NaokiAburatani

ゴーストバスターズ/フローズン・サマーのNaokiAburataniのレビュー・感想・評価

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前作アフターライフの快音が聞こえてこなかったし、続編はないだろうと思っていたから初めて予告を観た時は寝耳に水でめちゃくちゃ驚いた。
海から迫る氷河期もかくやという冷気には「全世界、氷結」というキャッチコピーも相まってスケールの大きさを期待するものだった‥のだが‥

まずは良かった点。冒頭のドタバタ捕獲騒ぎが楽しく観れた。ただし、世代が代わったことによるガジェット等の目新しさはなく、逆にここが自分にとってのクライマックスだった‥
次に何と言ってもマッケナ・グレイスちゃんの可愛さ。全方位から観ても可愛いとか奇跡かよ。
主にマッケナ・グレイスちゃんの存在だけで最後まで鑑賞できたと言っても過言ではない。
良かった点は以上だっ!!

さて、肝心の本編はというと、ハッキリ言ってシナリオの杜撰さとスケール・予算不足感が透けて見えてしまった気がする。

今回ばかりは市長の「またやりやがったな、ゴーストバスターズめ!」という文句に賛同せざるを得ない程事件に登場人物のマッチポンプさを感じてしまった。

多様性なのかも知れないけど、登場人物出し過ぎでは?あまりうまく捌けてないし、沢山の人種を登場させてる割にはアジア人一人もいないし。
なもんで、フィービー以外の登場人物達の存在意義が分からん。新世代GBの面々はあんだけフィービーを仕事から遠ざける割には、ホントに困った時には便利屋のように助けを求めるんだから調子が良過ぎないか?そもそも彼らは誰から給料貰って生活してるんだろうか?旧世代と違ってあの一家でなければならない理由が見当たらない。

そして最終決戦の盛り上がりのなさがキツい。消防署の中という非常に狭い空間でのラストバトルは物足りなかった。
プロトンパックを真鍮で改良したのはフィービーだし、ポール・ラッド以下の3人は後ろで支えてただけで、こんな物理的に家族が力を合わせる描写だけで絆を表現されてもなぁ‥いつの間にか打ち解け合ってたし。
敵の親玉の能力の一つに他の霊を操るものがあったから、てっきりNY中で大量のゴーストが暴れまくって人手が足りなくなったから旧世代が助っ人に来てくれる展開かと思ってたけど、そんなことはなく、ビル・マーレイとかホントに何しに来たのか分からないくらい活躍がなかった。
シガニー・ウィーバーに至っては、言及すらなく存在消されてたし、キャスティングの意図が分からなかった。
ゴーストに襲われてる市井の人々を助ける描写もなく、大体内輪の話だったのもマッチポンプ感と予算不足感を加速させている要因だったように思う。
こんなにとっ散らかってしまったならば、いっそのことファイヤーマスターの話にもっとフォーカスさせた方がまだ良かった。

敵の親玉のビジュアルも怖くもなければ気持ち悪さもなく、パッとしない印象。と、言うかファイヤーマスターの一族は封印してる呪物のすぐ近くにパワーアップアイテムである角も一緒に保管すんなよ!復活したら小学生が忘れ物取りに戻ったみたいなノリで案の定取りに帰って来ちゃったし。簡単に角のつけ外しが出来るなんて、お前はバッファローマンか!!
んで、ファイヤーマスターの一族に対して何かしら対策あんのかと思ったらまさかの無策。何がやりたかったんだ、こいつは‥

そして、今回の一番の問題点は、どうして夏に公開しなかったんだよ!?ということ。
まだ肌寒い春先に公開されたために、フローズンサマーの異常さの臨場感が完全に死んでいた。夏休みに公開されていれば、まだもう少し楽しめただろうか?
う〜む、今度こそシリーズ終了の危機なんでは‥
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