ゆすけさんの映画レビュー・感想・評価

ゆすけ

ゆすけ

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

“時間”という概念に対して独特なアプローチをとるノーラン作品の特徴的なスタイルは健在ながらも、かつてない重厚なストーリーと観客の緊張感を最大まで高める映像表現の緩急には文字通り手に汗握った。

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.8

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前スーサイド・スクワッドよりもコメディ要素多め、お馴染みの顔ぶれもカメオ出演しておりジェームズ・ガン節が炸裂。良くも悪くもノリが軽く、どことなく漂うB級感は人を選ぶかもしれない。俺は割と好き。キャラの>>続きを読む

サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.9

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こんな社会派の映画だとは思っていなかったので虚をつかれてしまった。貧困から始まり、家族関係、友人関係などの様々な要素が底なし沼のようにトニーを底辺の生活へ引き摺り込んでいるが、当の本人がそれに気付くの>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.1

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とても難しい映画ですね。戦争は正義と正義のぶつかり合いであって憎み合いではない。ハラとローレンス、ヨノイとセリアズ、生まれも育ちも違う彼らは国や立場の垣根を越え惹かれあっていた。ある意味では、最も純粋>>続きを読む

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

4.0

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前々から観たかったが、ティモシー・シャラメによる前日譚が公開されたので、予習も兼ねて鑑賞。

やはりどうしてもティム・バートン版「チャーリーとチョコレート工場」と比較して観てしまうが、話の本筋はティム
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.1

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自分たちの持つ価値観にそぐわない生き方をする者たちを、自分たちの価値観に無理矢理はめ込んで理解した気になるという、排他的な社会を痛烈に批判している作品だった。

日本には差別はないと言われたりもするが
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

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コンセプトが面白い。近年問題視されている行き過ぎた抗議活動への風刺を交え、肉食主義派と菜食主義派双方の”信条”をキーワードに話が展開。どちらか片方のプロパガンダにならないよう両者互角の狂気を見せてくれ>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.8

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愛するブタを盗まれた男が、そのブタを取り戻すために奮闘する物語。怒らせたら実はヤバいやつだった系の復讐劇は最近よく見るが、ロビンは暴力ではなく持ち前の人生観と料理の腕で人々を説得していくのでアクション>>続きを読む

ニューオリンズ(1947年製作の映画)

4.2

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ブルースやラグタイムといった本格ジャズにのせて、メラリーとニックの恋模様とジャズ普及の歴史を追っていく話。センシティブな生い立ちを持つジャズミュージックだけれど、人種や性別の垣根を超え全身で音を楽しむ>>続きを読む

[リミット](2010年製作の映画)

3.3

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ワンシチュエーションスリラーってなんかこう絶望的な状況をいかに打開していくかが醍醐味だと思ってたのでなんの進展もなく、犯人の動機もよく分からないまま終わってしまってびっくり。シチュエーションが面白いだ>>続きを読む

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ガイ・リッチー作品ではお馴染みの、複数の物語が絡み合っていくスタイル。それぞれのキャラが立っているからどう絡んでいくのか予想しながら観るのも楽しい。シリアスな状況にもどことなく抜けた空気感が漂っていて>>続きを読む

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.7

格差社会の問題を、延々と続く階層として描き、その問題性を浮き彫りにした良くも悪くもシンプルな作品。ドン・キホーテの物語に準えているのかなと勝手に解釈したが真意は不明。皆んなが言うほど退屈な映画では無か>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

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「シン・ゴジラ」が変態(褒めてる)怪獣映画なら「ゴジラ−1.0」は超王道(これも褒めてる)怪獣映画という感じ。

本作のゴジラは人間一人一人を明確に認識していたのが気味が悪くて怖かった。人間を捉えなが
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.1

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登場人物が多く、相関関係も複雑な上に扱う内容もかなり重たいのでなかなか頭を使うハードな作品だと思った。予め基になった事件について調べておくべきだったかなーと個人的には少し後悔…。本編は中弛みもせず、な>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

前半は夢をつかもうと必死に努力するも、上の人間にはまともに取り合ってもらえず、笑わせることも笑われることも出来ず、社会から見て見ぬふりをされている主人公に同情してしまう。誘拐劇からの展開は、除け者にさ>>続きを読む

アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

こういうお馬鹿映画は今まであんまり観てこなかったけど、なぜか和訳が関西弁だったりアクションだけ妙にクオリティが高かったりで普通に面白かった。ステレオタイプのオンパレードで観る人によっちゃ発狂ものかもし>>続きを読む

ランボー(1982年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

怒れる男ランボーが繰り広げる復讐劇かと思っていたら、終盤、ランボーが声を大にして胸の内を明かす台詞で見事に意表を突かれた。ベトナム戦争の是非とか退役軍人に対する扱いとか、色々考えさせられた。

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