドキュメンタリー。問題が山積し、狂気を撮るハズが狂気に飲み込まれていく撮影クルーたち。ひとり冷静な妻から、まとめ役がコッポラで無いのがわかる。成功の影に女>>続きを読む
戦前のモダンなドタバタラブコメディ。交わされる会話が粋で面白く、ファッションを始めとした当時の生活文化が見れるのも嬉しい。笑いは4コマ漫画的で上品。オチが洒脱な所に文化レベルの高さを見て取れる。
日本民族の暗く冷たい、隠れたエロティシズムを描いたエンタメ。発色を抑えたカメラによる官能美描写が艶やか。エロスと死が表裏一体なのも面白い。中村鴈治郎の視点の定まらない表情が変態過ぎる。
フィルムは切れ切れだが、日本映画創生期の高い志しは感じれる。女性の立ち回りが見事に尽きる。
人情チャンバラ劇。大部分のフィルムが欠損しているので話が切れ切れである。メイクは歌舞伎を手本とした感じ。
いつの世も変わらぬ男女の駆け引きと、社内人事のゴタゴタをモダンに描いた戦前のメロドラマ。女性の生き方と貞操感を問うた側面も。言葉遣い、和洋服、銀座の街並みが貴重。ワルの笠智衆が面白い。
劇場を舞台に巻き起こる恋模様から、青年と壮年の恋の違い、楽都・維納のたおやかさ、廃れない古典の息吹を描いた名作。恋路は歳相応が宜かろう。ヴェルナー・カリガリ・クラウスの鋭い眼光に魅入られる。
家庭が崩壊した最貧困の人々を描く。経済成長からは見えない日本人の本当の姿なのかも知れない。リアリスティックで逞しさも感じるが、希望が見えない閉塞感がずっと尾を引く。何かを突きつけられ続けた140分だっ>>続きを読む
乙女の切ない恋愛模様。心美しき三者が織りなす三角関係。恋愛は成就するかどうかより、愛に辿り着き、自身をどこまで高められたかが問われる。大正浪漫と相まった色艶やかな文化風俗も見処。
思春期少女の妄想と悩みを想像力豊かにアニメ化したシュルレアリスティクなカルトムービー。色々、心配になる。ディヴィッド・リンチの良きパートナーになれる気がした。
オシャレでスタイリッシュで上品だか、深みが無く、薄っぺらく浅い。大衆映画でありヨーロッパ映画の深みは無い。女優陣は全てが最高である。
蛤御門前夜の女だけの会話から侍のヒロイズムを否定し、庶民中心の現代的ヒューマニズムを大胆に持ち込んだ早過ぎた傑作。叙情的で美しくもあり、政治・歴史・反戦映画でもある。侍のみが歴史を作っていた訳では無い>>続きを読む
宿命と因果、血と闇が織りなす甘美なる破滅の物語たち。人生訓の部分が凡百のホラーとの差でしょう。
社会が女性を無言で追い詰めていく様を、延々と続く家事仕事と極度に簡素な演出で描いた息苦しく重苦しい映画。ベルギーで咲いたゴダールの遺伝子。22年史上最高の映画に選出。
仇討ちにまつわる娯楽時代劇。自身のセルフリメイク作(元は現存せず)。珍しい描写が多い。山田五十鈴の娘、嵯峨三智子が妖艶でいて真のある美しさで光っている。
シュルレアリスム映画。隠れた生まれ変わりの苦しみの記憶をカオティックなイメージで我々に提示して来る野心作。マルケスの原作や台詞にある「百年」は輪廻の目安の年月。百年後、あなたはどこにいますか?
西南戦争前夜の大阪を舞台にした人情噺。古風な台詞回しもさる事ながら作りもので無い和服女性たちの佇まいも見事。人生の悲哀感ずるカメラも素晴らしい。描かれた風情が本物の名画。
監督の波瀾万丈の半生を綴ったアニメ。力強くエネルギッシュ、タフでいながらユーモラス。革命・戦争、それに伴う社会変化の細やかな描写が秀逸。ダリューやドヌーヴを始めとする声優陣が豪華。
人種国籍の違うニ青年の冒険譚。おとぎばなし的だが異文化間の現代的な社会問題にも切り込んでいる。最後はフランスらしく愛の本質を見せてくれる。
軍馬を飼育する家族を描いた朝ドラ風ホームドラマ。舞台である岩手の風土が美しい。ただ戦時中につき締めは最悪。黒澤と高峰が恋の花を咲かせた映画でもある。
ドストエフスキー原作。若者の孤独と繋がり、別離をしっとりと描いた作品。比較的原作に忠実。全員無表情でカメラワークが淡白なのがブレッソンらしい。街頭の現代音楽が彩りを加えている。
浮ついた悪女の姿から軽佻浮薄な戦後社会を批判した作品。不穏な音楽、次々結ばれる関係、静かに見つめ続ける戦死した人々。映画の中で彼女に罰が下らないのは、罪人は殺すより生かした方が罰が重いから。観客も皆同>>続きを読む
残虐非道な忍者の世界。信長を悪役に彼等の実態に迫る。忍術と色事はそれなり。伊藤雄之助怪演。政治風刺的側面も存する。
不器用で憎めない車夫・松五郎の純な生き様。彼の人生を代弁した車輪はひたむきに回る。カメラ宮川一夫、脚本伊丹万作、主演阪東妻三郎、映画人として最高の仕事振り。後広島で被爆死する園井恵子の悲劇を含め映画史>>続きを読む
夫婦喧嘩映画。伊の歴史・文化・風土に触れ仲直りするまで。バーグマンがいつもオシャレ。ゴダール「勝手にしやがれ」のモトネタらしい。
レジスタンスによるクーデター事件。ヒーローが存在せず終始苦々しく重い。人斬りの葛藤や覚悟が描かれた珍しい時代劇。絵は異様なまでに美しい。
女性にまつわるあれやこれやを、全て見せた一大幻想絵巻。セットも展開も奇想天外。様々なタイプの女性が登場し皆活き活きしている。人間愛に基づき全女性の愛と背徳を讃えたフェリーニ の傑作。
和製ミュージカル時代劇!明るくモダン、ユーモラスで大らか。テンポも良く曲も歌も一級品。まとめも高潔。文句の付け所の無い日本映画の至宝的作品!
悪魔と寝た女の話。常軌を逸しており全編これ修羅場。ほんのり神学も香りますが、基本はゲテモノホラーカルトのB級映画。善と悪が表裏一体である話は面白いが、まとめは悪魔寄り。
様々なモチーフから情緒不安定女性の内面を探る1時間50分。愛に飢え、逃避願望を抱えた現代人の孤独。イタリア戦中派の傷痕がくっきりと見える。
社会派のアートアニメ。誇りと気骨、品位。志しの高さが素晴らしい。
家族愛の物語。独創的なシーンの連続に目が釘付け。他にはまったく類を見ない作品。幻想的なかくれんぼのシーンは切ない。ヴェネチアを唸らせた傑作。
三島文学の映画化。強靭で純粋故に死を選ぶ。死をストイックに肯定する事で逆説的に生を尊ぶ。葉隠を基盤にした三島美学はこの映画でも雄弁で俗人の理解を拒む孤高さと傲慢さが魅惑的に語り掛けて来る。市川雷蔵好演>>続きを読む