Lisaさんの映画レビュー・感想・評価

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

久しぶりに心から感動した作品。
記憶の中でのみ生きる過去の自分と、それとは別人ともいえる今の自分。それぞれねじれの位置にある中で、あるきっかけで接点を持った時に起きる心のざわめきとアイデンティティのせ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

登場人物の関係性、ダイアログ、テンション、すべてがリアルな作品。
夫(父)の身に何が起きたのかというミステリーが根底にあることは最初から明示されつつも、妻(母)の主張の真偽は主眼にはなっておらず、真実
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

3.8

メキシコの映画界を世界レベルで有名にし、Iñárritu監督の名を知らしめた作品。
犬を介した暴力・死をめぐるシーンが多く、鑑賞中に思わず動物愛護の観点で問題ないのかチェックしてしまうほどでしたが、ネ
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.4

Promising Young WomanのEmerald Fennell監督による最新作。
異なる階級間のダイナミクスと先入観による真実の歪みといった既視感のあるテーマが扱われています。
そのためか
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Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

3.8

昔似た業界で働いてました。
ほとんど男性ばかりで(むしろ上は男性しかいない)ハイリスクハイリターン、究極の結果主義が掲げられ、人材の流動性は高めでした。
二次会でエロいバーやキャバクラに行くのは当たり
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

FOX NewsのRoger AilesとBill O'Reilly。NBCのMatt Lauer。Harvey Weinstein。Jeffrey Epstein。
#MeToo運動が広がり、富と名
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バービー(2023年製作の映画)

3.7

そもそもリカちゃん人形よりもシルバニアファミリー派だったのでバービー自体に愛着がある訳ではないですが、幼少期を米国で過ごしたため身近な存在ではありました。
人形よりもブランドとしての存在感がすごくて、
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

総括すると全然理解できた気はしないけど、アートとして楽しめるような独特な世界観と画の美しさと、なんといってもぶっとんだストーリーに引き込まれ、満足できました。
事前にレビューを見て、よくわからないもの
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.5

ずっと気になっていてやっと見ました。
米国では比較的有名な3姉妹のロックバンドのHAIMの末っ子のAlana Haimが主演で、姉2人と両親が実際に家族役で出演しています。
女優として初主演とは思えな
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

3.9

Nomadlandでアカデミー賞の監督賞を受賞したChloé Zhaoによる2作目の長編映画。配役、場所、シーンの全てからauthenticityへのこだわりが感じられます。

一般人としての感覚では
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アシスタント(2019年製作の映画)

3.9

Me Tooの火付け役となった某大物映画プロデューサーを彷彿とさせる作品。
当の本人は声以外一切登場せず、第三者のイメージに惑わされず最小限のノイズで鑑賞できるようにした制作側の意図が伝わってきます(
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

題名通りほとんど会話によって織りなされる素晴らしい作品。
ストレートには表現しないけれども各人の苦しみがひしひしと伝わってくる巧みな言葉遣いと、衝突しながらもお互いを支え合う様子から、集落の価値観と女
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

ずっと気になっていた作品。
予告編を見てなんとなく雰囲気を掴んだ上で見ましたが、人物同士の何気ないやり取り、独特なカメラのアングル、ホームビデオとカメラが突如入れ替わる編集が組み合わさり、監督自身の幼
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

Cate Blanchettを拝むための映画。
あの迫力と存在感で演じ切れるのは彼女以外いないでしょう。
歩き方や腕の振り方まであらゆる所作が完璧にチューニングされており、ワンカットの長いシーンや難解
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.2

ここ最近見た中で一番心に残りました。号泣必至なのでデートにはおすすめできませんが、苦悩・恥・欲・自棄といった目をそむけたくなるような感情を真正面から掘り下げており、見ごたえのある作品でした。
ほぼすべ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

ユーモアと残酷さの両極端が違和感なく共存する不思議な作品。
同じ風景が続く架空のイニシェリン島を舞台に、しょうもないいざこざが取返しのつかない状況に発展していく様子を追っていきます。
Three Bi
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

ドイツ目線の戦争映画は初めてでしたが、武力と愛国心の裏にある危うさと残酷さに怯まずに焦点を当てた作品でした。
ヒロイズムが一切ない地に足の着いた作品でありながら、リアルな演出に拘り抜いたアンビシャスな
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.5

普段、日本の映画やドラマはあまり好んで見ません。
第一言語だからか、海外作品と比べて台詞や演技の不自然さを感じやすく、いまいちその世界観に浸りきれないからです。
本来作品とは、現実世界の疑似体験ではな
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.1

米国で旋風を起こしA24の映画で最高興行収入を記録した作品。
昨年から心待ちにしており、アカデミー賞7部門受賞が決まる前日にやっと鑑賞。

作品の大まかなテーマや見どころを理解した上で見ましたが、やは
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.7

年末年始に合わせてハリーポッター関連作を一挙配信するNetflix、流石だなぁと思いながら鑑賞。
前作・前々作を見てから少し時間があき、完全にキャッチアップできていないところもありましたが、十分に楽し
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.8

Austin Butlerの迫真の演技と歌唱力だけでも鑑賞する価値のある作品。
ただ本当に長いです。"Trouble"を歌うシーンをピークに、もう終わったかと思ったらまだ続きます。
真のエルヴィスファ
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チャタレイ夫人の恋人(2022年製作の映画)

3.4

The Crown Season 4 のダイアナ妃役として鮮烈デビューを果たしたEmma Corrinと、今は懐かしのSkinsでCook役として一際存在感を放っていたJack O'Connellが主>>続きを読む

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)

3.8

兼ねてから知っていたものの、当たり障りのない作品名でなんとなく見る気が起こらず、Tobey McGuire出てるじゃん!と気づきやっと鑑賞しました。
見始めたときは想像できないようなストーリー展開と感
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.5

ずっと気になっていてやっと見た作品。
男性目線が強めで、作品全体を幻想的に仕立て上げるための美化されたキャラクターと凝った演出により、共感してのめりこむというよりは、一つのフィクションを第三者として静
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.2

ライアン・ジョンソン監督による待望の最新作。
"Don't Look Up"と重複する社会風刺とユーモアに加え、既視感のあるストーリー展開で、期待していただけに少し物足りなさがありました。
前作と比べ
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聖なる証(2022年製作の映画)

4.5

Florence Pughの演技力が相変わらず圧巻。Kira Lord Cassidyは初めて見ましたが、繊細で闇を抱える少女としての表現力が素晴らしく、今後の活躍が楽しみです。
結局皆、自分が信じる
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.6

米国の伝説的なテニス選手であるVenus WilliamsとSerena Williamsの幼少期からプロデビューまでの道筋をその父親であるRichard Williamsに焦点を当てる形で描いた作品>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

大学から上京して初めて自分事として階級社会を感じ、様々な価値観に触れる中で、アイデンティティを再考することが多い同世代の女性として、見ていて苦しくなるほど共感する場面が沢山あった映画。
storyte
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エノーラ・ホームズの事件簿2(2022年製作の映画)

3.7

1を観て面白かった記憶があり、リリース後すぐに鑑賞。
Millie Bobby Brownの相変わらずのカリスマ性に引き込まれます。
レッドカーペットのファッションやメイクが年相応でないと叩かれがちな
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檻の中(2022年製作の映画)

3.8

スペイン語の映画は普段あまり観ないのですが、語学の勉強も兼ねて鑑賞。
ストーリーの構成や演出の仕方、役者の演技力、画の美しさ等を踏まえると非常に質が高く、当初の期待値をはるかに上回る総合力の高い作品で
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.9

Jessica ChastainとEddie Redmayneが主演というので即鑑賞。
並外れた演技力に圧倒されます。

映画自体はシンプルで犯人が誰なのか最初からわかるような構成になっており、サスペ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.3

個々人の演技力や物語のペースは素晴らしいですが、オチでshock valueを狙いすぎたせいでストーリー全体が薄くなってしまっており、結局takeawayが何なのかがよくわかりませんでした。

何の罪
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.7

アナザーラウンドに続き、Mads Mikkelsenメドレーで鑑賞。
こちらはダークさが増した感じ。
後からよくよく考えたら、結局色んな人を理由なく殺しているよね....?という気づきに浸ってはならな
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.0

あとからじわじわ来る映画。
そしてデンマークって高校生でもお酒買って呑めるの!?という衝撃が走る作品。

Mads Mikkelsenの魅力が良く表れている作品でもあり、元々ダンサーだったことが伺える
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

Jordan Peeleによる最新作。予告編から空飛ぶ謎の物体の不気味さと作品が醸し出す世界観に惹かれ、劇場で鑑賞。

同監督によるGet OutやUsのような比較的テンポ良くストーリーが進む感じを期
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.5

冒頭の解説文と飛び立つシーン、教官と生徒の出会い方といい、これでもかというくらい前作のファンの心を掴む工夫に満ちた作品。
その分ベタなシーンが8割ですが、開き直ってベタを目指してベタになっている感じが
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