ヒムロ

哭悲/The Sadnessのヒムロのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
3.4
カイティンとジュンジョーカップルが住む台湾では謎のウイルスが流行りかけていた。
インフルエンザに似た症状のこのウイルスは狂犬病のウイルスに構造が似ており、変異の危険性を専門家が訴えるも台湾の日常は変わらず流れている。
ジュンジョーがカイティンを駅までバイクで送った帰り、突如として残虐な行為を楽しむような人々が現れて街はパニックに。
このウイルスは何なのか、そして二人は無事に再び出会うことが出来るのか。


ゾンビ的なテイストではありつつ、人間の欲望のタガを外すという設定なので会話が出来るというところや、知性や運動能力はそのままなのが本作のミソ。
変異してしまった人物と会話が可能なのはある意味ではゾンビ物より辛い物があるかもしれない。

しかし変異体同士では襲い合わないのが正直謎。
変異体同士でセックスしているシーンこそあれど、変異体同士は殺人にはめちゃくちゃ協力的。
会話できる知性があるはずなのに、そんな事もせずに阿吽の呼吸で襲いかかってくる。
この辺は設定上のガバすぎて見ていて非常に気になった。

ゾンビ系の作品として見ると正直ストーリーも薄味で微妙だが、これはゾンビやホラーではなくスプラッタ映画だ。
スプラッタ物としてのクオリティは正直テリファー並み。
これはスプラッタだともう少し宣伝しておかないと何の気無しにホラーを求めて見た人がトラウマになるレベルだと思う。
視聴にはかなりのグロ耐性が必要かと思う。

ストーリーが薄味とは言ったが、敵は中々キャラ立ちしてて一見の価値あり。
ギャグとホラーは紙一重だが、面白く感じる行動や台詞回しを強引に上からグロで破壊して成立させるのはゾンビ物では出来ない面白さがあると思った。
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