ネイサンさんの映画レビュー・感想・評価

ネイサン

ネイサン

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

3.0

映像の美しさは非の打ち所がないけど、ストーリーは面白くない。

特に主人公。彫像の頭部を捨てて「俺は正しい行いをしたんだ」って満足気だったけど、散々墓荒らしをしておいて自分だけ清廉潔白になろうって魂胆
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MaXXXine マキシーン(2024年製作の映画)

3.3

素晴らしかった。

ホラー映画を愛してやまない監督の美意識が作中に横溢していた。カメラワークやカットも洗練されてて眺めてるだけで楽しい。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.8

本来、一人の少年が起こした事件の発端を描くには、一見関係のなさそうな場面まで時間を遡り、家庭内や学校での出来事を余すことなく取り上げないといけないんだよな、と納得した。
多面的だし、単純じゃない。
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モンスター(2003年製作の映画)

3.3

なんて気が滅入る映画なんだ。

殺人犯にも罪に手を染めるまでの歴史がある、ってことを丹念に描いてる。
8歳の頃に父の親友にレイプされ、13歳からは春をひさいで一人で生きてきた。最初の殺人もレイプ犯から
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フェイク(1997年製作の映画)

4.0

こういう『嘘で塗り固められた関係だけど、芽生えた感情だけは本物だった』ってストーリー大好き。

ジョニー・デップの出演作のなかで一番好きかも。

アル・パチーノのうだつの上がらない小物マフィアも最高。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.0

別に目新しいところは無いストーリーなんだけど、予想した展開とはまったく違う方向に進んでいく。

主人公の内面がまったくと言っていいほど描写されないから、破壊衝動が加速するのを観ているうちに「コイツ最初
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HAPPYEND(2024年製作の映画)

3.0

在日韓国人、というか日本で暮らす外国人への解像度が低過ぎると思う。

自分は在日韓国人3世なので作中で描かれる被差別者な訳だけど、差別については周囲の人たちの方が敏感になっていたので、国籍が違うってだ
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

3.0

恐ろしいデ・ニーロを堪能するだけの映画。

主人公一家に魅力が無いから感情移入できない。

あと、ケイディが暴行した女性の異性関係が激しかったから実はケイディは濡れ衣でした、って真相が控えてるのかなと
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大脱走(1963年製作の映画)

3.0

50名の兵士の奮闘と勇姿をスクリーンに残す意義はあるし、良いところを挙げたらキリがないくらい素晴らしい映画だった。

でも、3時間の長尺に耐えた割にはラストに爽快感がなくて肩透かしを食らった。実話だか
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許されざる者(1992年製作の映画)

4.0

前半までの弱り切った姿からの、後半敵を討つことを決意して決戦の地に赴くクリント・イーストウッドの演技がとてつもない。
顔つきだけじゃなくて、纏う雰囲気まで変わってた。

ジーン・ハックマンも凄い。あん
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サブスタンス(2024年製作の映画)

3.8

エリザベスが学生時代の同級生に電話をかけるシーンが辛かった。
おそらくクラスでは冴えない男子だったと思うし、だから記憶になかった。そんな人に縋らなくちゃいけないほど追い詰められてた。辛い。

あと自分
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カリートの道(1993年製作の映画)

4.2

『アンタッチャブル』以外のデ・パルマとは相性が悪いのであまり期待せずに観たら、まぁ〜面白いのなんの!
今日までスルーしてたことを悔やむレベルの面白さ。

冒頭、銃口を向けるカットの美しさと格好良さで一
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

3.0

「とある事件を中心に据えて、事件の前後を3者の視点から描き、不幸の渦中で愛を試される姿を映す」ってストーリーなんだけど、それ以上のモノはなかった。

お互いに接点のない3人が関わることになる事件は端か
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.0

理解できてるはず。たぶん。

今の方がアニメの作画技術は向上してるんだけど、昔の方が表現を模索してるから色褪せないし面白いんだろうな。

MUD -マッド-(2012年製作の映画)

-

途中からながら見。

マシュー・マコノヒーしか見どころがない。

作中で大きな事件が起こる割には、世界が広がっていかない感じ。マシューもほぼ島にいるし。
それが子供の行動範囲を表したスモールワールドだ
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黙秘(1995年製作の映画)

3.5

隠れた名作。

生まれた土地から出ることもできず、男に虐げられる運命を甘受するしかない。そんな女性の辛さをこれでもかと見せられる。
キャシー・ベイツの熱演で自分の事のように辛く感じた。

そんな過酷な
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ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

3.7

原作がジム・トンプスンと知って納得。
容赦がない乾いた暴力描写はたしかにトンプスンだわ。

銀行強盗の計画と実行、怪我を動物病院で治療する、犯罪者が集う宿とそこで行われる決戦、スローモーションを多用し
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恋するリベラーチェ(2013年製作の映画)

3.2

リベラーチェの抱えてる問題に名前を付けたりトラウマが原因だと断定せずに、『そういう人』として描いてたのは製作陣の誠意の表れだと感じて好感が持てた。

ラストシーンの演出も最期までエンターテイナーたろう
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

3.0

よく出来てるけど、「よく出来てるなぁ」って感想しか出てこない。

この構成は映画でも小説でも多用されているので、類似作品と差別化するための個性が必要だと思う。当作にはそれがない。

原作小説は心理描写
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ノスフェラトゥ(2024年製作の映画)

4.0

Filmarks試写会にて鑑賞。

みんなが知ってる話を、とてつもないクオリティの美術と演出で、みんなが知らない面白い映画に仕立て上げた王道作品。

吸血鬼映画は派生作品も含めたら何百本も撮られている
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ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)

3.2

独特なテンポに乗れるかどうかで評価が分かれる作品だと思う。個人的にはかなり好き。

作中で発生する出来事を、大きな溜めや過剰な演出でデコレーションせずに、淡々と観せていく。淡々としてはいるが、無味乾燥
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トロピック・サンダー/史上最低の作戦(2008年製作の映画)

3.5

トム・クルーズ、主演の重責から解放されて脇で好き勝手やれたのめっちゃ楽しかっただろうなぁ〜。

マシュー・マコノヒーもいい味出してたし、この2人が同じフレームに映ってるの興奮しちゃった。

「我々は記
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ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

3.7

対照的な主役2人が追っ手から逃げる道中で絆を深める。ころころと変わる移動手段と立ち塞がる敵。カーチェイスに銃撃戦。コメディタッチで軽快に彩られたストーリー。伏線回収と温かな余韻。

すごく『映画』を観
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ミステリアス・スキン(2004年製作の映画)

3.9

キッチンでお菓子を頭から振りかけるシーンは掛け値なく美しく、傍から見ても幸福を体現してた。

だからこそニールの心に執着が生まれたし、心の底から加害者を憎むことができない。
本当に悪辣で質が悪い。
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セッション デジタルリマスター(2014年製作の映画)

5.0

何回観てもラストの演奏が始まる直前、心のなかで「イケーーーーッ!!」って叫んじゃう。

最高の映画。

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

2.9

中絶禁止がどれほどの愚行かを周知するために1人でも多くの人に観てほしい。
ただ、映画としてのストーリーテリングは上等ではなかった。

話の筋はめっちゃ簡潔。だけど状況を説明しないまま話がヌルッと進むか
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