ゆきのすさんの映画レビュー・感想・評価

ゆきのす

ゆきのす

囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件(2012年製作の映画)

2.8

現実は劇的な展開などない事を改めて知る1年以上に及ぶ誘拐人質事件。結末のあっけなさがそれを象徴する。身代金が支払われた者だけが解放されていく絶望感。泥沼人間模様の蟻地獄。

未知への飛行(1964年製作の映画)

4.4

政治シミュレーションとしてもサスペンスとしてもまごう事なき大傑作。緊張感を体感させるような編集の凄み。過去の話ではない。現在進行形の問題を、未来永劫投げ掛けてくる訳だが…。未来がある事を願うばかり。

なつかしの庭(2006年製作の映画)

2.8

光州事件が題材ではあるが、政治犯になってしまった彼とそれを待つ彼女の落ち着いた大河メロドラマ。時間の残酷さと潔さ。

危険な女たち(1985年製作の映画)

2.5

2時間サスペンスあるあるてんこ盛り。真面目に見るよりパロディとして見た方がいいだろうが、スタッフキャストを見る限り超本気。犯行告白→毒入りコーヒー飲まれた!しまった!!(マジか〜)

赫い髪の女(1979年製作の映画)

4.0

階下から常に豚のような奇声が聞こえる部屋での果てしない営み。「やらしいな〜やらしいな〜やらしいな〜。生きている証拠や!」生と性の本質を突かれ、我々の知る理性の欺瞞を見る。

松川事件(1961年製作の映画)

3.3

緻密な再現ドラマであり心情には踏み込まない所に誠実さを感じる。笑ってしまうような杜撰と憶測と圧力が司法の場に公然と存在していた。裁判官のにやにや笑いや検察官のあくびの再現度!

利休(1989年製作の映画)

3.4

「ただ生きていようとも思わぬ」という境地が伝わる静謐な描写が際立つ。膨らんだ障子や最後の竹藪のイメージを凝視し、暴君の狂気に目を背く。三国vs山崎。

愛について、東京(1993年製作の映画)

3.7

1992年ありのまま。全てが古臭く感じる一方、差別や偏見は何も変わってない。オブラートに包む事なくストレートに社会の気持ち悪さを描く。美化も蔑視もしない姿勢。藤岡弘と戸川純が夫婦役!

兵隊やくざ 殴り込み(1967年製作の映画)

3.5

安定の痛快娯楽活劇(もちろん日本軍批判もたっぷりあるよ)!。ちょっと大宮の無敵ぶりが過ぎる笑 敗戦に大喜びで殴り込みのおかわり!の姿が素敵すぎる。

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

1.3

とてつもなくお子様ランチ(子供なら喜ぶかというと謎だが)。文句を言い出したらキリがなさそうなのでやめときます。御免なさい。

死海殺人事件(1988年製作の映画)

3.0

キング医師役の女優さん(ほぼ無名)がいいなあ。地味で低予算ながら安定感のある推理劇。オリエント急行のようなポアロの解決力が際立つ。殺意ありありの彼らの何が大丈夫かは不明ですが笑

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

3.9

過去と現在。現在の部分が何気に効いてくる。戦前戦中(今なんだろうな)の我々の罪は消えない。田中絹代が素晴らし過ぎる!みんなは日本に背を向けて眠っている。望郷の思いもいろいろ。

その怪物(2014年製作の映画)

3.3

ウンタク! 彼女の役どころ(性格と性質)が肝。怪物と戦う美少女ものでコミカルな面もある荒唐無稽サスペンスなんだが、社会の矛盾や不備を彼女の目を通して浮かび上がらせる重厚な面も見える。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.2

これはハッピーな気持ちになる。ものの見事に人生万歳。カボチャ→羊→義姉で殺す!笑 いい話はアメリカの2本だが、ブラックな話があるからこそ。いい事や善人ばかりじゃない。妙な無言シーンにツボる。

プランゼット(2010年製作の映画)

1.5

ネガドンの懐古主義偏重ぶりが素晴らしかったのでついつい見たのだが…。熱血方向に振り切れていれば笑って見れた気がするのだけど、全編微妙。ごめんなさい。

眠れる美女(2012年製作の映画)

3.7

尊厳死というのが何語のどういう意味のどういう解釈かは不明だが、自然死の対義語ではあるまい。人間という不自然な生き物だからこそこんな謎の死が意味づけられたのだと物思いに耽る。

靴ひも(2018年製作の映画)

3.5

キャスティングが絶妙。出来過ぎのいい話ではあるが、配役の妙なのかまったく嫌味はない。彼らの社会が、自分の所属する場所より生きやすいところなのではと思ったり思わなかったり。

さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

2.2

端折りすぎなのか詰め込みすぎなのか。泣かせようという意図がみえみえ。もっとドライに歴史や現実に向き合う姿勢があったらなあ。高畑さんが見たら怒る。

別れぬ理由(1987年製作の映画)

3.0

当時はショッキングない作品として扱われていたような気もするが、結構しんみりホームドラマ。三田佳子かわいい。まあ狐と狸の騙し合い。降旗さんの完璧過ぎる演出。

奴が嘲笑う(2015年製作の映画)

3.0

ウンタク!! 二転三転する予想を上回るサスペンスかと。サービスし過ぎるのは、我々の感覚が麻痺してるからかなあ。キムゴウンの出番が思ったより少なくてストレス!笑

アリス・クリードの失踪(2009年製作の映画)

3.1

身代金誘拐サスペンス劇と書くとあまりにも陳腐なのだが、なるほどの超絶良脚本。よくできてる、面白いとしか言いようがないのがむしろ欠点。流れない薬莢!あ〜〜わかる〜〜笑

ブルー・マインド(2017年製作の映画)

2.9

わざわざ参加した遊園地遠足でみんなでラリっているのがガキっぽくてなぜか和む。水を溜めた部屋でくつろぐ?シーンが幻想的。よくある少女の変体ものだが非行の描き方はやけにリアル。

寒椿(1992年製作の映画)

3.0

藤真利子さん目当てで見たのだが出番少しでしょんぼり。女衒西田敏行が意外なほどカッコよい。良脚本良演出ではあるが、も少し予算をと思わずにいられない。安心安定の降旗印ではある。

悪魔が来りて笛を吹く(1979年製作の映画)

3.0

腕まくりした人間味溢れる西田金田一も悪くない。オーソドックスなドロドロ推理劇だが、スケールがどうにも小さい。セットのせいかなあ。あの頃密かに斉藤とも子さんに憧れていました。きゅん。

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)

4.0

彼のする事に嫌悪感を持つのは正常だと思うが、私たち誰もが彼の一部を持っている。だからこそ嫌悪する。ハネケが、あなたもそうだろ?とにやにや笑いながら迫る。
笑っちゃうお母さんのとこが好き。

浮き雲(1996年製作の映画)

3.9

ザ・人情噺なのにウエットにもクールにも振り切れない空気。波瀾万丈の末に見上げた先に浮かぶ雲の泰然さに、悠々と生きる術を垣間見る。どんな絶望にもほんのり希望が振りかけてあるのだ。

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.1

ボーッとした感じ、としか言葉に言い表せない自分が悲しい。カウリスマキ作品のエッセンスが詰まってる。何も起こってないようで人生最大級の出会いと別れが起こっていたり。

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.1

愛とか恋とか家族とか幸せとか。答えが無いことを改めて知る物語。普遍的なものがあるとすれば、それらは幻。愛の謎が解けて一人きりじゃいられなくなるなんて事は幻想なんですね(涙)。

昭和枯れすすき(1975年製作の映画)

2.9

70年代の東京が実によく撮れている。故郷を捨てて上京する事の昭和独特の哀しみ侘しさ。しかし枯れすすき感も社会批判もなくない?野村芳太郎✖︎新藤兼人でどうして? 林静一のイラストがよき。

少女娼婦 けものみち(1980年製作の映画)

3.5

タイトルとは裏腹に王道青春映画(さすがに爽やかとは言い難いが)。
浜辺の場面がどれもこれも秀逸で荒涼と寂寥の心を映す。象徴的なカモメの鳴き声のオーバーラップ演出が心にくい。主題歌もいい!

やくざ観音・情女仁義(1973年製作の映画)

3.1

石井輝男や鈴木清順風味のカルトでカオスな任侠アクションでなんとポルノ!人体損壊に血の量もたっぷり。若山版子連れ狼のテイスト。仏と人道で破戒と破壊の限りを尽くす宿命の坊主にくらくら!

隣の影(2017年製作の映画)

3.3

家族愛、夫婦愛という幻想と幻惑にとことん追い詰められた人々の悲喜劇。欧米ならブラックコメディだが、日本人は全編が笑って見れないゾッとするサスペンス。日本人にこそ刺さると思うね。

ゴッホ(1990年製作の映画)

2.9

ゴッホ兄弟に焦点を当てた本作だが、テオの妻ヨーのキャラクターが鮮烈(特に食べっぷり!)。数多いゴッホ映画の中でもヨーの事が一番描かれている。音楽と絵面がホラーテイストで不思議な味。

炎の人ゴッホ(1956年製作の映画)

2.8

ゴッホ映画の草分け。生涯を知るには映画的面白み(ザ・熱演!)もあって最適かもしれないが、いろいろ過剰。絵への執念情熱より狂気を描く事に力点があるような。

ベティの小さな秘密(2006年製作の映画)

3.6

原題「エリザベスと呼んで」。子供扱いしないでととるか女心ととるか。その按配が絶妙。大人の事情と子供の事情はなかなか絡み合わない。エリザベスがとてもとても気高い!

彼女と彼(1963年製作の映画)

3.9

人に寄り添えない現実と断絶。サザエさんが現実社会に現れて動き回ったらどうなるか? まるでウルトラQの一本のような悪夢世界。巷に溢れる些細な衝突は脈々と継がれる毒なり。

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