母性は女性に本来備わっているものなのかとうか。そんな都合のいいものではないよね。出てくる人物の殆どが結局母性という幻想に振り回されてる悲しい物語。最後の主題歌?いらないんだよなあ。
荒涼としたさびれた観光地の風景がしみる。山田さんはじめ俳優陣の好演が映える。日の当たらない空気感。簡単に死ぬ人と死ねない人の愛の彷徨い。
往年の青春ポコチン映画! 叶わぬ恋ほど美しい思い出になるって事なんでしょうねえ。
古き良き文芸作の作法に則って作られていて、作家性はもうひとつ。虐げられてる女性の方が(娘も含めて)支配する側の男よりとてつもなく逞しく見受けられるのは何気に痛快でもある。
愛欲強欲貪欲‥あらゆる欲の滑稽さ。自由というより奔放なイマジネーション!ついていけない笑 感情の迸りを余す事なく表現しつつ、その発芽の機微は徹底的に省略。苦手だけど見たよ!
放火!!ポパイを怒らせてはいけません。ハックマン走りまくる!銃撃一発。終わり方の切れ味!!理屈抜きで楽しいー。
私たちが「心のない人」と考えてしまう人が実際に存在する事をまざまざと思わせる阿部サダヲの怪演に戦慄。白石さんの情け容赦ない暴力描写にも震える。怖かった!
黒谷さん、スタイル良すぎ。物語は陳腐だが、子供を持つ意義については真摯に描かれている。社会的道義より子を持つ意義についてを誠実に真剣に。
すがったりすがられたり。情に振り回されたり。情と肉欲に翻弄される男も女も案外多いのだ。だるくて不健全な空気が、私たちのよく知らないパリに漂う。
決して悲壮感がある訳でも陰鬱でもないが、見てて悲しく沈痛な気持ちに。作中、表面上描写されない貧困ぶり(売春や万引きや産婦人科)をしっかり感じさせる。ポップでキュートだけど、ザ・リベラル。
結局、人の心も気持ちも分からないのだ。だが、それを思い知らされる事は恐ろしく辛い。寡黙と隙間って案外饒舌だけど、この作品はなかなか悟らせてくれないのだ。
「無意味な空騒ぎ」。毒にも薬にもならないこの感じが好き。幾つになっても誰でもどんな時でも恋ができる。だからと言ってうまく行くとは限らないという極上の皮肉。
今の世界は(日本は?)こういう軍備軍拡大事空気なんだよなあ。私たちは日頃テレビやネットから宣伝戦略を受けているのである。謎の催眠術師とはメディアそのもののことだ。
露骨な戦意高揚作。どんなに柔らかく可愛らしく描いても不吉な圧が至る所に。クオリティは驚くほど高く、見どころ多数。日本のアニメの礎にして目標とされる事に頷く。
二人しか人間は出てこないのですが、スケールはとんでもなくでかい! 人間を絶滅させないために絶滅と再生を繰り返す世界。マザーの時間感覚の大きさ。
ルノワールっぽい映像!それに尽きるというか。おそらく、ここに描かれてる事が全てなのだ。芸術家伝記ものは多数あるが、脚色が過ぎるものが多い印象なので、案外こんなものなのでは。
ファンタジー要素は皆無なのだが、タイムスリープ物を見てるような気になる恋愛?劇。ありふれた人たちのありふれた奇跡とでも言おうか。幸せってなんだろうね。
家族の対応や翌日に鞄を取りに行く事とかありえない感じがむしろ現実的でぞっとする。決してない話ではないだろう。
昭和の典型的貧乏不良青春劇。そここそがポイント。こんな時代があったのだ。関根恵子16歳がとにかくいじらしく、そして哀しい。
分かりやすずぎる脚本と演出は、若年層への忖度?沢尻✖︎寺島のシーンもウソっぽい。絵面に寄せすぎた弊害。生々しさ優先じゃないか?吉川こずえの方がりりこっぽい!
幸せなおじいちゃんの旅。這いつくばって生きる人々のよい話。道中出会う人々の顔ぶれ(俳優陣)が豪華すぎて、逆に世知辛さや温かさに現実感がないのがたまに傷。
映画、ショービジネスという狂気。幻の父性の存在。実際はここまで陰惨ではなかったかと。偽悪が過ぎる脚本にかなり引いてしまうが、彼女の運命を見届けたい気持ちにはなる。
本格戦争映画になる素材だと思うのだが、ファンムービーの域を出てないような。安彦節は堪能できました。
惨劇とその後の顛末に2度唸る。発達障害や自閉の人たちの気質を完璧に捉えていると感じる。また一般人の悪意ない偽善と傲慢、無神経も十二分に示す。人間は誰しも見えない悪意を抱え切れない程持って生きているのだ>>続きを読む
今村昌平の得意とする破天荒群像劇。セットは、当時としてはすごく頑張ってるのだろうが、セット感は否めない。最近のCGやVFXに慣れるとこのような弊害が。泉谷しげるがあっぱれすぎるよ!
ドヨン! 殺し屋を描くならキルビルみたいにぶっ飛んでるか、もしくは批判的な見解も盛り込んで欲しい気持ちに。シンママで殺し屋の事情が中途半端かと。
なんと初見。三連続で見る程大興奮した。ギャング軍団より立てこもりチームの方が圧倒的に殺戮マシーン。「主流に向かう事が我慢できない」男カーペンター演出の疾走感とケレン味連発に感嘆の嵐。
工藤ちゃんが「頑張れ!奇跡を起こせ!」って励ますところはグッときます。長澤さんの絶望する眼には打たれましたが、半分以上目を背けてました。きついっす。愛を試さないで!
ノワール風味の小津安二郎異色作。原節子はじめマスク姿の人が時折出てきて異様さに拍車をかける。社会の裏側をもスケッチしていく。素直になれない生きられない救われない。でも生きる悲しみ。
芸者と愛人という行き止まりのような状況に佇む岩下志麻の慕情に言葉を失うが、凡庸に感じてしまうのは時代的なものだろうか。岩下と加賀まりこを堪能するアイドル映画みたいなものかもしれない。
ドヨン!冬ソナのヨン様ブーム時の作品で敬遠していたのだけど、これが掘り出し物。古典喜劇の側面がありつつも悲劇へ一直線。源氏物語をも彷彿させる。性の悦びと残酷さが怖い程伝わってくる。
おそらく後半途中からはヒロインの妄想なのではないか。歴史にも人生にもifはあり、ifと現実の価値は計れないのだ。一見爽やかなようで極めて偽悪的な構成に誰もがモヤモヤするだろう。すき。
「美しい日本」なるものを構築する為の醜い人々。にしても、映画に出てくるこの人たちの面白さ!(面白がっていいのか笑) 彼らがこの国を牛耳っている事を身に染みよう。聞いてはいけない事を深掘りしまくる構成が>>続きを読む
自由とは。愛でさえ、私たちはどれ程自由意志より世間や社会に縛られ制御されている事か。人でなくなることこそが自由なのか。人である限り自由にはなれないということかもね。彼はロブスターになれたのかなあ。
本物の人馬群衆劇日本版をおそるおそると。肝心の合戦場面、殆どの動きがもっさり(リハーサル映像のような)。赤と黒の鎧で戦う大軍団は、止め絵にすれば戦国映画屈指の美麗さ。ロケ地の景観も手伝って雄大かつ壮大>>続きを読む
ローマ帝国ものにハマってるのでトドメに決定版?を。娯楽に徹底した脚色で綴られる帝国滅亡の序曲。名優競演と水増しなしの馬と人、巨大セットにもんどり打つ180分。大味も味でしょうとも!