エラスムスは人は自惚れで幸せになると説いた。この映画は自惚れを捨てた主人公の姿を描いている。
しかし、主人公の怒りの矛先は全て自惚れている人々に向いているのだ。自惚れは極道とは比べものにならないほど>>続きを読む
『これは君じゃない』
ならばあなたは誰なのか?
自分探しのような表面的な問いかけではなく、「自分の中の良い感情も悪い感情も受け入れることはあなたにできるのか?」と問いかけている。
淡々とした美しさがある。儚げなのだ。その美しさは残酷を知っている者だけのものに思える。
高校生の頃は女の子と遊んでばかりいた僕だけど、こんなにも濃い青春を知らない。
後半はトーンダウンしたが、青春の痛みと美しさがある。その傷みと美しさは三人が傷を抱えているから醸し出されているのだ。
フィクションだろうとノンフィクションだろうと小説の世界に身を置くことは、人の人生を受け継ぐことだ。
映画もまた同じものならば本作に心揺さぶられた人は、『本当に強い人間なんていない。強いフリをしている>>続きを読む
ホラーは苦手だが観てみた。
僕は注射されるだけで貧血を起こす若輩者で、グロいのは無理である。ホラー小説も無理である。
だが良い事なのか悪い事なのか、映画はあまり怖くなかったので安心した。そんな風に>>続きを読む
ディジーへのやり切れない想いを台詞を使わず表現している作品だと思う。気持ちは伝わってくるんだけれども、あえてなのか、人物造形があまりされていない。ひたすら心情を汲み取る映画なのだろう。
ディジーもま>>続きを読む
僕より二回りほど年上の人は言う。『昔は良かった』って。セカンドサマーオブラブがあってマッドチェスターがあった。60年代と同じく音楽は闘う手段でもあった。ダンスとロックは融合し、ニューオーダーの音楽が最>>続きを読む
二度目の鑑賞。
サリンジャーの小説の世界観に似ている。決して心が通わない家族関係を沈黙で描き出す様がチャーミング。行間に多くの言葉が散りばめられ、儚くも可笑しい。汚い言葉に優しさと哀感が込められている>>続きを読む
タイムトラベルで何度もやり直しているので人間関係を深く描けていないと感じてしまった。
ブルジョワ的だなとも感じた。
特権者の苦悩と幸せはマイノリティには分からない。
今を精一杯生きることの重要さを>>続きを読む
仕事でこの映画の記事書きました。小説も映画の方ものめり込めなかったけれども、阿久津の記者としての姿勢は見習うべきところがありました。
演技はどの役者さんも良かったです。
人が死者を想う時はつねに生きていた時の姿だ。思い出の中で死者を生き返らせ、想いに耽るのは、死者と向き合っていないと感じていた。
しかし本作では洗骨という慣わしで、死者としっかり向き合う姿が描かれる。>>続きを読む
とても充実した時間だった。最初は時代が違うからか、台詞や仕草に違和感を感じてしまったけれど段々とピントが合うように引き込まれて感情移入できた。
確か高橋一生さんだったと思うけど、本作について『外側に>>続きを読む
原作の小説はエンターテイメント小説を幻想文学の文体で書くことでロマンチックな表情を醸し出している。いわば文体に寄るところが大きい小説。
なので、どのように映画化されるのか不安でもあった。
兄弟妹の演>>続きを読む
自分を見ているようで辛かった。映画が観る者の人生と繋がる為にあるとしたら、そういう事なのだろう。
大自然に静かに添えられる言葉の数々がとても美しいです。流麗に移り変わるシーンごとに風景は表情を変えていき、染み入るような言葉と相まってより美しく見えます。
しかしその風景の美しさは、その地に根付いた厳>>続きを読む
『自分らしさ』は、自分の為に生きている時ではなく、人の為に生きている時にふと表れる。
彼は生きる為に、そして子供の為にヴィルジニアとして生きることにしたのだろう。
鏡がもし人の望みに忠実なら、鏡は嘘つくんじゃないかしら。
太陽がもし人の望みに忠実なら、沈むことはないんじゃないかしら。
野獣がもし人の望みに忠実なら、こんなに優しくないんじゃないかしら。
コクトー>>続きを読む
窓の外を見ながら過去に想いを馳せるのか、スカイダイビングをして生きている喜びを感じるのか、どちらが幸せなのか?という事だと思う。
しかし、それ以上に、親友が出来たことが幸せなのだろう。