巴さんの映画レビュー・感想・評価

巴

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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.5

演出も伏線も色々素晴らしかった(靴紐……!)が、何より最高のスカーレット・ヨハンソンとサム・ロックウェルだった。優しい強いお母さんだ。カッコいい大人の男だ。泣けて仕方がない。

星の旅人たち(2010年製作の映画)

3.5

巡礼の旅の序盤で事故死した息子の遺灰とともに、息子がたどるはずだった旅路を行く初老の眼科医。彼自身も途中で出会って同道する3人の仲間も、とても立派なひとというわけでもなく、何かのきっかけで劇的に絆が生>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

ヤクザのカラオケ練習に巻き込まれる、合唱部の中学生。倫理的にどうこうよりも、聡実くんがかなり怖い目に遭ってるので、理不尽じゃない?これでいいのだろうか……?と思ってしまう。でもそんなもやもやを吹き飛ば>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

原作ファンなので。あの長く濃い物語を一部だけ映画化することに意味はあるんだろうかと、割と懐疑的な姿勢で観に行ったが、大満足だった。キャストがみんなハマってる。役者さんの熱演はもちろん、メイクや演出の効>>続きを読む

月に囚われた男(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

よく考えると疑問が残るところや回収されない伏線はあるのだけど、じわじわ来る怖さややるせなさはすごくよかった。クローンたちは、元々3年間しか保たないように作られているんだな。じゃあ、地球に帰って告発した>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

誇り高くプロフェッショナルな仕事ぶり。規則正しく清潔で静かな日々の営み。こんなふうに生きたい、と思った。けれど、この生活に在るまでに、彼が捨てた(あるいは捨てられた)ものもしっかりと提示される。あるシ>>続きを読む

続・深夜食堂(2016年製作の映画)

4.0

3回目の視聴。映画版は前作も良いけど、私はこっちの続編の方が好き。
全3話のオムニバス。1話目の「焼肉定食」は、まあ苦笑する感じ。2話目「焼きうどん」は、前向きなラストが爽やか。3話目の「豚汁定食」は
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スティング(1973年製作の映画)

3.5

ワイルドで若さが際立つロバート・レッドフォードも、知的で貫禄あるポール・ニューマンもカッコいい!レトロなファッションやインテリア、軽快な音楽、紙芝居みたいなイラスト、全部ハマっていてオシャレだ。ストー>>続きを読む

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.5

馬鹿馬鹿しいようでいて、いや、実は深いテーマがあるのかもしれないと思いながら見続けて、やっぱり馬鹿馬鹿しいお話だなあ、と見終わった。マーティン・マクドナーのこれまでに見た作品みたいに、脚本の上手さに唸>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

豪華なキャストに、わかりやすいRPG世界観とストーリーとアクション。気軽に楽しめて面白かった。ミシェル・ロドリゲスが逞しくてカッコよかった!

(2023年製作の映画)

4.5

身も蓋もなさが突き抜けていて、それが何より爽快なエンタテイメントだった。権力欲、支配欲、出世欲、金銭欲、愛欲。すべての登場人物が自分の欲丸出しで行動するその汚さがかえって爽快。光秀の最期はその中にあっ>>続きを読む

ヒート(1995年製作の映画)

3.7

有能な刑事と犯罪者グループのリーダー。どちらも練れたプロの男の対決の物語。沈着なデ・ニーロはカッコいいし、中年のくたびれ感をにじませるアル・パチーノは尚セクシー。トップガンの優等生役とは違うけれど、ヴ>>続きを読む

シェアの法則(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

テーマは多様性の受け入れ。わかりやすいストーリーだ。そのわかりやすさが苦手だなあと感じてしまった部分ははある。いや、事情があっても犯罪は犯罪だと思うから。でも、小野武彦さん演じる主人公が、自分は間違っ>>続きを読む

影裏(2020年製作の映画)

2.0

うーん、日浅の行動にも、日浅に惹かれる今野の感情にも、まったく共感できずに終わった。共感できないけど心が動かされる、ってわけでもない。松田龍平と綾野剛の細かい表情や仕草を拾う映像は好きだった。

次元大介(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アニメのルパン三世が大好きで、その中でもいちばん好きなのは次元。2014年公開の小栗旬主演のルパンはあんまり評判がよくなくて、がっかりするのが嫌で見なかった。今回も、期待しすぎないほうがいいかな、って>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.0

映像も音楽も美しく豊かで、役者さんたちの演技も静かに印象的で素晴らしかった。殊に、何度か挿入される、真木よう子が水中に沈んでゆくシーンは見惚れてしまう。けれどストーリーにはいまいち入り込めなかった。登>>続きを読む

まほろ駅前狂騒曲(2014年製作の映画)

3.0

前作の映画から2年後の公開で、話の中でも同じく2年経過している。瑛太も松田龍平もそれなりに時間経過を感じさせる見た目になっている。瑛太演じる多田の髪に白髪が目立つのがリアルでいい。
子どもを亡くしたト
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まほろ駅前多田便利軒(2011年製作の映画)

3.5

だらりとゆるいテンポ感で、独特の不穏さと緊張感が漂うのは、大森立嗣監督の味なんだろうか。好きな作風。
若い瑛太と松田龍平が、綺麗で眩しい。くすんだ風体と背景のふたりなのに、それでも尚眩しい。ひどくうち
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

物憂げな美男俳優、エイドリアン・ブロディの代表作ということで、見てみたけれど。一度は見ておくべきだけど辛くて何度もは見られないな……。ドイツ軍のユダヤ人虐殺の描写は理不尽すぎて惨すぎるし、文化的な生活>>続きを読む

エッシャー 視覚の魔術師/エッシャー 無限の旅(2018年製作の映画)

3.5

トスカーナの風景や、アルハンブラ宮殿のタイルなど、何に影響を受けて作品ができていったのかがわかりやすく描かれていて興味深かった。作品がアニメーションになって動くのも面白くて、より深くエッシャーの世界を>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

2.0

長谷川博己のビジュアルや雰囲気はカッコよかった。セットや衣装は情緒があって綺麗だった。でも私にとっての見どころはそこだけかな。キャラクターや話に深みがあるわけではなく、売りなんだろうアクションも、散発>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.0

シリーズ全部見てるけど、全部クスッと笑えて爽快でそしてほろほろ泣けた。自分とは家族とは友達とは。答えが出ないのも醍醐味かもしれないけど、こんなふうにすっきり優しく前向きに答えてくれる物語があるの素敵だ>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

アクションが常識はずれにすごすぎて、もはや笑ってしまう。トム・クルーズ以外の役者さんもかなりすごいことやってるけどどうやって撮ったのこれ。
でも、アクション大作だけど、登場人物の感情の機微やそのひとら
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.5

白黒だと、下肥の色がわからないからまだ大丈夫だな、と思っていたら、とちゅうでしっかりカラーになるカットがあった笑 もうひとつのカラーパートは、黒木華演じるおきくが顔を洗うシーン。着物と頬の淡い桃色がと>>続きを読む

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

シンプルで心暖まる、映像の美しい映画が見たい、という要望をじゅうぶんに満たしてくれた。ストーリーは予想のうちで、意外なことは何も起こらない。でも、それが見たかったのだから、それでいい。
予想内ではあっ
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.0

ティルダ・スウィントンとイドリス・エルバが一緒にいる映像は、すごくゴージャスで美しくセクシーだった。ジンが語る物語の映像も素晴らしい。そこは大満足だったけど、話は私にはちょっと消化不良。アリシアとジン>>続きを読む

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

4.5

「スリー・ビルボード」、「イニシェリン島の精霊」に続けて、マーティン・マクドナー作品を観てみた。これがいちばん好きかも。登場人物それぞれのカッコよさ、美質がわかりやすい。いちばんエンタメ寄りだなあと私>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

寒々しく陰鬱な、だが美しい島の風景。コリン・ファレル(と動物たち)の名演技。音楽も情感があってくどくなく、映像にしっくり馴染む。ストーリーは衝撃的で暗い詩情があり、とても深く心に残った。素晴らしい映画>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

人間、いいところも悪いところもあって、どちらかだけの人間なんていない。そんな感想はあまりにもステレオタイプだけど、そうとしか言いようが無い。めでたし、では終わらないし、無傷で済んだひとは誰もいない。こ>>続きを読む

ユメ十夜(2007年製作の映画)

3.5

すごく好きな作品もあれば、まったく受け付けない作品もあったけれど、どれも監督や脚本家、役者さんの個性が出ていて、退屈しないで見られた。ノスタルジックで切ない四夜が特に好き。映像や展開も、夢の不条理さと>>続きを読む

天使のたまご(1985年製作の映画)

2.5

「アニメージュとジブリ展」で、原画と動画の一部が展示されていて、とても美しかったので興味をひかれて見た。たぶん意味わからないだろうなあと思ってたけど予想どおりだった。世界観も時間の流れも、キャラクター>>続きを読む

プロヴァンスの休日(2014年製作の映画)

3.5

ブルゴーニュの風景が綺麗で、ストーリーもシンプルだけど素直によかったなと思える展開で、のんびり見るのにとても良い映画だった。末っ子のテオをはじめ、孫たちは可愛いし、おばあさんは綺麗だし、おじいさんは、>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.5

前作よりも雰囲気が明るいというか、馬鹿馬鹿しく躁な印象。エドワード・ノートンのお馬鹿なクズっぷりが振り切ってて面白かった。ダニエル・クレイグ演じる名探偵はちゃんと推理して謎は明かされるけど、そこで解決>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.5

20年以上前にいちど見たんだけど、アマプラで配信されていたので、ちょうどクリスマスシーズンだし、と再鑑賞。
昔見たときより怖かった。戦場での、純粋さや潔癖さを感じる、ハラ軍曹やヨノイ大尉、他の日本兵た
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.0

前作同様に、壮大かつジャンクで荒廃した世界のつくりこみに圧倒されつつ、主人公Kの存在の悲しさに、ストーリーが進むごとに惹き込まれて胸が痛んだ。歴史は繰り返すのだな、とはるかな感慨を抱く展開でもあり、悲>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

収容所で生き延びるため、ペルシャ人だと嘘をついたユダヤ人の青年。戦争が終わったらペルシャでレストランを開くのが夢のドイツ人大尉に、偽のペルシャ語レッスンをすることで命を繋ぐ。
まったく知らない言語をつ
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