バッシーさんの映画レビュー・感想・評価

バッシー

バッシー

八月の鯨(1987年製作の映画)

3.8

海辺の別荘で過ごす老姉妹。

妹役のリリアン・ギッシュ、90歳越えていると知ってそれだけで敬服してしまう。


一言で言ってしまうと愛おしい。

若い人には出せない味。幼い子とは別の可愛らしさ。

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がんばっていきまっしょい(1998年製作の映画)

3.8

設立から始まる高校女子ボート部の弱小チームの奮闘。76〜7年の愛媛県松山市が舞台。

ロケーションがとにかく良い。

夏合宿の寝床での会話、試合に負ける悔しさ、コーチの指導と練習。

美しい景観と瑞々
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絶壁の彼方に(1950年製作の映画)

3.7

独裁国家から逃亡。

招待された医師が秘密を知った為に消されそうになる理不尽な展開。

架空の国が舞台なのだが、驚きなのは言語もわざわざ作った架空の物とかで、現地人の会話は字幕も表記されず何言ってるか
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無能の人(1991年製作の映画)

3.7

つげ義春原作。

売れなくなった漫画家が河原の石を売る。

何故にこの話を選んだかは知らないが、目の付け所としては面白いし、原作を忠実に映像化している。
30年ぶりくらいの鑑賞。また観れて嬉しい。
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ビキニの裸女(1952年製作の映画)

3.6

ブリジット・バルドー17歳。

海底に沈むお宝探しに来た青年と灯台守の娘との恋。

トレジャーハントの話からメロドラマ、更に協力者の猜疑心から裏切りへと様変わりする中盤以降の展開。
それは当然あの美し
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.7

愛でもなければ母親でもない。

無茶苦茶じゃん。

まさしく病院じゃなく警察案件だよな。

しかし、何だか憐れにも思えた。ラストは余計な気がする。

何だかんだハラハラしてしまったのは確か。

雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.7

小5の春休みから小6の夏くらい、88年の地方が舞台。

数人集まるとヤンチャしちゃう男子達。共感や郷愁を感じなくもないエピソードの数々だが、ちょっと欲張り過ぎと思うくらいの詰め込まれた感はある。無いの
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

3.9

車の事故で恋人の家族を死なせてしまった女性の苦悩。

長尺だが、その分丁寧に描かれていて見応えあった。
人の不幸を面白がるつもりはなくとも観客である以上その側面はあるなどと余計な事をふと思いながらもハ
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.9

単純に楽しめた。

5章立てで時間経過がある分、変化もあって前作より面白かった気がするのだが。
フュリオサの急成長ぶりは唐突だが、痩躯な女性の勇猛果敢な活躍はヒロイン感割増しで痛快。
復讐の対象として
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still dark(2019年製作の映画)

3.8

盲目青年が料理人を目指す。

無理としか思えないけど、それを受け入れる料理長の度量と挑戦する青年のひたむきさ。

ハンディの有無に関わらず必要な事は覚えるしかない、それだけの事なんだろうけど、この三人
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

明治末期の北海道を舞台にした金塊争奪戦。

原作は無料で読める2巻分だけ電子版で。

歴史、バトル、サバイバル、グルメと色んな要素が盛り込まれた作品。わりと原作に忠実。

ただ文字と違い、説明台詞は実
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わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)

3.8

19世紀末のイギリス、ウェールズの炭鉱町を舞台にした家族の物語。

スト、解雇、事故、結婚、離婚、家族離散、死別。
進学、イジメ、信仰、誹謗中傷、恋愛…。

色んなエピソードが綴られていて見応えある。
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淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

3.9

半身不随の男とフィリピン人家政婦との交流。

単なる雇用関係を越えた絆。

難儀を抱える二人が寄り添い合い、互いの夢を後押しする姿が思いやりに溢れてる。

ちょっと出来過ぎ感はあるけど、心温まる美しい
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旅するエリスバン/マンコ・カパック(2020年製作の映画)

3.8

人を訪ね、職を求めて彷徨う青年。

その日暮らしの不安と徒労感。

なけなしの金での値切りも成功しない。

やっとありつけた食事の有り難さ。腹に染みるような感覚が伝わってくるようだ。

朴訥な青年の無
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櫻の園(1990年製作の映画)

3.9

春の創立記念日にチェーホフの櫻の園を演じるのが伝統になっている女子校演劇部の生徒達。その舞台が始まるまでを描いた群像劇。

再鑑賞だが、昔観た時より良く感じた。

学校行事の非日常感。
よくぞ揃えたバ
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グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.7

成人雑誌編集部の内幕。

コンビニのあの一角は要らねえとか思っちゃってましたが、確かに当事者にとっては死活問題ですね。
しかしエロとかセックスとか、一概には言えない私的な題材ですわ。

お下品なワード
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でっかいでっかい野郎(1969年製作の映画)

3.7

岩下志麻は寅さんのマドンナ役やってないと分かり鑑賞。男はつらいよの一作目と同年、こちらの方が先に公開されてる。

なかなかの破天荒ぶりだが、寅さんの完成度に比べると不足感は否めない。
お馴染みの役者さ
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長い散歩(2006年製作の映画)

3.7

奥田瑛二が監督。刑事役でも出演。

隣人の子供を連れ出しての旅。

虐待の連鎖、贖罪と巡礼、誘拐騒動。

安直な気がしないでもないが、安藤親子が脚本という事で大目に見てしまってるかも知れない。

優美
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.6

再鑑賞。

なにぶん遠い記憶。おそらく公開されて数年後の子供時分。
ハラハラドキドキ、家族皆テレビに釘付けだった記憶なのだが…。

バカな市長のおかげで焦らす展開は良いのだが、あれ?こんなんだったっけ
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キャノンボール(1980年製作の映画)

3.5

5000キロの違法公道レース。

昔観た時、そんなに面白くなかったような気がしたけど今なら案外楽しめるんじゃないかと思って観たら、やっぱりそうでもなかった。

わりと緩め、グダグダ感は否めない。

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青べか物語(1962年製作の映画)

3.8

山本周五郎原作。

もっと古い時代の話かと思ってた。

舞台は浦安がモデル。滞在する小説家を取り巻く群像劇。

語り手の作家と下世話な庶民の落差が良い。
しんみりする挿話もあるが、概ね騒々しい。
癖の
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夜の流れ(1960年製作の映画)

3.9

成瀬巳喜男と川島雄三の共同監督。
料亭の芸者達。花柳界が舞台。

娘盛りの司葉子と白川由美。
自殺未遂を繰り返す市原悦子。
三角関係で揉めた挙句の果てが仰天の草笛光子。
やたら豪快な水谷八重子(良重)
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TATTOO「刺青」あり(1982年製作の映画)

3.7

テレビ放映時の番宣CMだけは何故かよく覚えてる。

今じゃ無理かな、濡れ場もあるし。

実際の凶悪事件をモデルにしてるものの、ノンフィクションでもフィクションでもない微妙さに少し困惑。つまらない訳でも
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チャーリング・クロス街84番地(1986年製作の映画)

3.8

ニューヨークの女性脚本家とロンドンの古書店で交わされた往復書簡集が原作。

本への拘りはさほどないが、愛好家のマニアックさと店主の博識さは好奇心をくすぐる。

自分も書店での注文や古書店巡りをした事も
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きつね(1983年製作の映画)

3.7

14歳の少女と35歳のおじさんとの恋愛。

岡林信康って誰だっけ?と思ったらフォークの人か!そうだよな、名前は知ってたけど。

舞台は北海道。エキノコックス症に罹った薄幸の美少女に惚れられる中年男。
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アンデス、ふたりぼっち(2017年製作の映画)

3.8

老夫婦の暮らし。

過酷な自然。土着信仰。原始的生活。

老いて余計なものが削げ落ちた可愛らしさに枯れた尊さのようなものを感じる。

帰らぬ息子を思うふたり。常に何かしら働いているふたり。歩む速度は常
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ムーンロック・フォー・マンデー(2020年製作の映画)

3.8

少女と若者のロードムービー。

知らない人に付いて行っちゃダメだよと思いつつ、特殊な事情を抱えた少女に同情もして。

何やら過去を引きずってる宝石強盗の若者も、粗野だけど実直で気のいい奴で。

可愛い
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キープ・ランニング 終着点(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

160キロの過酷なマラソンを走る男。

医師と難病を抱えた少女。

頻繁な回想シーンと走行中の幻覚が、経緯や関係性を説明しているのだろうけど、正直分かり辛い。
何だか強迫的な主人公、亡霊のように現れる
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殺人遊戯(1978年製作の映画)

3.8

むか~しテレビで観て以来。予想以上に楽しめた。

松田優作の真骨頂、かも知れない。

野獣のようなカッコよさを明快に体現しながらも、ちょいちょい見せるユーモア。独特な軽妙洒脱さ。

前半は特にニヤニヤ
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ユキとニナ(2009年製作の映画)

3.8

子供の自然な演技だけでリアルさが増しているような気はする。
大人は寧ろ稚拙に見えてしまった。

少女の反抗と冒険は、可愛くいじらしく微笑ましい。

いたいけで無謀な決行。と思いきや森を経由していきなり
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街に気球があがる時(1961年製作の映画)

3.7

アドバルーンの監視員のアルバイト。

昼寝と読書しながらのアルバイトなんて最高過ぎる。強風やバルーンの爆発の危険もあるみたいだけど。
高層ビルが建ち並ぶ以前の古き良き時代。

楠公(なんこう)さんと池
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.8

35年間、閉じ込められてた男の放浪と出逢い。

似た設定の作品は幾つか思い付くが、これは過酷で猥雑で猟奇的。でも主人公の純粋さと周囲の寛容さで深刻さは緩和されてた印象。

幼児のような感受性、語彙は他
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

スマホを手放せず大量の本を断捨離してしまった自分には、ある種理想的な生活に見えなくもなかった。トイレ掃除の仕事すら禅修行の作務のように見えてやりたくなった。それは言い過ぎとしても、丁寧で知的な暮しとア>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.9

犬が家族。

語られる半生。壮絶な過去。

艶やかな女装姿、優しい素顔の主役の存在感に惹きつけられた。

虐待から半身不随、施設での恋と演劇、ドッグシェルターとドラァグクイーン。作り込まれた人物像と精
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きらきらひかる(1992年製作の映画)

3.7

同性愛者と結婚した女性。

奇妙な三角関係。ノーマルじゃない設定が必然的に面白いというか。

しかし現実味を帯びて破綻しそうになると、ちょっと失速。

原作小説のレビューが興味深い。映画だけじゃ伝えき
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我が家のおバカで愛しいアニキ(2011年製作の映画)

3.8

正直者のお人好しの兄が、3人の妹の家をたらい回し。

憎めないというか、寧ろ好かれる良い奴。

登場人物、けっこう多めだけどその分充実して楽しめたな〜。