Tyler Perryが監督・脚本含め全面的に制作に関わった作品。
原題の"A Fall from Grace"は「神の恩寵を失う（悪行によって名声を突然に失う）」という意味と、本作品の登場人物のGraceの名を掛けており、ほとんど黒人キャストである点からもTyler Perryらしさを感じます。
夫を殺害した容疑で告発されていたGrace Watersの弁護を依頼された主人公の女性弁護士が、幾つもの不可解な点を調べるうちに、彼女の無実を示唆するような事実が明らかになっていきます。
最後のどんでん返しに意表を突かれたというレビューが多く、それを意識して見てしまったために終わりが想像できてしまいましたが、確かにひねりのある面白いストーリーとなっています。
Grace役のCrystal Foxの演技が素晴らしく、見覚えがあるなと思ったら、Big Little LiesにBonnieの母親役で出演していました。
Tyler PerryもGone Girlを始め弁護士役は板についている感じ。
一方で他の登場人物の演技は今一つパンチが利いておらず、少しフラットで今一つな印象。
主人公の女性弁護士はcookie cutterな感じが残念で、もう少し彼女の色が出せた気がしました。
友人のSarah役や殺害された夫役も何となく瞬発的で浅い感じがしたので、もう少し各人物を掘り下げるような演技ができたんじゃないかと思いました。
このスケールでなくともこのような事件は現実に少なくないと考えると怖いですし、それを膨らませた発想は面白いですが、個々の演技が不発で中途半端な仕上がりだと感じました。
また中年女性の魅力や"市場価値"をぶった切るような発言が多く、且つそれが特段回収されずに進んだのが個人的には気になりました。
