tk33220さんの映画レビュー・感想・評価

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ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

4.0

アンジェリカ・ヒューストンが偶然歌を聴いてしまうことで記憶が呼び起こされる展開が素晴らしい。シンプルな室内劇だけど何か不穏な視点でカメラが移動し続ける。酔っぱらいが上ってきたり、思い出したくない過去を>>続きを読む

光あれ(1946年製作の映画)

3.0

演出は一切していないと言う割にどのシーンもめちゃくちゃ演出してるのが単に図々しいだけなのか、誇張をしていないという意味での演出を指してるのかがよくわからない内に映画が終わった。

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

3.3

ステイシー・キーチが夜間にバスに乗り労働をするシークエンスでの何気ない会話に哀愁が漂っていて面白い。ラストの「もう少し話をしよう」と帰ろうとするジェフ・ブリッジスを引き止めておきながら特に話を振ろうと>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

3.0

悪くはないと思うけど仕事映画にしては真面目すぎるというか飛躍がなさすぎるのが何とも言えない。

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

3.0

脚本がお利口すぎるし、ここにカメラをこう置けばこう捉えてもらえるでしょみたいな魂胆が垣間見えてイマイチ乗れず。

フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

シャイリーン・ウッドリー宅をアダム・ドライバーがあとにする冒頭の車を前進させる緩やかな運動に、どこか視点の定まらなく危なっかしさすら覚える運転の様子などから既に演出が冴え渡っている。エンツォ・フェラー>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

2.9

二人が一緒にいる時間の大抵が省略されているのでこの尺でエモーショナルに描くっていうのは難しい気がした。

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

3.0

カメラが被写体に寄り過ぎるからサスペンスが心理的になってしまうのが弱い。地下鉄の暗がりの雰囲気や水浸しの線路を越えていかないといけない展開は面白い。

WALK UP(2022年製作の映画)

2.8

娘がコンビニに買い物を行く下り坂のショットから、次に大家が店先に顔を出すショットで説明なくシークエンスが移行し観客の混乱を煽るところが作品内でただのネタとしか利用されないのが辛い。

チャイム(2024年製作の映画)

3.7

小日向星一が首元に包丁を突き刺し騒動となるシークエンスで教室内には他にも生徒がいるにも関わらず、まるでこの世界には吉岡睦雄と小日向二人きりしかいないようにフレーミングされている所や、リビングの奥にもう>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.5

ポール・ジアマッティも勿論凄いが、この複雑な役柄を高水準で演じ切っているドミニク・セッサがかなり凄い。良い役者とアレクサンダー・ペインの演出力が合わされば良い映画になるのは承知の上で、もう少し画面で笑>>続きを読む

ザ・ウォッチャーズ(2024年製作の映画)

2.5

過去のトラウマに囚われた女性の心理劇で、起源に迫ったり説得を試みたり動きが感じられず退屈。

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

3.3

課せられたタスクを粛々とこなし目的を達成させる様子を淡々と描いてくれるのが良いけれど、各キャラクターの過去も巧妙に提示してくるため所々のサスペンスが阻害されるのは残念。

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

2.0

ゼンデイヤが初登場する場面からして酷いけれど、決定的なショットが撮れないから音楽とそれっぽいフォトジェニックな画角での誤魔化しが全編続くからしんどい。画面が連続することで生まれる何かをはなから信じてな>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

3.4

3ヶ月前というテロップが出てくるのであんなに回想形式に対する意見を持っていたのに大胆なことをするなと画面を見ていると、病院の廊下をカメラが前進し診察室の看板を説明的に収め、室内から会話の声が漏れるなか>>続きを読む

ディア・ファミリー(2024年製作の映画)

3.9

91年の手術場面、02年の表彰式の場面と変わり、大泉菅野夫婦の暗い顔から70年代の回想へと移るそのファーストショットがこの手の映画ではあまり見覚えのない、黒い車を捉えたクレーンショットだというのが映画>>続きを読む

リンダとイリナ(2023年製作の映画)

3.0

ショッピングモールでちょっとしたすれ違いからイリナが立ち去るシークエンスのあとに、電車の席に座っているリンダのショットがあり一人で座ってると思いきや切り返されるとそこにイリナもいるという感覚が驚きに満>>続きを読む

密使と番人(2017年製作の映画)

2.9

運動そのものは無意味だけれど、届けようとするそのものには意味があるのでどうしても退屈に感じる。

あんのこと(2023年製作の映画)

2.5

狭苦しいホテルの部屋や、取調室、アパートの部屋など、リアリティを重視したカメラ位置がとても窮屈で、かと言って外の移動になっても特段活劇性が出てくることもない。ラストショットから想起される「不在」のイメ>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.5

やけにガラスが目立つ校内のロケーションで、教室内でいざこざが発生しているその窓越しに問題の生徒が歩いてくるショットや、体育館に隣接する教師の部屋の扉のガラスが割られる瞬間のシークエンスなど、画面内にカ>>続きを読む

若武者(2024年製作の映画)

3.9

冒頭の坂東龍汰が公園で会話をしている画面の奥に髙橋里恩が現れて気だるそうに柵に腰掛ける感覚からして活劇性に満ち溢れている。対したことが起こらずほとんど中身の無い会話に終始するが映す/映さないの感覚やズ>>続きを読む

違国日記(2023年製作の映画)

3.6

この繊細な物語を四宮秀俊のソリッドで端正な画面で紡いでいくだけでそこそこ勝算はあるとは思うけど、そこに瀬田なつきらしいアクションが入ってくる瞬間は特にエモーショナルで素晴らしい。ただ奇を衒うだけでなく>>続きを読む

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)

4.0

ラストのドニ・ラヴァンが踊り狂う場面の最後の最後で彼があのフロアから勢いよく出ていくところで映画が締められるのが堪らなく良い。運動そのものに意味なんかなくても映画で感動はできるという好例。

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

2.8

途中で『ヒート』のような夜景ショットが出てくるので強引にマイケル・マンを引き合いに出すのだけど、「Bye Bye Blackbird」でどうしようもなく泣いてしまうのは二人とは無関係の人間から不意に過>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

2.5

オフに鳴り響く音、見せない演出がサスペンスや物語を描く手段ではなく目的になり、唐突に挿入される現代のショットも読ませようとしかしてこないので飛躍もなく窮屈。唯一あの飼い犬が裏口横の窓から外へ飛び出して>>続きを読む

からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.7

今泉力哉の作家性が抑えられて普通の映画となっている。小豆島の抜けの良いロケーションをバックに人物2人をやや遠目に捉え、ここぞという所で寄りの切り返しに移行する一貫したオーソドックスな会話の処理が良い。>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

2.9

ド派手さとケレンで押し切る戦闘シーンが終わると必ず一息ついたり、逃走もフェードですっ飛ばしたりするのが非常にしんどい。映画のアクションってこんなものなのだろうか。

まひるのほし 4K(1998年製作の映画)

4.0

ほとんどアクションでグイグイと映画を進行しているのが感動的。ヨシヒコさんが個展にやってきた客に小さい焼き物を手渡す際の、客側のちょっとした戸惑い加減が凄まじくサスペンスフル。

花子 4K(2001年製作の映画)

3.5

一軒家を舞台にしている映画なのでオフのおとの使い方が面白い。母と娘で食事をしていると二階から父親の三味線が聞こえてきたり。あの後ろ姿しか映らない姉の部屋の扉が磨りガラスなのも良い。