寝具とSingさんの映画レビュー・感想・評価

寝具とSing

寝具とSing

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.9

神に仕えし、修道女がレズに目覚めるというなんとも興味のそそられる内容で、もっと過激さを期待していたが思ったよりも大人しいく忠実なストーリー展開だったと見終わったあと感じた。

主人公の演技がやはりとて
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.1

なんと言うか、菊次郎の夏をオシャレにしたみたいなノスタルジーとも似て非なるような美しい絶望を感じる作品だった。


父と娘が陰と陽のような対極的な視点の描き方がされているように感じるが父と娘両方の気持
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

都会育ちと田舎育ちの格差をこれでもかと描きつつ、それぞれのもつ共通の苦しみと幸福を肯定しているような素晴らしい脚本、演出と門脇麦のお嬢様の演技が凄い作品だった。

学歴や育ちとかにコンプレックスを持っ
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七つの会議(2018年製作の映画)

4.0

社会派どんでん返しという感じのメッセージ性ある脚本力と役者の圧倒的なパワーでずっと目が離せなかった。やはり半沢直樹を思わせざるを得ないが、それ以上に魅せ方が映画的な昇華を遂げて簡潔に仕上がっていて日本>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.0

あっという間の90分。なんでこんなに退屈そうな映像なのに心地よいのだろうか、やはりジム・ジャームッシュは邦画的なエッセンスを感じざるを得ない、間を感じる演出が素晴らしいな。他人の物語を盗み見ているよう>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

恋愛版横道世之介みたいな過去を思い出すという切なさとその人が思い出の中で生き続けけている暖かさとが混在したある種青春映画に近い作品。

松居大悟監督とはおもえないド直球の恋愛を描いててジム・ジャームッ
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.5

なんか…すごい感動した。繊細でありながら大胆さもあってまさに女性的と言うとトゲがあるかもしれないが観てるこっちも女性の気持ちを体感できた素晴らしい作品だった。

物語としては切なさもあるけど最後の終わ
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.1

よい…すごく良い。雰囲気、セリフ、間、風景全てがなんか心地よくて日々変わりゆくこの社会の中で普遍的で人間的な一面を魅せられた作品だった。

静かでどこか田舎っぽい閉鎖的な世界で夢を諦めざるを得ない主人
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

4.0

毒母に育てられた娘が家族に内緒である生き物を育てるという物語。

ずっとストレスをかけられているような、違和感を抱えながら最後まで進んでいってのあのラストは気持ち悪いけどある意味スカッとするというか娘
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.7

いやこの作品こそBLならぬファンタジー世界すぎるでしょwとツッコミを入れたいぐらい周りに理解ある人間に恵まれすぎてるし、ご都合主義的な展開で本当にゲイで悩んでる人を救うというよりそれを取り巻く第三者に>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

3.6

終始なんじゃこれっていう感じだったけど全体として暖かい雰囲気が流れていたし恋愛のススメ的な非常に浅く広く恋愛というものの見方を教えられてるようなだれでも観やすい作品でした。

まぁただやはりキャストに
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逆噴射家族(1984年製作の映画)

4.1

うん、すごく好き。めちゃくちゃテンポよくてあっという間に終わった。家の中で戦争が起きるラストの展開は流石にコメディすぎて目が離せなかったし、食事シーンをはじめ全体の雰囲気として家族ゲームを思わせる。>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

4.4

想定を遥かに超える面白さと観やすさ。半世紀以上前とは思えないぐらいに凄まじい脚本と演出力。そりゃこぞって名作と呼ばれるわけだ。

ここまで駆け抜けた恋愛サスペンスって初めて観たかも。ミイラ取りがミイラ
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.6

いやー、久々にこういう90分ぐらいの観やすい作品見れたわ。スリラー系は展開が読めてもハラハラするからしっかりと最後まで楽しめた。最後やり返す所で終わるのが凄くスッキリした!クロエの今後に幸あれ。

ひらいて(2021年製作の映画)

4.1

恋愛サイコパス映画とでも言うべきか、青春という魔物が生み出す若さの衝動で終始淡々と山田杏奈が駆け抜けていったという印象。うん、とにかく山田杏奈の演技の力強さにとにかく圧倒。

歳をとるごとになんであの
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フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

4.0

最高に悪趣味な映画(いい意味で)。少し邦画チックというか小さいことを大きく広げて、でもその問題は結構根深くて考えれば考えるほど精神が衰弱するような、そんな人間の醜さをコミカルに描いてたと感じた。

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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

いやー、後半の巻き返しがとにかく凄かった。ネタバレのあのビジュアルとか電気系統がおちるっていう設定も面白かったし、何が起きるか分からない展開を一貫したスタイリッシュな演出でみせてるのがかっこよくもあっ>>続きを読む

家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.4

これ凄い好きだわ。始まりから終わりまでずっと一定のリズムでずっと無機質な雰囲気が漂っているがずっとなにか象徴的なものを感じさせるというか無駄がない全てにすごく意味のあるものに感じられて家族という形をま>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.9

なんだろうか…凄くハイセンスな映画という印象。記憶の失った人間の視点というか全体を通して無機質な空気感が漂っていて逆になんか新鮮で飽きなかった。
記憶を消し去りたいほど苦しいことはあってもそれと向き合
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シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.1

全体を通して生々しい、そして激しいから始まりから終わりまであっという間の映画体験だった。映画を観ていると言うよりもスラムという街のリアルを肌で感じたようなこうやって映画を観ている間も、こういう殺し合い>>続きを読む

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

3.8

死体のような街に群がるハエのような人々をリアルに映した汚い作品。別の意味でR18指定されるべきなんじゃないかと思うぐらい直視したくないシーンが後半にかけてあって、男の臭いまで観てる側に伝わった。
ただ
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ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

4.0

なんて言うんだろうか…機能性、ストーリー性を無視した圧倒的デザイン力だけで押している感じの今じゃ絶対みれない素敵な作品でした。
近代デザインは自分は凄く好きだけどそこに対するシニカルさが露骨でまぁあの
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

都会に住む魔物を具現化して我々にみせてくたような、都会に憧れる若者にとってのアンチテーゼ的なメッセージを持ちつつも最後までブレずに突き抜けた演出で完成度の高いパワフルな作品だと思った。

何より主人公
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

4.2

なにこれ……最高すぎんだろ!なんか上手く伝えられないけどとにかく衝撃だった。

最初からフルスピードで世界観を押し出して主張の強いbgmとかセット感の強い小道具とかそんなの気にならないぐらいとにかく引
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ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.5

テンポがよく、程よく謎を散りばめて最後に一気に清算させてくれるのでまぁ安定に面白かったな。

ただ、少し自分的にはクドイというか引き延ばしてる感じが少ししんどくてこの監督とは相性悪いなという感想でした
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.5

総じて言えば非の打ち所がない傑作だった。やっぱり始めは観る側がゴダールの世界観に合わせていかなければならないという若干の苦行があるが途中からテンポと一見雑なカットシーンに凄く見入ってしまってもう最後ま>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

3.9

やっと観れた名作。50年以上も前とは思えないぐらいスっとみれるのは名作たる所以だろうか。前半は刑事の事情聴取のシーンで少し退屈な感じだったが後半のピアノの演奏シーンが始まったあとがとにかく凄まじかった>>続きを読む

疑惑(1982年製作の映画)

4.0

桃井かおりの演技がとにかくいい。悪女なんだけどどこか愛嬌もあってどこが憎めない応援したくなるような、この時代の役者の力強さをみせつけられた。
真実の行方みたいなラストちょっと期待したけどシンプルに脚本
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