kensuzukiさんの映画レビュー・感想・評価

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プリシラ(2023年製作の映画)

3.0

【よかったところ】
・非常にSofia Coppolaらしい細かい演出が効いているなと感じた。わかりやすいところだとPriscillaが "何を着るのか" が象徴するもの(=似合わないといわれ一度は着
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.2

【よかったところ】
・画面構成/構図が考えられた "美しい" 撮影だなと感じた。坂道や細い道の多いソウルでの少女Nora&少年Hae Sungの下校シーンやNoraとArthurの細いアパートメント内
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

【よかったところ】
・直近観た『Dune: Part Two』もそうだったけれど、IMAXの使い方が以前と比べて変わってきたのかもと感じた。たとえば『Avengers: Endgame』の合戦や『Ev
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.4

【よかったところ】
・原作小説である『Erasure』が出版された2001年当時とは人種差別をめぐる状況は明確に異なっているはずなのだけれど、優れた脚色のおかげか、非常に今日的なUnconscious
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

【よかったところ】
・あまり事前情報を入れずに観に行ったら思ったより "法廷劇" の要素が強かったのだけれど、法廷劇だからこその演劇性/ストーリーテリングの妙を楽しめた気がした。というのも裁判中にはい
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

【よかったところ】
・169分という長さを全く感じさせないキレッキレの演出に脱帽した。冒頭とラストに主人公Miguelが監督した劇中劇をおくことで作品そのものが円環構造を成していると思いきや、さらにそ
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・直近観た『Here』がとてもよかったので続けてこちらも鑑賞。『Here』が"夏/昼"の作品だとすれば、今作『Ghost Tropic』は圧倒的に“冬/夜”の作品。両昨ともに其処に
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Here(2023年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・Kelly Reichardtを彷彿とさせる自然主義的な描写とスタンダードサイズの画面、余計な劇伴のないミニマルなストーリーテリング……Bas Devos監督の作品はこれが初めて
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.0

【よかったところ】
・“サスペンス映画”としてウェルメイドな作品だった。丁寧なカット割と人物描写、そして引っかかる点が無いスムーズな脚本だったと感じる。(“頭空っぽで楽しめる”という作風でも無いけれど
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

【よかったところ】
・観客を否応なくその世界観に引き摺り込む(=さながら領域展開!)、という意味ではWes Andersonと同様他に類を見ない構築された世界観だった。その上でホラーとしての類型で言え
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

【よかったところ】
・主人公の二人/松村北斗と上白石萌音の心理的距離/関係性が変遷していく様、すなわち ①離れている(="PMSとパニック障害って全然違いますよね?")②お互いに理解しようと努力し接近
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

【よかったところ】
・良い意味で予想とはかけ離れた作品だった。というのも同監督作で言えば『The Killing of a Sacred Deer』のような閉じた人間同士のドロドロとした関係性、あるい
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・『Saltburn』(Emerald Fennell)でも取り入れられていた1.33:1の画角、今作においてはCookie(John Magaro)とKing-Lu(Orion
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.2

【よかったところ】
・性暴力を題材にポップで/グリッターで/グロテスクな傑作『Promising Young Woman』を作りあげたEmerald Fennellの新作ということで観る前から非常に楽
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市子(2023年製作の映画)

3.9

【よかったところ】
・兎にも角にも杉咲花の怪演にやられた。冒頭の回想で見られるピュアな日常風景、劇中後半のゲリラ豪雨でずぶ濡れで叫ぶ場面、あるいは後半以降切り取られる場面場面におけるFemme fat
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

【よかったところ】
・同じホラー作品でも、主人公が理不尽に恐怖に巻き込まれて行くタイプのものと異なり、今作は因果応報/主人公たちの若さ故の過ちが一周回って本人たちに襲いかかってくる、そしてラストシーク
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

【よかったところ】
・ひとことで表すならば、非常に“テクノ音楽的”な映画だと感じた。すなわち形式として決まったビートの反復の中でビルドアップやドロップといった起伏がある(=平山さんの生活はまるでその正
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.6

【よかったところ】
・Aki Kaurismäki節すなわちオフビートな会話とユーモアの中に、ロシア-ウクライナの現在進行形の戦争への明確な“No”と市井の小さなラブストーリーが共存していて、とても今
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

【よかったところ】
・”史実と異なる” "ナポレオンをこんな風に描くなんて" といったレビューが散見されるけれど、あくまでナポレオンという人間と彼を取り巻く人々との関係性を描くところにフォーカスしたの
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・近作『ゴジラ-1.0』でもテーマの一つとなっていた ”日本帰還兵の持つ鬱屈とした感情/トラウマ” 、あるいは一部『Killers of the Flower Moon』でも語られ
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マーベルズ(2023年製作の映画)

2.8

【よかったところ】
・スクラル人/クリー人の民族対立、それから水やクリーンな空気に代表される天然資源といった現在進行形のSocial Issueを真っ直ぐにスーパーヒーロー映画の枠組みの中で描いている
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

【よかったところ】
・David Fincher作品らしくオープニングシークエンスからエンドロールまで完璧な構成なのが何より目に嬉しく、こちらもお馴染みTrent Reznor & Atticus R
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.8

【よかったところ】
・2023年に公開される映画としては幾分男性性が強いけれど、山崎貴の過去作、特に『ALWAYS 三丁目の夕日』や『永遠の0』に比べてノスタルジー/ "昔はよかった" 感が薄いため観
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・(Lookの話)まずは何より、Star Warsなどに代表される明確な参照先こそあれどフランチャイズものでない独立したSF作品としての完成度が高かった。『Rogue One: A
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・Martin Scorsese節、すなわち ”愚かな人間をキレキレの撮影編集とストーリーテリングで描く” が今作も炸裂してた。『Taxi Driver』のTravis (Robe
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

3.5

【よかったところ】
・近作だと『福田村事件』でも描かれた "厳しい社会情勢とその結果立ち現れてくる差別と暴力性" を、現代ヨーロッパを舞台にうまく描いていると感じた。『福田村事件』では見た目はほぼ同じ
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.8

【よかったところ】
・明確に2018年の『Spider-Man: Into the Spider-Verse』”以降” を感じさせるアニメーション映画の表現がよかった。Pixarが追求する滑らかで写実
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.8

【よかったところ】
・物語クライマックスに向けた構成がうまく、シリアスな題材なのだけれどエンタメ作品としてとても練られているなと感じた。『Game of Thrones』でJon Snow、Daene
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.0

【よかったところ】
・人間が痛覚を失った(進化によって痛覚を克服した)近未来が舞台となっているSF/ホラーだが、描写を観れば一発で現代を描いた同時代性の高い作品であることがわかる。冒頭でプラスチックの
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.8

【よかったところ】
・個人的にWes Andersonのこれまでの作品に対して、”誰もが一目で彼の作品だとわかる強烈な作家性はありつつも、物語の批評性はそこまで強くない(=非常に形式主義的である)”と
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バービー(2023年製作の映画)

4.2

【よかったところ】
・Greta Gerwig的ジェンダー問題(=現代社会における女性性)の扱い方と、エンタメのバランスが絶妙で素晴らしかった!例えば『Promising Young Woman』のよ
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