ブルジョワ主婦の不倫と没落。文学的と言えばその香りはあるものの背徳感が物足りない。彼女の狂気こそが真のテーマだと思うが、演出や音楽が健全?過ぎるのかどうにも中途半端な印象でした。
もちろん初見ではないのだけど。この時期のゴジラシリーズの中では特撮・物語共に出色。岸田森の使い方が素晴らしい!!大宇宙ブラックホール第三惑星人、詰めが甘過ぎましたな!楽しい。
劇的な出来事がないのがむしろ清々しい。見る人が自分たちの問題(立場や立ち位置、気持ち)を率直に感じる事ができる素敵な作品。区別や差別との付き合い方のヒントがたくさんある。
想像していた通り、映画になると強烈な山本直樹臭が。褒め言葉のつもりです。主演二人の華のない雰囲気が絶妙過ぎてビビる程(失礼な言いようで申し訳ない)。もちろん褒め言葉です。
所々アグレッシブな演出が心憎い(カメラに語り出す、現在と過去が同じフレームに、ギュイーン)。ジャンユーグアングラードさんは下半身出す事に躊躇いがない!再生を謳ってはいるが、堕落に抗えない事もまた響いて>>続きを読む
いかにもなギドク脚本。彼が撮るにはベタすぎだったか。美とは?愛とは?を巡る悲しく恐ろしい成り行き。悲壮感より衝撃性寄り過ぎの印象が強い。もちろん救いはどこにもありません。
盲目の儚げな美女が殺人鬼におどおど怯えまくる!ミアファローの十八番。すぐ隣に転がる惨殺死体に気付く事ができないという異常性、最終盤まで見るものにも犯人が見えない演出。見どころ多。
実話ベースにしてはリアリティに乏しく、劇映画としてはパンチが足りない微妙な雰囲気。おそらく今でも描けない逸話はまだあるのでは。ミシェルウィリアムズ目当てで見ただけですが。
松川事件の続編をこういう形で作るとは!喜劇として戦後社会の混乱荒廃と政治権力の腐敗を扱き下ろす。だが、巨悪小悪という視点も意識しながら見るべき。泥棒も悪である。
今更ながら。シンウルトラマンより面白いじゃないか!アングルやカット割、ポージングなどやってる事はほぼ同じ。手作りしてる分こちらの方が好感度も興奮度も高いよ。庵野かっちょいい。
コメディなのかサスペンスなのかぼんやり。そのアンバランスを楽しむものなの? 意外な(でもないか)結末にはむしろちょー納得ですが、それでももっと捻って欲しいような。黒木さんは素敵でした。
原田さんの「おいで!」だけで元は取れました。TV版を完走した人の為のご褒美というかオマケというか。
文字の誕生物語。アクションもどんでん返しもないが、娯楽映画としての完成度の高さ!(好演と練られた脚本)。言語学入門としても素晴らしいものが。知的好奇心が社会を変える礎となる様に興奮。
圧倒的アメリカの自然美もあって奇跡の愛の物語だとと勘違いしそうになるが、至極王道の許されざる恋物語。世間に合わせたり振り回されたりを懇切丁寧に破綻なく描けたのは監督の手腕によるところ。
同監督の利休の続編と言っても過言ではないが、趣きは違う。前者がもののあはれならば、今作は諸行無常か。仲代達也と三國蓮太郎頼みの時代劇という感は否めない。若き宮沢りえの破壊力たるや!
赤ん坊を抱いてヤギを引っ張って荒野を歩く大宮がよき。戦後の混乱期が舞台で、これまでのシリーズとは異質。夏八木さん、悪人すぎ。あまり言いたいとは思わないが、ボーイズラブ全開です笑
苦虫を噛み潰したような表情をさせたら世界一のミシェルウィリアムズで大満足。憎まれ病んでいるアメリカ合衆国を浮き彫りにする事もテーマであり、再生のヒントを全ての人に訴える。
ドヨンドヨン! アクションシーンがスタイリッシュ過ぎないか? シンプルなのでいいです。やくざ、チンピラさんたちに味わい深い役者さんたち多し。脚本も演出も軽妙かつ洒落てる。でもなんか…薄い。
20年間ゴッホの複製画を描き続けた男が初めて本物のゴッホの絵を見に行く。ああ、オランダの土産物屋!!彼は自分自身の絵を描いたことがない。失望を丹念に描き、人生と生活を共に見つめる。
もうひとつの本土決戦。樺太では、終戦の日に戦争が始まっていた。豪華出演陣は、仕事としてだけこの作品に加わったと思えない。多くの人に伝えたい気概を感じる。二木てるみの達観したかのような眼差しに打たれまく>>続きを読む
怒。何も解決しない。子供受け(家族受け?)に全振り。新旧オールスターキャストが延々とテーマパークを楽しんでる感。恐竜特撮は極まってるのになんとも歯痒い。物語にも期待した私が愚かでした。
シンウルトラマンと同レベルっす。ベタなギャグと特撮パロディに特化していて、割り切って見れば楽しめるのでは?きっちりオチもつける姿勢は好印象。宣伝と前評判に作品も客も踊らされてしまった不幸な作品かと。
メフィラス戦まではリスペクト&パロディとして楽しめるが、後半は完全に蛇足。上原金城市川イズムの欠片も感じさせず、せめて「何故人間の事がそんなに好きになったのか」掘り下げる意気は欲しかった。
ぼんやり見ていると辛く悲しく涙を誘う感動の物語かもしれない。が、ツル(乙羽信子)を取り巻く全ての人間の偽善に呆然唖然憤慨。市民とは我儘勝手な独善者集団。怒りとその自覚を促す正に日本の「道」。
現実は劇的な展開などない事を改めて知る1年以上に及ぶ誘拐人質事件。結末のあっけなさがそれを象徴する。身代金が支払われた者だけが解放されていく絶望感。泥沼人間模様の蟻地獄。
政治シミュレーションとしてもサスペンスとしてもまごう事なき大傑作。緊張感を体感させるような編集の凄み。過去の話ではない。現在進行形の問題を、未来永劫投げ掛けてくる訳だが…。未来がある事を願うばかり。
光州事件が題材ではあるが、政治犯になってしまった彼とそれを待つ彼女の落ち着いた大河メロドラマ。時間の残酷さと潔さ。
2時間サスペンスあるあるてんこ盛り。真面目に見るよりパロディとして見た方がいいだろうが、スタッフキャストを見る限り超本気。犯行告白→毒入りコーヒー飲まれた!しまった!!(マジか〜)
階下から常に豚のような奇声が聞こえる部屋での果てしない営み。「やらしいな〜やらしいな〜やらしいな〜。生きている証拠や!」生と性の本質を突かれ、我々の知る理性の欺瞞を見る。
緻密な再現ドラマであり心情には踏み込まない所に誠実さを感じる。笑ってしまうような杜撰と憶測と圧力が司法の場に公然と存在していた。裁判官のにやにや笑いや検察官のあくびの再現度!
「ただ生きていようとも思わぬ」という境地が伝わる静謐な描写が際立つ。膨らんだ障子や最後の竹藪のイメージを凝視し、暴君の狂気に目を背く。三国vs山崎。
1992年ありのまま。全てが古臭く感じる一方、差別や偏見は何も変わってない。オブラートに包む事なくストレートに社会の気持ち悪さを描く。美化も蔑視もしない姿勢。藤岡弘と戸川純が夫婦役!
安定の痛快娯楽活劇(もちろん日本軍批判もたっぷりあるよ)!。ちょっと大宮の無敵ぶりが過ぎる笑 敗戦に大喜びで殴り込みのおかわり!の姿が素敵すぎる。
とてつもなくお子様ランチ(子供なら喜ぶかというと謎だが)。文句を言い出したらキリがなさそうなのでやめときます。御免なさい。
キング医師役の女優さん(ほぼ無名)がいいなあ。地味で低予算ながら安定感のある推理劇。オリエント急行のようなポアロの解決力が際立つ。殺意ありありの彼らの何が大丈夫かは不明ですが笑
過去と現在。現在の部分が何気に効いてくる。戦前戦中(今現在もなのだ)の我々の罪は消えない。田中絹代が素晴らし過ぎる!みんなは日本に背を向けて眠っている。望郷の思いもいろいろ。