まやさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

真夜中のパリでヒャッハー!(2014年製作の映画)

4.0

構成もテンポ感も好きだったし、POVショットの意味性が明確だったのも良かった。登場人物たちと高揚感や罪悪感を共有できるのは勿論、POVで生まれるリアルタイム効果に対して映画内ではその映像がリアルタイム>>続きを読む

モジュレーション(1998年製作の映画)

3.8

電子音楽の黎明期から現在までを綴ったドキュメンタリー。2年ほど前に観たので記憶が曖昧。これは個人的な問題だがルッソロやケージ、シュトックハウゼンはともかくハウスやテクノなど商業音楽系は全くの門外漢なの>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

4.2

3月に午前10時の映画祭で鑑賞。3部作全て映画館で鑑賞できて幸せでした。
過去現在未来が複雑に絡み合ったパート2を挟みつつ、パート3はパート1に倣う形で「未来に戻る」ミッションを描くシンプルな構成に。
>>続きを読む

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

4.0

物語の筋に関係ない独白シーンを挟むことで「恋」を物語の一要素ではなく普遍性のある主役に昇格させるような作り方、ドラン作品初鑑賞だったので新鮮だった。フランシスがニコラに告白する場面でワーグナーのパルジ>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.0

音楽と動作のシンクロ、顔面のクローズアップ多用が印象的。犯罪の衝撃性をカメラワークではなく人物の表情の変化だけで表すのも主人公の心理の捉えどころの無さに繋がっていて良かった。ただ音楽はダサさを狙った感>>続きを読む

マイ・フェア・レディ(1964年製作の映画)

3.8

「シンデレラストーリー」という語が、短期間で見違えるように成長し「幸福」を手に入れ「成功」する一般女性の物語を指すのだとしたら、この作品は果たしてシンデレラストーリーなのだろうか……?
女性に対するギ
>>続きを読む

さよなら、ぼくのモンスター(2015年製作の映画)

4.0

単純明快な比喩表現が多くボディホラー的だったり心理描写が一人称的だったり終始ファンタジー要素が強めだったが、それが逆に主人公の諸問題をリアリスティックに浮かび上がらせ、当事者自身によるホモフォビアの顕>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.4

好きな映画だった。海の暗喩的な画面の撮り方はもちろん、音の使い方が上手いなと。話し声や音楽、環境音が主人公の心理状態の変化によって俯瞰的に音量操作されていくが、最後に主人公自身が車中でCDの音量を上げ>>続きを読む

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.2

絵画的な性描写が面白かったし、道路や魚、主人公が路上で佇むカットが少しずつ形を変えて後半で循環するような構成も好きだった。しかしストーリーは救いがなさすぎる、ここまで報われない同性愛映画&境遇の違いに>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.2

相変わらず完璧なプロット。過去がメイン舞台だったパート1と比べて過去現在未来が複雑に絡み合い世界線の分岐が描かれるパート2は不確定不完全情報ゲーム的であり、それが映画という確定的枠組みの中で実行される>>続きを読む

真夜中のパーティー(1970年製作の映画)

3.8

ゲイのパーティーに参加したヘテロ男性のホモフォビアが生々しく露呈される「だけ」の展開かと思いきや最終的にゲイである主人公自身のホモフォビア(自己嫌悪)とそれによる彼の葛藤が全面に浮かび上がってくるとい>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.5

泣いた。映画が大好きだなと思えている今この瞬間にこの映画を観ることができて本当に良かった。メタフィジカルな主題を伝える媒体としてではなく、主人公の半生の振り返りもアルフレードの言葉もパラダイス座で映画>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

5.0

昨年『ジョーカー』を観たのがきっかけでジョーカーの魅力に取り憑かれ、すかさず鑑賞したのがこの作品。
ヒースのジョーカーは予測不能でも何を考えているか分からない訳でもなく非常に脳内が整理整頓されたクレバ
>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

4.2

覚悟はしていたものの怖かったし見事に騙された。前半と後半でフォーカスの当てられる人物が違うという大胆で完璧なプロット。無害な剥製の鳥たちに囲まれた応接室が、無害な母親に囲まれ母親に支配されたノーマンの>>続きを読む

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

3.7

頭を使わずに観られる邦画を観たくなり昨年鑑賞。なるほど確固たる世界観が構築されていれば「質の高い」くだらなさを生み出せるのか。地獄が人間らしさ全開の資本主義競争社会なのに対して天国のディストピア感に笑>>続きを読む

巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

4.0

幼い頃からよく聴いていたガーシュウィンの同名楽曲が映画の中で丸々聴けるということにまず感激。ヘ調のピアノ協奏曲も聴けるしガーシュウィンの音楽を余すことなく堪能できる映画。『雨に唄えば』同様ジーンケリー>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.5

午前10時の映画祭にて初観賞。不朽のエンターテインメント作品の初観賞をスクリーンで体験できて良かった。驚くほど完璧なプロット。多少チープさを感じる展開もあったが、見事な伏線回収のお陰で帳消しに。時計が>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.8

ワーナー試写会にて鑑賞。この映画の功績は、ハーレイクインという魅力的なキャラクターを「ジョーカーの恋人(しかも彼の腰巾着的位置付け)」という約30年もの長きにわたって刷り込まれた肩書きから解放した事に>>続きを読む

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.0

ひとつの短編小説を読んでいる気分になる映画。締めくくり方も小説っぽさがあるなあと。
時代によって変わりゆく人々に対してパリの街並みが不朽の美のシンボルとして映し出される。20世紀の芸術家に会えるのが個
>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.4

予想していた以上の没入体験。全編ワンカット(のような)映像によって観客は主人公と110分をまるまる共有し、戦争という非日常/異常空間においてカット割りは不必要であると否が応でも認識させられる。冒頭と末>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

「分かっている者」と「分かっていない者」の対比を物理的な上下空間の差異で表現するという、ありそうでなかった映画。アジア映画は画面から湿気が伝わるものが多いがこの作品では多湿感に加えにおいが強烈に伝わっ>>続きを読む

レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

4.0

とにかく可愛い。レゴになった途端ナルシストキャラになるバットマン。泣き虫でバットマンへの偏愛が半端ないジョーカー。純粋なロビン。みんな可愛い。
笑いの取り方が良くも悪くも子供向けテイストではあるものの
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.2

映画として緻密に練られた作品で、アーサー(ジョーカー)を下から見上げるカメラアングルの多用やストリングスを主軸にした不安定な音楽が特に良かった。ジョーカーという狂気のスーパーヴィランに過去エピソードを>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.4

「人間の格好をした動物達の物語」ではなく「動物の姿をした人間達の物語」だなと。メタファーとしての動物世界、という設定時点での勝利。職業に貴賎アリ?な描き方は冒頭部分少々気になったものの、多様性を主軸に>>続きを読む

劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~(2019年製作の映画)

3.5

ドラマファンのための映画。詰め込みすぎたストーリー展開や派手さを意識しすぎたアクション&爆破シーンに少々違和感を覚えたり、春田と牧の平和で幸せな恋愛をもう少し観たかったなと思ったり、カタルシスの物足り>>続きを読む

ライオン・キング(2019年製作の映画)

4.0

とにかくCGがスゴい。リアルな動物達が話す人間の言葉や人間のような表情の動きに全く違和感を感じることなく鑑賞できた。ストーリーは勿論良かったのだが映像のヴィルトゥオジティに引っ張られてしまい後味はやは>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.2

一機も戻ってこなかった零戦と、美しいところだけ好きな人に見てもらおうと戻ってこなかった菜穂子。主人公二郎の見ている夢と現実が交錯する展開や登場人物たちの婉曲な言い回しが良い意味でこの作品に「曖昧さ」を>>続きを読む

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

4.5

ミュージカル映画の金字塔。さすがバーンスタインの音楽の良さがケタ違い、この作品を機に商業音楽の依頼が殺到したが実は芸術音楽を書きたかったという話も頷ける。移民問題や男女差別など「古き悪しきアメリカ」が>>続きを読む

ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.8

笑えて心温まるクリスマス映画。実際には生死に関わる状況であるにもかかわらずカートゥーン的演出でコメディに仕上がっている泥棒2人組はまるで『トムとジェリー』のトムだなと。ケビン少年の将来が気になる。

(1963年製作の映画)

4.0

ヒッチコック作品初鑑賞。この時代の映画は電子音楽の発展と関わりが深いので(実際に鳥の鳴き声は全てシンセサイザーで作られているらしい)勉強の為もあって観たが想像以上に怖かったので音楽どころではなかった。>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.8

金曜ロードショーで鑑賞。色遣い、カメラワーク、音楽、全てセンスが良く完成度の高い映画だなと客観的に見ればそう思えた。んだけど、「芸の道を極める恋人同士がそれぞれ最高に輝くために別々の人生を歩む」ストー>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.5

ハマりすぎて映画館で2度鑑賞、そのあと金曜ロードショーでも鑑賞。家族愛だとか映画(制作)愛だとか重要テーマとなる素材は多く含まれているもののそれを誇張することなく終始ライトにコミカルに「映画撮影の一部>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

天才ロックシンガーの孤独の物語。場面が移り変わる際のテンポの良さが非常に「音楽的」だなと。製作陣の熱量とQueenリスペクト精神が凄い。
家族にこだわるフレディ。彼にとって最高の家族はQueenだった
>>続きを読む

御法度(1999年製作の映画)

4.0

新選組内部での男色模様を描いた映画。映像美は流石の大島作品だし坂本龍一の音楽も最高だったがビートたけしの滑舌がイマイチ悪いのが少々気になった。これは『戦場のメリークリスマス』でも同様に感じた。
美少年
>>続きを読む

ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

4.0

ハリーポッターを知らないまま生きるのは勿体ないなどと友人に言われ昨年鑑賞。世界観の作り込みが半端じゃなくスゴい。ドラコマルフォイがただの悪ガキでまだ魅力が開花していない。原作ちゃんと読みます。

オスカー・ワイルド(1997年製作の映画)

3.8

伝記映画というのは押し並べてその偉人の残した作品より恋愛など色恋沙汰に焦点を当てがちで、この映画も例に漏れずワイルドとその恋人ボジーとの同性愛関係を描いている。ジュードロウ演じるボジーの悪魔的美しさを>>続きを読む