Nomadlandでアカデミー賞の監督賞を受賞したChloé Zhaoによる2作目の長編映画。配役、場所、シーンの全てからauthenticityへのこだわりが感じられます。
一般人としての感覚では限られたアップサイドに対して無限のダウンサイドしかない競技に見えるけど、そこにロマンを感じプライドと命をかけて挑むカウボーイたち。他に生きていく術を知らず、重傷を負っても尚そのアイデンティティにしがみつく主人公。
言葉も文化も異なる環境で生きている身としても、主人公が直面した過去と現在の断絶、周りが持つ自分への期待と現実のギャップを経験したことはあり、その葛藤が自分と重なります。
特定の人物と環境を選びながらも、誰もが共感し得る普遍的なテーマを扱っており、Nomadlandと通じるところもあり、監督が作品において目指すものへの理解が深まった気がしました。