どらごんいんさんの映画レビュー・感想・評価

どらごんいん

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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

5.0

驚嘆した。
これぞ映画、まさに総合芸術。

観る前は、なんで今さら『ウエスト・サイド物語』?
なんて思っていたけれども、
これは現在の世界にもっとも必要な物語であって、
人種も老若男女も問わず、いろん
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

同じ症状を描いた映画は幾つか観たことあるけれど、このような描き方は発明じゃなかろうか。

仕事で老人ホームに行ったりするので、数人の顔が頭に浮かぶ。
私を誰か別人と勘違いしている人、
大げさに苦痛を訴
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

5.0

楽しい傑作。

ウェス・アンダーソン組にしか作りえない唯一無二の映画。
(いつも以上の)変態的なこだわりをもつビジュアル。
プロの仕事、愛すること、悲しみ、涙を流すこと、といった(おなじみの)テーマを
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愛・アマチュア(1994年製作の映画)

4.0

この監督の作品、はじめて観たが、興味深い。
次の展開が読めない。

基本的には、
機密情報の入ったフロッピーディスクというマクガフィンを巡るサスペンスではあるが、
記憶喪失の男含め、目的ははっきりして
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バトル・ロワイアル 特別篇(2001年製作の映画)

3.5

教育改革のためのBR法なる新法に則って、
とある中学の3年B組が無人島に連れ去られ、
3日間、最後の1人になるまで殺し合いをすることに!

このクラス、女子も男子も濃い。
柴咲コウ(いい顔)、栗山千明
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ブランカニエベス(2013年製作の映画)

3.5

白黒のサイレントで、
童話の「白雪姫」(スペイン語でBlancanieves)をベースに発想を飛躍させ、
波乱にとんだ、闘牛ありフラメンコありのスペイン映画。

とても意欲的だし、楽しさと悲哀に満ちて
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ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

5.0

ハーモニー・コリンは一貫して、
世界の闇にではなく、世界の輝きにこそ目を向けてきたのだ。

『ビーチ・バム』を観ればそのことがよくわかる。

このご時世「政治的正しさ」や「金銭的豊かさ」には一切興味が
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

-

途中、かなり寝てしまったので評価保留。

そういえば『アラビアのロレンス』も『イングリッシュ・ペイシェント』も途中で寝てしまったので、
砂漠は苦手かもしれん。

続編が来たらもう一度挑戦したい。

恐怖の精神病院(1946年製作の映画)

4.0

舞台は1761年、ロンドンの精神病院。

院長のシムズ(ボリス・カーロフ)は劣悪な環境を放置し、
患者を見世物にして私腹を肥やし、雑に殺したりもしていた。

モーティマー卿の被保護者で話し相手のネル(
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13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.5

これはなんとなく見逃していた。

終盤、穏やかなクリスタルレイクに浮かぶボート、
画家のピーター・ドイグが何度も題材にしているように、とても幻想的で美しい。

大したことではないが、あの有名な曲は、
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岸和田少年愚連隊(1996年製作の映画)

-

ナインティナイン(主にやべっち)が主演。
おかん(秋野暢子)と、おじい(笑福亭松之助)が上手い。
吉本の若手芸人が脇を固める。

『ガキ帝国』に匹敵する面白さだったが、
最後まで視聴できなくなったので
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女王陛下の007(1969年製作の映画)

4.0

なんとなく見逃していたのを観た。

普通にメロドラマとしてよく出来ているし、サービス満点、アクションも見応えあり。

これは文句なしに面白い。

ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.0

ゾンビ映画あるあるに、続編映画あるある。
既存映画が作った安全地帯で、
ぬるま湯に浸かっているようなぬるいノリが、
面白いと思う人にとっては面白いのかな、
というレベルを超えていないと思う。

作り手
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スーパー!(2010年製作の映画)

4.0

おもしろうてやがて悲しきこの映画を観ても、
ヒーローこそ変態の極みだとわかる。

エリオット・ペイジ(当時エレン・ペイジ)など、文字通り頭がぶっ飛んでいる。

アラン・ムーア/デイブ・ギボンズによる「
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.0

海の深さも、南極の冷たさも、怪獣の咆哮も、何ら心を動かさない。

我々の心を動かす肝は、
無声・白黒の時代から受け継がれ培われてきた繊細な演出の技術であり、
撮影後にどれだけVFXを盛ろうと、情感を盛
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星の子(2020年製作の映画)

4.0

他人の信じているものを、手前のものさしで簡単に理解した気になってはダメだね。

どう見てもあやしすぎる新興宗教にどハマりし、
生活費を切り詰め、家族や世間体を失ってまでお布施をする夫妻(永瀬正敏、原田
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.5

弱気になり自分を卑下しだしたモリーに対し間髪いれずビンタを食らわすエイミーが良い。
私の親友を悪く言う奴は、それが本人であっても許さない。


高校生活を勉強に全振りしてきた生徒会長のモリーと、大親友
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.6

新世紀は1日にしてならず。

冒頭のパリ上空の攻防だけで、鑑賞料の元が取れそうなほど、おもしろメカ、おもしろバトル満載。
最終作(の後半)に至って初めて聞くような、「それ何?」という単語・設定が山ほど
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.5

言わずと知れた「若草物語」を、
現代にも通じる物語としてみごとに甦らせている。
背景にある宗教的理想や、差別(人種、階級、性差)の問題も、
絶妙なさじ加減で語られている。

撮影、美術、照明、衣装、す
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思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

2.5

『君の膵臓をたべたい』の2人だ。
と思って観たが、キツかった。

超売れっ子になった2人に、いまさらナイーブな演技を期待するほうが間違っている。
そして、もっと良い作品に恵まれてほしいと思う。

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.0

見た人それぞれ、リトル・ジョーの寓意を読みとるだろう。
恋愛、仕事、お酒、ドラッグ、SNS、ゲーム…。
依存性、中毒性のあるもの、
快感物質で人間を支配してしまうものは、ぜんぶリトル・ジョーだ。

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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.5

アルプススタンドの端から、グラウンドを眺める主演4人に、青字のタイトルが被さるあたりで早くも泣いた。

こんなはしのほうにドラマを見いだすセンスに感動する。
青くさいだけの青春映画は醜悪。という自覚を
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オーシャンズ8(2017年製作の映画)

3.5

2020年7月にやった金ローの吹替版。

悪くない。

ただ宣伝効果以外に、オーシャンズシリーズを謳う意味は無いような。
それは『ゴーストバスターズ』にも007?にも言えることでしょう。

ハスラー2(1986年製作の映画)

4.0

巷間傑作といわれるスコセッシ監督作を観ても、「傑作のように見えるいかさま」という印象が拭えないのだが、
「いかさまですが何か?」と開き直り、
いかさま師を描いた時に本領を発揮するらしく、『ハスラー2』
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.0

誰も肝心なことを教えてくれず、会話はかみ合わず、
なぜかすごく嫌われ、ことごとく裏目にでる。

フランツ・カフカの小説みたいな感覚。


破とQの間には物語上14年が経過しているらしい。
ミサトさんた
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透明人間(2019年製作の映画)

3.5

•現代的な透明人間。
周りの信用や評価を失墜させるという、いやな攻撃をしかけてくる。
後半は物理攻撃も多用。

•完璧に透明すぎる。(天才科学者がすぎる)
もう少し存在感というか、愛嬌があってもよい。
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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

4.0

『スーサイド・スクワッド』未見だが、かなり面白かった。

ハーレイ(マーゴット・ロビー)は自認するとおり悪女だ。
平気で他人の足をへし折ったり、他人の顔に刺青で落書きしたり、ハイエナをけしかけたりする
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

5.0

コロナ禍の、寒い冬に観るなら最高の映画だと思う。

この映画にはスーパーヒーローなど出てこない。
人類のものさしを超えた相手に、持てるすべてを駆使して戦った、普通の人間がいるだけだ。


謎の円盤が大
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ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

4.5

音楽は、個人からは生まれない。
音楽は過去から未来へとつながる、人類に与えられたバトンなのだ。
ゆえに、あらゆる音楽が人類史を内包している。

ビルとテッドはそのことを楽しく教えてくれる。
お互いにエ
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プレデター(1987年製作の映画)

3.5

ダッチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)の上腕二頭筋には説得力がある。

未知なる敵の、
血液が蛍光色であること、赤外線でしか人間を視認できないこと、体臭がきついこと、不細工な顔、
といった弱点を的
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バタリアン(1985年製作の映画)

4.0

低予算でも、絶対面白い映画を作ろうという意気込みを感じた。
タールマンやオバンバなど、
死ぬまで忘れられない、映画史に残る名ゾンビたちを生んだ。
「脳みそくれー」とよく真似して遊んだものだ。

この映
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人魚伝説(1984年製作の映画)

3.6

伝統的な海女漁フナドを生業とする啓介(江頭潤)とミギワ(白都真理)の夫婦。
ミギワが海底から命綱を引くと、巻き上げてくれるはずの夫が、死体となって海中に落ちてくる。

レジャー開発の美名の下で進行する
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復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.5

恐ろしい映画。
非道な犯罪者を追いながら、これほど明るいのは、犯人を懲らしめようなんて意図が少しもないからだ。
題名にあきらかなように、人間が人間を断罪することなどできない、と言っている。

人殺しも
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.0

煉獄杏寿郎の生き様にすべてを賭けているようだ。

作品自体は、過去の名作の良いとこ取りのような部分が多いので、既視感を覚えるだろう。
しかし煉獄ほど力強く、誇り高く、自信をもって、人生を肯定したキャラ
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.0

こんな爺さんいたらいいな、を具現化したようなデ・ニーロ翁が素敵。「おまえのようなジジイがいるか!!」なんて思わない。
彼は、隣人の求めている言葉と、言うべき言葉が何かを理解した上で、
隣人を愛し、高め
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スペースバンパイア(1985年製作の映画)

4.0

ハレー彗星の調査中に見つけた全裸の美女が地球人の精気を吸いまくる。
と聞けば、どんなバカ映画かと思うだろう。

しかし、映画を観ている最中、バカバカしさを感じる暇などない。
クリアーな演出。速いテンポ
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