中村裕太さんの映画レビュー・感想・評価

中村裕太

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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

3.8

記憶していること 忘れること 記憶する中で取りこぼすこと
あり得たかもしれない世界をあるものとすること

亡くなった友人が残したフィルム
アナログからデジタルに変換するときになくなるもの
認知症のおじ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.9

設定や始めの話の流れから結果がある程度想像できると思いながらも観た。

景色の中で人間を撮るのがうまいなーと思いながらも今回はズームの仕方に技を感じる。

遠くにいる対象に対してゆっくりとズームする、
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クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.5

建築映画祭2023に合わせて観賞。
カメラの上下の動きが面白い

雪夫人絵図(1950年製作の映画)

4.0

建築映画祭2023にて観賞。
どのカットも緊張感があってよい。特に人二人が画面の端にいつつ遠近を作る構図。人物の動きで遠近関係が変わり、それが二人の関係の動きに合っているのが面白い

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

3.6

あらすじに引かれて鑑賞。
ただ、あらすじが面白すぎてそれを越えなかったという感覚。史実に基づいた話を映像化する難しさなのかもしれないけど、緊張と緩和の差がよりあるとグッときたのかもしれない

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

長きにわたって続いた北アイルアンド紛争を扱った映画。Wikipediaに載っているような宗派や政党は背景に留められ、映画は主人公である少年の目を通して進んでいく。
ある種よくある構図、よくある演出の嵐
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

子役のウッディーノーマンの演技が素晴らしかった。
uncontrollable な他者との関わりというのは常に答えがないものであるし、もはや多様性が謳われる今の時代では、答えがないという答えと態度が最
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アネット(2021年製作の映画)

3.9

アンのオペラのシーンで森と舞台を行き来する演出がかっこいい。
ミュージカル、という形式はまだ慣れないが、この映画でミュージカルだからこそなせるリアルみたいなものを垣間見れた気がする。最後のアネットとヘ
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.0

「疎外」を感じる三人の恋愛模様。
三者三様の意地悪でたまに棘のある物言いが愛おしい。

リアルだとは思わないし憧れもしないけど、性愛へのまなざしと描き方はいいなと思う。

Lucie Zhangのダン
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.4

途中から涙が止まらず泣きに泣いた作品。

自分が見えていない、想像できていない世界がまだまだあるということに気づかせてくれる。

そしてそんな世界の見え方を教えてくれるのが映画であり、映画館で見ること
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.7

モダニズム建築礼賛。

First Financial Bank(Debora Berke)の前で車を隔てて二人が話すシーン(照明が車体に反射して二人を渡しているところがよい)、エリノアとジンが話すの
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.3

全てが絵になるとはこういうことか、と唸ってしまうくらいに全てが美しい作品。

北イタリアの自然や街並みの中で瑞々しく躍動する二人の感情。そしてそれらを優しく見守る周囲の人たちも温かい。

特筆すべきは
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.5

構成美と色彩美に浸れる。差し込まれる音楽も心地いい。
自分にもう少しウェスアンダーソンやフランス映画、演劇的展開の映画への理解があればさらに楽しめたのかな、と思った。数年後また見返してみたい。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

2時間59分の長さがあっという間に感じるくらい、むしろもっとこの世界に浸っていたいと思わせられる映画だった。

濱口監督らしく、今回も演じること、嘘をつくこと、言葉を声で発することが通奏低音的にテーマ
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mellow(2020年製作の映画)

3.7

映像がとても綺麗。そして子役の子の演技がとてもよかった。
劇中で繰り返させる「ありがとう、でもごめんね」の言葉が切なくも優しい。

街の上で(2019年製作の映画)

4.5

下北沢はみんな顔見知りで歩けば誰かにあう、けれどそれぞれの世界に深くは干渉しない、ミクロコスモスみたいな街。田舎みたいな人の距離感もあれば、都会的なドライさもある。そんな下北沢の空気がそのまま形になっ>>続きを読む

あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

4.3

パラレルワールドが孕む美しさは、二つの世界が背反し、どうしたって取り返せないという儚さ切なさが生むのかもしれないと思った。

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

人が何かを演じる、ということに焦点を当てた作品だと思った。想像し演じることは何か滑稽さやぎこちなさを生みがちであるが、それらを突き抜けた先に人を救うほどの強さがあることを見た気がする。嘘が本当になる瞬>>続きを読む

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

4.0

Retrospective2021で鑑賞。「コンテンツ」や「守備一貫性」みたいものが価値あるとされている世界に対して、人の人生なんてこんなもんだ、とサラッと見せられた感じ。脱獄している最中なはずなのに>>続きを読む

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