ゆきのすさんの映画レビュー・感想・評価

ゆきのす

ゆきのす

2001: The Making of a Myth(原題)(2001年製作の映画)

2.5

貴重なメイキング映像を見れるだけで感動ものではありますが、まあそれだけです。

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

2.6

時折挿入されるヒッチコックとは無関係な映像が妙に不釣り合いで違和感あり。これにどんな効果や暗喩があるのか分かりませんでした! テーマごとにピックアップされたヒッチコックマジックを解説されると、また見た>>続きを読む

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター(2014年製作の映画)

3.7

中高生に学校で見せた方がよい。社会方面だけでなく、人間とは何かと哲学的な思索をもたらすだろう。写真を通して地球的な絶望と希望と再生を学び、そして生きる。ベンダースはサルガドのその眼差しをフィルムを通じ>>続きを読む

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.0

中盤から作風が変わったような。前半の息詰まる転売描写のテンションを保っていただきたかった。荒川さんと古川さんはとにかくよいです。

ハロウィンII/ブギーマン(1981年製作の映画)

3.9

一作目と前後編と言っても過言ではない完全無欠な続編。殺人のバリエーションも広がり理屈抜きに楽しめるよ。駐車場をウロウロするマイケルがかわいいです。

ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

3.6

明日は明日の風が吹くさ。適当にC調に無責任である事も生きる方便なのだ。とはいえ、それを常に爆発し続けることができる稀有なトリックスター植木等誕生の物語。ホラーではないけど、彼はある種のモンスターである>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

3.9

今まで見なくてごめんなさい。素晴らしい脚本と構成に脱帽。ゾクゾクキリキリさせまくる愛憎劇。ベティの悲しみとプライド。押しのけのしあがる事に躊躇いのないイヴの執念。演技が演技を作っていく多重構造のサスペ>>続きを読む

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)

3.3

みんなはいらないと言いそうだが、なんといっても縛ってイチャつくあのラブシーンが素晴らしいですよ!笑 冷戦が物語の背景にあるのが丸見え。すなわち、物体Xとはソ連の事なんだろう。宇宙開発競争。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

市川準の映画を見るよう。発見がある日々。一番風呂とはご無沙汰だなぁとつくづく。4:3が心地よいのは何故?アナログ的な何かだろうか。楽曲のセンスが良過ぎる。どうして抱きしめたのか?泣いたのか?笑ったのか>>続きを読む

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.7

上品なクローネンバーグ。自ら脚本しない作品はグロテスク控え目にしてすこぶる丁寧な演出。趣味に走らないとこうなる(いい意味)。

豚鶏心中(1981年製作の映画)

3.6

薄々は知ってる世界の真相をきっちり見せてくれます(この歳になるとだいたい既知だが)。若いうちに見ておきたい映像の数々。ひろ〜。オルゴールの旋律が美しい。普段、私たちが目を背けているものが厳然としてある>>続きを読む

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)

3.8

冒険コロポックル+ミクロキッズ。ミニチュア世界のリアリティに舌を巻く。世界を救うような話じゃなくてホッとする。アリエッティたちが何を返したのか、そこに思いを馳せて見るのがいいんだろうなあ。お返しは、生>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

2.8

壮大で雄大で美麗この上ないのだが、物足りないのは一作目と同じく妖しさいかがわしさ。オシャレでうっとりするような映像から人間の暗黒は見えてこない。

ベン・ハー(1959年製作の映画)

3.6

ハリウッドの本気を見るならこれがあらゆる意味で決定版だろう。壮大な復讐劇の後に宗教的救済で締めるところから、その傲慢さと狡猾さが見えるのだが、アクション冒険活劇史劇でケムに巻く超弩級エンターテイメント>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年製作の映画)

4.2

24年年忘れカウリスマキ祭り延長戦。クレイジーキャッツですな!この世のあらゆる思想を嘲笑う快作。最高最強!!楽曲は個人的には前作以上にご機嫌。今年フィナーレに相応しい作品。

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)

3.9

24年締めの一本。優しい!優しすぎるかもしれないが、それが肝心。演出演技はいつも通りだが、冷徹な視線からの哀しみおかしみより、圧倒的に希望と夢を追求する本作。これ程に現実の難民問題は深刻なのである。

あしたの少女(2022年製作の映画)

3.7

社会には一見合法的な奴隷システムがあるということの告発。かなり重苦しいが、ソヒがキレる場面はどこもスカッとする。殆ど笑わないペドゥナが事態の深刻さと救いのなさを象徴している。

次の朝は他人(2011年製作の映画)

3.8

どのキスシーンもとってもドキドキ。それぞれ微妙に違う同じ日を繰り返すある意味ループもの。SF?的な味わいでいつものダメ男女のバトルロイヤル会話劇。物語はあるようでない、軽薄である事についての多角的考察>>続きを読む

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.6

怖すぎないのはいつも通り。だいたいヤリすぎになってたこれまでだが、あまりやり過ぎてない事にむしろびっくり。霊界ミミズもどきには胸躍る。工藤ちゃんの問題だった!という恐るべき展開。

パリ13区(2021年製作の映画)

3.7

トレンディドラマ風恋愛劇なのだが、登場人物にマイノリティを配する事で独特な無国籍感が印象的。3人の女性が痛々しくも生き生きと描かれる一方、男性は空気。女性映画の傑作ではないか。

銀河英雄伝説外伝/わが征くは星の大海(1988年製作の映画)

4.0

久々に見るも、古臭さは微塵も感じない。これからの壮大な叙事詩の序曲として極上。その荘厳さは新作とは比べられるものではない。特に男性キャラは、こっちの方が圧倒的によいと思うよ。

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)

2.5

御伽話としては悪くない。でも…キャラクターが、極端に修正されたプリクラを見ているようでかなりの違和感。そして、アクションシーンの説得力の無さに辟易する始末。私にディズニーを観る資格はないのかもしれない>>続きを読む

彼が二度愛したS(2008年製作の映画)

2.8

どうして罠にハマったのか。なぜ好きになったのか。奸計の様こそが肝なのに、悉く説明不足でご都合主義。詰めが甘過ぎる。いや、詰められてない! 街で見かけた好みの人の事を何度見もしてしまうあの感じは分かるー>>続きを読む

桜の樹の下で(1989年製作の映画)

2.7

脆く儚い岩下志麻も悪くないが、個人的には若さにものを言わせる七瀬に軍配。津川の「したい」の一言がとてつもなく色っぽいのはよいが、最後はもっともっとひどい報いがあって欲しかったよ。二兎を追う者、一兎をも>>続きを読む

仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル(2022年製作の映画)

2.4

シリーズ全48話完走記念。ありがちなディストピア設定にうんざりさせられるが、10年後の皆さんを見るというのはまぁ感慨深い。ラストシーンにはびっくり仰天。特典の対談の方が面白かったっす。 

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.2

老女が歌って踊って殺す比類なき怪作。リンチの原点。これを何十年も見過ごしてきた人生に愕然としつつ、こうしてようやく巡り会えたことに感謝。アイスクリームを買うジェーンが美しいったら!

ハハハ(2010年製作の映画)

3.9

退屈だとか面白さが分からないとか評されるのもよく分かる。でも私はいつまでも見ていられる。同じような男女のバカ話を手を変え品を変えの構成の妙が味。交わりそうで交わらない奇跡の物語。

コクリコ坂から(2011年製作の映画)

4.0

嫌な人間が一人も出てこない。ある意味、とんでもなくファンタジー。丁寧さに満ち溢れた良作。特に登場人物たちの小走りする作画が素晴らしい。宮崎印だけど高畑風。かなりすき。

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

4.0

隅々まで繊細。あっという間に肩がつくアクションが超リアル。顔面破壊多。赦しなのか、最後の晩餐なのか。暴力的愛に溢れた家族の行く末。暴力という時限爆弾をそれぞれが抱えた家族はとこへ。節度あるクローネンバ>>続きを読む

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.3

現代の世界の縮図でありつつ、社会主義的なものをも否定する。もはやイデオロギーをもって社会を良化させる事は不可能なのか。どっちを向いても世界は地獄なのか。光を見る事ができる人間になりたいとは思うのだが。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

夫婦の落下の様を事細かに考察解説する作品であって、落下死について述べられるものではない。ある人物のかなり偏執的な罠にハマるのは誰か(我々もなのだが)。そういう意味では、相当に上質なミステリー。

猛獣大脱走(1983年製作の映画)

3.6

ずーっと見たかったやつ。アマプラありがとう。猫科動物が本気で人間を食しているかに見えるシーンがえぐい。シロクマがラスボス?その絶望感たるや!本物はやっぱりすんごい。子供達が襲ってくる結末はかなりショッ>>続きを読む

パラレル 多次元世界(2018年製作の映画)

3.5

成功という麻薬。やり過ぎて手痛すぎるしっぺ返しを受ける訳だが、やりたい放題やれたのだからそれはそれで幸せな事でしょうとも!因果応報の素晴らしいラストでした。掘り出し物だと思う。

時の支配者(1982年製作の映画)

3.5

妖精の言う人間の「考えが臭い」が唸らされる。そして「人間てやっぱり頭がおかしいね」。結局、ペルディド星に辿り着けないという衝撃展開!色味が完全にメビウスでグッとくる。動いてるメビウスを見れるというのは>>続きを読む

愛のそよ風(1973年製作の映画)

3.8

おじさんとしてはとっても夢のあるいいお話だったでござる。一年でもいいのである。「私たちに起きてる素晴らしい出来事を感じてよ。少しも逃したくないの」イーストウッドはどうしようもないロマンチストだね。

配達されない三通の手紙(1979年製作の映画)

3.2

一見空気な小川真由美や竹下景子に意外な役どころが。重厚さは感じないが骨太な王道ミステリーにしてサスペンス。松坂慶子はこの手の不幸キャラをやらせたら絶品。探偵役神崎愛含め女優陣見事。