tsnさんの映画レビュー・感想・評価

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気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.0

小説のような世界の中で生きる男と現実を生きる女
過去も未来もなく今この時を生きている
背後に海の見える絶壁の松林みたいなところで2人走り回るシーンはまさに白昼夢、というか夢の中でだけ行けるファンタジー
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とにかくしんどかった(長さ、登場人物の多さ、実験シーン)

長崎や広島のこと、これまでドキュメンタリーやドラマ、平和学習で幾度となく触れてきたけど、どこか一歩引いたところから俯瞰して見てたんだなぁと思
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0

ラストの海が曇空で波が荒々しくてそれを見つめる二人、そして倒れるマーチンまでの流れが完璧だった
ルディも多分追いかけたんだろうなぁ
色々とうまく行きすぎて怖いし、急に画策したにしては賢すぎるけど最後の
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.5

今まで見てきた映画至上最も難しかった
やってることのニュアンスはわかっても(扉に入って逆行する)、芯から理解してないからスッキリ〜みたいにならないしそれぞれの場面でこれさっき見たけどどういうこと?って
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小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.0

西欧の歴史的背景がきちんとわからないと状況や主演二人の言葉の意味を理解するのが難しかった。しかも言ってることがすごく私的な哲学。
あとからアルジェリア戦争のことを調べてからラスト15分ほどを見返して少
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女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.0

ラストがあまりにもあっけなくて衝撃すぎるのとオープニングの長尺な寄りのカットが印象的
老人との哲学的な語りで、誤りや矛盾から正解に辿り着くこともあるというような話をした後でのあのラストは虚無そのものだ
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女は女である(1961年製作の映画)

3.5

アンナカリーナが可愛すぎる
というかラフなヘアスタイルとトリコロールカラーをものにできるのってフランス人女性だけだと思う
ラストのウインクからのネオンサインのFINはたまらない
ミュージカル苦手だけど
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.5

まずシンプルに難しかった
突然切り替わる虚構についていけるようになってようやく入り込めた
グイドの葛藤とか苦しみを描きつつ、良かった頃の幻影が歪んでいくさまが頂点に達した時、ある意味諦めや開き直りに近
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.5

なんか緩急なく常に怖かった

確かに子供の頃なんでもない影や光が誰かの顔に見えたりして怖かった
今は当たり前に何も見えないのはそういう架空のものへの恐怖がなくなったからだし、
同時に子供の頃夢の中だけ
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満月の夜(1984年製作の映画)

3.5

一人なのと独りなのって全然違う
ルイーズは一人になりたかったけど精神の根底ではレミを愛していたし、愛していることを確かめるために他の男と過ごしたり一人になったりする
わがままだけどわがままなりの理屈は
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

それは一部であって全部ではないという法廷での言葉は全ての人間関係を総括する言葉だった
不公平だという夫も縛っていないという妻もどちらの言い分も見る角度によっては真実だし、人間は深いところでは分かり合え
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

4.0

性格も生き方も全く違うけど確かに兄弟だということが随所で感じられて見てて心地良かった
ストーリー展開は派手じゃないけどずっと飽きなかったのはそういう繊細な要素がとても丁寧に描かれていたからだと思う
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フィールド・オブ・ドリームス(1989年製作の映画)

3.5

最初SF?となったけどこれはそういう目線で見るものでなく素直にこのドリームを全身で受け止めるのだと途中で悟った
キャッチボールのシーンが本当は一番の見せ場なんだろうけどドクがマウンドを出てからトウモロ
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.0

ずっと気になってたところが終盤の船着場で伏線回収(仕切らなかったけど)されたとこはグッと来た
惹かれ合うもの同士が別れ際に絶対振り向かないときと同じ感じ
このくらいの年代特有の世界が段階的に広がってい
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ひらいて(2021年製作の映画)

-

思春期の不安定さという便利な言葉で片付けて良いような種類の独りよがりではないと感じた
あまり原作ものを意識して鑑賞することはないけど文章を視覚化することで本来読者が各々に想像して含みを持たせるような余
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ディパーテッド(2006年製作の映画)

4.0

ビリーの焦燥感がたまらん
コリンは咄嗟の判断で警官として人生真っ白に塗り替えることに転換したけどネズミはネズミでしかないという教訓のようなラスト
ラスト10分弱がドドドっと何転にも展開していくのが気持
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お早よう(1959年製作の映画)

3.5

子どもと大人の意地の張り合いが結構リアリティあった
兄弟のおそろセーター可愛かったな、恥ずかしがらずにずっとお揃いなの微笑ましい
家出した二人をあんまり叱らないでやってくださいと爽やかな笑顔で送り届け
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

路地裏の家のすりガラスから家の中がうっすら見えたり夕暮れの集合住宅に浮かぶ部屋の灯を見たときに絶対に知ることのない幾多もの生活を想像することがあるけど、この映画はその中の一つをのぞかせてもらったような>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

4.0

むずかしい!だけどその分ずっと集中していられた。この長さでそんな体験ができるというのは本当によくできた映画なんだと思う。
いわゆる脳汁がめっちゃ出た
ラストどっちなの?とすんごい心が不安になる。現実で
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グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.5

マジックはどれもダイナミックかつ精巧でみてて気持ちいいしかっこよかったけど、登場人物のバックグラウンドが薄くて入り込めなかった。でも、この作品ではそこは重要なポイントじゃないのもわかる
ラストはそれで
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.5

母や祖母の幼い頃の話って案外聞くことが少ないけど、ここ最近になって聞いてみると自分のアイデンティティを感じたりふしぎな気持ちになる
この映画にはそんな気持ちに似たものを感じた

秋日和(1960年製作の映画)

4.0

カラーの小津を初めて鑑賞
白黒でも美しい構図がカラーになると色合いも可愛らしくて眼福だった
原節子唯一無二だなぁと思う
ラストシーンの涙を浮かべた優しい笑みは娘を送り出した初めての一人の夜の心細さを見
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.0

レストランのメンバーが順番に支配人の部屋に入っていくところ、抜き打ち検査を無事切り抜けるところ、1日限りの寿司酒場を営むところなど店のみんなが息ぴったりなシーンがどれもよかった、犬もグッジョブ
かたや
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.5

留置所の相棒を潔く頼まれたとおり埋めるところは冷酷さよりも気持ちのいい潔さと固い友情を感じた
ただ今作はあまり応援したくなる要素がなかった点でそこまで好きにはなれなかったなぁ

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

シンプル単刀直入という愚直なスタイルにほんの少しの滑稽さが隠し味の作風がとても大好きなカウリスマキ
無駄もなければ余白もない
伝えたいことを伝えるためだけのセリフと表情と間

戦争のニュースがラジオか
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東京家族(2012年製作の映画)

4.0

序盤はなんとなく冗長で話し言葉に時代錯誤感も覚えたりしたけど、徐々に父の内面が見えてきたり紀子が登場してからグッと入り込めた
田舎に帰ってからのシーンはどれもよかった
小津安二郎の画角もしっかり捉えら
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.5

ぷくぷくのマリオが案外可愛かったし、
なーんにも考えずに楽しめるところがよかった
久しぶりにゲームやりたくなった

結婚のすべて(1958年製作の映画)

4.0

心の呼び鈴という表現秀逸
普段語らない人が心のうちを語る時ほんとうの重みが出る
主人公の快活さと姉の慎ましさ、どちらも女として魅力的だし、結論結婚なんて本人の捉えようだからなんだっていいといういい意味
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スモーク(1995年製作の映画)

4.0

ハーヴェイカイテル、マフィアや荒くれ者のイメージ強かったけど、最後のクリスマスのエピソードを話してる時の微笑みがめちゃくちゃ穏やかだった
4000日写真とるのはたから見たら大変だけど、毎日営業してる喫
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

表情や抑揚も抑えめなのに色んなものが見えてくる気がする不思議な監督だなと思うけどこの作品もそうだった
ゴミ処理の相方も痒いところに手が届くようなナイスな男だし、
高級料理店断られて寒空の下バーガー食べ
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.0

マイルスデイヴィスの演奏を彩ってくれる映画という感じ
内容はイマイチはまらなかった

サイコ(1960年製作の映画)

3.5

オープニングクレジットがまずカッコいい
例のシーンはわかってても楽しいし、
息子ずっと不憫すぎると思ってたらまさかの結末で面白かった

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.5

ツインピークス的要素てんこ盛りだった
奇想天外だけどB級映画にならないのすごい

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

共感して「わかる」でなく理解できる「わかる」だった
いつか観たかったから劇場で観れたのはよかったけど映画にも鑑賞適齢期があると最近よく思う
もっと早く観たかったし、この映画が刺さらない現在に安心と寂し
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ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.0

途中まで起伏少なくてしんどかったけど淡々とでも着実に実行される計画が成功するラストスパートは気持ちよかった
基本的に艶かしいジャッキーだけど銃を構えて撃つシュミレーションするシーンが可愛い
横顔の色気
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アリスの恋(1974年製作の映画)

4.0

過去の楽しかった頃に頼らなくても現在の幸せを見つけてアップデートするまでがすごく人間らしくってよかった
モーテルとか衣装とかインテリアとかアメリカを凝縮したような要素がめちゃくちゃタイプだった
客も店
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